花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

いじめている君へ

2012-07-31 01:00:41 | Weblog
 このところ朝日新聞朝刊には、いじめについて各界の識者から寄せられたメッセージが掲載されています。7月28日(土)は先に直木賞を受賞した辻村深月さんから「いじめられている君」に対する、「夢中になれる何かを見つけて」との呼び掛けでした。辻村さんは言います。「大好きで夢中になれる『何か』を見つけてほしい。それはきっと、海に投げ出された時にしがみつけるブイのように、つらい現実に溺れそうな自分を救ってくれる。」自身、友達付き合いが苦手だった辻村さんは、フィクションの世界にのめり込むことで、現実とは別の自分だけのもうひとつの世界に楽しみを見いだしていたそうです。辻村さんはこうも言います。「アイドルでも、スポーツでも、何でもいい。つらい状況に追い込まれる前に、夢中になれるものを見つけて、自分の心を豊かに強く、保ってほしい。」辻村さんのメッセージは、「いじめられている君」だけではなく、「いじめている君」へのメッセージでもあると思います。夢中になれるものがある人は、人をいじめている暇はないからです。何かに一生懸命になっている時、つまらないことに時間を使うのは、ひどくもったいなく感じます。「小人閑居して不善を為す」とはよく言ったものです。凄いことじゃなくても構いません。心の拠り所となる、夢中になれるものを持つよう子どもたちを導いていけば、それはいじめっ子もいじめられっ子も作らないことにつながると思います。