花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

チーム・バチスタの栄光

2008-03-07 21:16:34 | Weblog
 ママと娘がディズニーランドへ行った木曜日、「パパ、晩ごはん食べて来てね」の言葉に、それなら仕事帰りに映画でも観てみようと思い、「チーム・バチスタの栄光」を観てきました。新聞広告の内容や、成功率60%の心臓バチスタ手術を26例連続して成功させた奇跡のチームで3連続術死、犯行現場は半径10cm、犯人はチームの7人の中に、といった設定からすると、てっきりミステリーと思っていましたが、ちょっと違うかなといった感じでした。もし、まだ観ていない人から「どうだった?」と聞かれたら、「謎解きを期待して観ない方がいいよ」と答えるかもしれません。
 この映画で象徴的なのは、手術の失敗が連続したことをうけて調査に乗り出した竹内結子が、バチスタ・チームのメンバーのヒアリング結果を記録する時、それぞれのメンバーを動物に例えるところです。リーダーの吉川晃司はワシ、井川遥は巻貝、ココリコの田中はヤギ、こんな具合にひとりずつ生きものに当てはめていきます。そして、俳優のみなさん、そのかなりカリカチュアされた人物設定に忠実な演技をされていらっしゃいます。つまり、「チーム・バチスタの栄光」は謎解きミステリーではなくて、個性的なキャラを持つ登場人物の面々を紹介していく映画のような気がします。ですから、人物描写をたっぷりやった後は、事件解決のために厚生労働省からやって来た阿部寛が、高速3倍モードで真相を究明します。例えば、真犯人が分かって、竹内結子が犯人に犯行の動機を尋ねた時、阿部寛は「そんなこと聞いたって無駄だ。こいつは人間じゃないんだから」みたいなことを言って、ハイおしまいです。ミステリー映画では動機の解明は大事です。金田一耕助なら絶対そんなことは言いません。でも、次から次へと癖のあるキャラが入れ替わり立ち替わり出てくるので、謎解きだと思わずに人物紹介劇だくらいに思って観れば、なかなか面白い映画だと思います。
 ところで、バチスタ手術で患者が亡くなったのは手術の失敗によるものではなく、犯人がある方法で脳に損傷を与えたためでした。阿部寛がその手口を披露してくれましたが、なぜいつも手術の同じ手順のところで患者に死がもたらされたのでしょうか。脳に損傷が及ぶスピードに個人差はないのかなぁと思いました。