新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

安部龍太郎 『ふりさけ見れば』 その①

2021年10月09日 | 本・新聞小説
「ふりさけ見れば」、この7文字で阿倍仲麻呂の哀切が思い浮かぶほど国民的フレーズになっています。これが2ヶ月前にスタートした日経連載小説のタイトルになっています。

10月1日掲載の❮あらすじ❯
『遣唐使の阿倍仲麻呂に帰国の時が迫る中、同期の井真成の変死体が見つかる。他殺を疑う仲麻呂は真相の究明に乗り出す』
これに付随して『QRコードを読み取ると小説をもっと楽しむための「副読本」が読めます』と粋な計らいがありました。連載も日々進化!
 
QRコードから読み出した資料の一部、人物相関図です。これがあるだけで内容がすっきりと読み進めます。人物の名前と関係を記憶するのが不得意な私には欠かせません。
ここに出てくる「井真成」は仲麻呂と同期の実在の留学生で、今まで詳細が分かリませんでした。
それが、彼の墓誌が2004年に西安の建築現場で発見され話題を呼びました。その碑文の拓本が2005年九州国立博物館の展覧会に展示され、異国の地で懸命に生きた命がやっと日の目を見たと痛く感動したものです。

だからこの小説で名前が出た時はとても感激しました。小説に登場するのは初めてじゃないかなぁ・・・。現在のストーリーは、36才で不自然に命を落とした井真成の真の原因を知ろうと、吉備真備と仲麻呂が奔走しているところです。

★下記にウィキペディアからの解説を引用します★

『墓誌には、日本人留学生の井真成が、開元22年(西暦734年)正月■(朔~十,廿のいずれか)日に死去したので、「尚衣奉御」の官職を追贈されたなどと記されている。これは考古学的に、中国で発見された最初の日本人の墓誌であり、他国も含めた唐国への留学生の墓誌の唯一の発見例である[2]。現存の石刻資料のなかで日本の国号を「日本」と記述した最古の例である[3]。』



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