司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

毎日新聞社が減資

2021-01-20 04:49:17 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ198YH0Z10C21A1000000

「毎日新聞社が3月に資本金を現在の41億5000万円から1億円に減資する・・・・・資本金を、税制上は中小企業の扱いとなる1億円以下にすることで節税する。1月15日に開いた臨時株主総会で承認された。」(上掲記事)

 官報掲載は,1月25日の予定であるという。
 
cf. BLOGOS記事
https://blogos.com/article/510833/

 おそらく同時に「剰余金の処分」(損失の処理)も行って,「資本金等の額」を減ずるのであろう。規模からすると微々たるものとはいえ,いわゆる「均等割」を減らす効果も大きい。

cf. 均等割 by 税務研究会
https://www.zeiken.co.jp/yougo/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E7%A8%8E/%E6%B3%95%E4%BA%BA%E4%BD%8F%E6%B0%91%E7%A8%8E%EF%BC%88%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E7%A8%8E%E5%8F%88%E3%81%AF%E5%B8%82%E7%94%BA%E6%9D%91%E7%A8%8E%EF%BC%89/%E5%9D%87%E7%AD%89%E5%89%B2%E3%81%AE%E7%A8%8E%E7%8E%87.html


 ところで,「株式会社毎日新聞社」は,持株会社である「株式会社毎日新聞社グループホールディングス」の100%子会社である。現在は,資本金の額が41億5000万円で,会社法における「大会社」であり,おそらく「公開会社でない株式会社」。

 とすると,単に中小企業税制等の観点からのみならず,会社法的にも減資をして,機関設計の簡素化を図ることは,合理的な選択であり,十分戦略的であるといえる。

会社法
 (大会社における監査役会等の設置義務)
第328条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。


 一般的に,減資の目的としては,以下のような点が考えられる。

① 欠損を填補する。
② 剰余金の配当を可能にする。
③ 大会社の要件から外れることにより機関設計の簡素化を図る
④ 中小企業税制の適用を受ける。
⑤ 外形標準課税の課税対象から外れる。
⑥ 「資本金等の額」を減少させて,地方税の「均等割り」を減額する(※平成27年税制改正で復活した。)。
⑦ 業種ごとに定められている「中小企業」の要件に該当することにより助成金等の恩典を享受できるようにする。
⑧ 中小企業退職金共済制度の利用を可能にする。
⑨ 経営承継円滑化法が定める遺留分の特例や納税猶予を利用できるようにする。


「中小企業」のメリット享受を維持するために,増資と同時の減資&「資本準備金の額の減少」や,株式交換や株式交付と同時の「資本準備金の額の減少」も今後益々増えるであろう。


 関西風に言うと,中途半端に大きな資本金の額で「ええかっこ」しているのは「あほ」であり,今回の選択は「かしこ」であろう。
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