最高裁平成25年9月4日大法廷決定
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02
最高裁決定が早速アップされている。
「1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた
2 本決定の違憲判断は,平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき,民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判,遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない」
「先例としての事実上の拘束性」に関して判示しており,極めて異例であるが,今後の違憲判決においては,必要不可欠な説示となりそうである。
ところで,この決定によれば,平成13年7月以前に開始した相続に関して,今後遺産分割協議等を行う場合,「合憲」として実務を行え,ということになりそうである。やむを得ないのかもしれないが,この「基準時」による区別により,実務の現場で混乱は必至である。
「平成13年7月▲▲日」と伏字になっているので,「基準時点」である「Aの相続開始時」が不明である。いつの「時点」を基準に実務を行えばよいのであろうか?
また,
「可分債権又は可分債務については,相続の開始により法律上当然に法定相続分に応じて分割される可分債権又は可分債務については,債務者から支払を受け,又は債権者に弁済をするに当たり,法定相続分に関する規定の適用が問題となり得るものであるから,相続の開始により直ちに本件規定の定める相続分割合による分割がされたものとして法律関係が確定的なものとなったとみることは相当ではなく,その後の関係者間での裁判の終局,明示又は黙示の合意の成立等により上記規定を改めて適用する必要がない状態となったといえる場合に初めて,法律関係が確定的なものとなったとみるのが相当である」(12頁)。
ということから,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能となりそうである。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02
最高裁決定が早速アップされている。
「1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた
2 本決定の違憲判断は,平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき,民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判,遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない」
「先例としての事実上の拘束性」に関して判示しており,極めて異例であるが,今後の違憲判決においては,必要不可欠な説示となりそうである。
ところで,この決定によれば,平成13年7月以前に開始した相続に関して,今後遺産分割協議等を行う場合,「合憲」として実務を行え,ということになりそうである。やむを得ないのかもしれないが,この「基準時」による区別により,実務の現場で混乱は必至である。
「平成13年7月▲▲日」と伏字になっているので,「基準時点」である「Aの相続開始時」が不明である。いつの「時点」を基準に実務を行えばよいのであろうか?
また,
「可分債権又は可分債務については,相続の開始により法律上当然に法定相続分に応じて分割される可分債権又は可分債務については,債務者から支払を受け,又は債権者に弁済をするに当たり,法定相続分に関する規定の適用が問題となり得るものであるから,相続の開始により直ちに本件規定の定める相続分割合による分割がされたものとして法律関係が確定的なものとなったとみることは相当ではなく,その後の関係者間での裁判の終局,明示又は黙示の合意の成立等により上記規定を改めて適用する必要がない状態となったといえる場合に初めて,法律関係が確定的なものとなったとみるのが相当である」(12頁)。
ということから,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能となりそうである。