新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ひさびさのブログ・・・

2016年11月12日 | 音楽

ひさびさのブログアップです。真夏から紅葉の時期へと、随分時が経ってしまいました。
ブログを始めてから13年目に入ると主婦目線のマンネリ化から抜け出せずに、パソコンに向かう気力が失せてしまっていました。
それが千住真理子さんのコンサートで 涙が出るほどに美しい旋律がストラディバリウス「デュランティ」から紡ぎだされると、この感動をぜひ記録をしておかなくてはとアップする元気が出ました。

チケットは招待券。夫婦でお世話になっている歯科医の先生がわざわざ電話をくださり、二人で喜んで鑑賞してきました。

九州には単科の音楽大学がありません。
そこで2021年設立を目標に「福岡音楽大学設立の会」が立ち上がり、現在活動中という事で、広報の目的もあったようです。

ヴェルディの「凱旋行進曲」、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。
そして千住さんのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲第1番」です。

始まって2分ほどすると、デュランティの弦の上を弓が滑り出し、その音の美しさとメロディ-に思わず目頭が熱くなりました。


誠実さあふれる音楽家の千住真理子さんは、「千住3兄弟」とその才能を騒がれても、数億円のヴァイオリンを貸与でなく所有しているにも関わらず、立ち居振る舞いに謙虚さが見られます。その腕前だけでなくこんな人間性が人の心をひきつける所以でしょうか。

アンコール曲がエルガーの「愛の挨拶」。ヴァイオリンがこの上なく美しく聞こえる曲です。この曲には思い出があります。
まだ不況の波が覆っていたパリの地下道で、若い女性のヴァイオリニストがお金を入れる箱を前に置いて演奏していました。日本ではコンサートホールで聞くような演奏を惜しげもなく披露しているのです。聴きながら20メートルほど進んだところで「こんなに素晴らしいのを聞き流すのは申し訳ない」と引き返して紙幣を差出しました。敬意を表したかったのです。
すると女の人は紙幣をポケットにしまいながら、ニッコリ微笑んでエルガーの「愛の挨拶」を弾いてくれたのです。曲の選定にさすがフランス人と妙に嬉しくなりました。
もう一つのアンコール曲は九響の演奏で「ニムロッド」。アンコールにしては長い静かな静かな曲を演奏してくれました。消え入るような最後の終わり方がたまりません。最近はエルガーが人気があるようです。

演目も演奏者もこの上ないコンサートで久々に心晴れやかに家路につきました。

コメント    この記事についてブログを書く
« 0円野菜 | トップ | 『コキア箒』ができました »