世界に稀な日本の定形短詩=短歌・俳句には、先人の言霊と自由に戯れる「本歌取り」の愉しみもある、と、大岡信や金子兜太を読んで知りました。
有名な芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」を、「古池や芭蕉飛び込む水の音」(仙崖和尚)や、「古池や蛙飛び込み複雑骨折」(蔵元秀樹・高一)はやり過ぎでしょうが、以下、少しだけ・・・
◆元歌 8世紀
夢の逢いは苦しかりけり覚(おどろ)きてかき探れども手にも触れねば【大伴家持】『万葉集』
◆連想 10世紀
秋きぬと目にはさやかにみえねども風のおとにぞおどろかれぬる【藤原敏行】『古今集』
◆本歌取り 20世紀
今日の雪におどろいて句に志す【高濱虚子】『贈答句集』
◆もじり 21世紀
今日の雷におどろいて句に心ころがす【久世樹】
老いの脳トレに、絵と笛に、言葉遊びも加えようと思います。
☆☆顔彩画『梅雨の恵み(杏と桜桃)』☆☆