新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

師走の旅③ 旧岩崎邸庭園  三菱一号館美術館

2015年12月22日 | 美術館&博物館

朝のラッシュを避け御徒町下車徒歩15分。懐かし~い感じのする街並みをを通って「旧岩崎邸庭園」へ向かいました。不忍池あたりには孫のベビーカーを押したシニア族が多いのにびっくり。若い夫婦のために精一杯サポートしているんですね~。同世代として共感できるし、子世代にもエールを送りたいです。


南側のベランダ側から撮った写真です。三菱第3代社長の久彌の本邸として、コンドルの設計により完成し、主に岩崎家の迎賓館として使われたそうです。

11時に始まるボランティアガイド氏の説明で、建物、系図、生活などの説明でより詳しく知ることが出来ました。建築様式の説明は当然のことながら、随所でのエピソードに心を奪われていました。
関東大震災の折には屋敷が避難所として住民に開放されたこと。先の東日本大地震の時もバカラのグラスを並べたガラスケースはびくともしなかったとのこと、驚きでした。割れなかったほどしっかりした建築が明治に建てられていたのです。
戦後GHQに接収された後、貴重な金唐皮紙(きんからかわかみ)の壁はペンキで白く塗りつぶされてしまったけど、平成の修復時にそのペンキの下から金唐革紙が現れたとか!いくつかの偶然が重なって奇跡的によみがえった金唐皮紙の壁は素晴らしいものでした。これは以前NHKでも放送されていました。
暖炉の上の大きな鏡の値段が当時の上クラスの家1軒分に相当すること。日本にはまだそのように大きな鏡を作る技術がなかったので、訪れた人たちが驚いたそうです。
美しく聡明な寧子夫人は保科家のお姫さまで華族女学校の首席だったとか。家族写真が飾ってあり、見学者が声を上げるほどに
美しい方でした。あのエリザベス・サンダースホームの沢田美喜さんはここのお嬢様。
子供たちの家庭教師は津田梅子で教育に熱心だったのはいうまでもありません。

久彌は5年間の米国留学をしていたこともあり、陽が注ぎ家族が集まれる場所のテラスが欲しかったのだそうですが、英国設計士のコンドルに気兼ねして、氏の亡くなった後に、小火の影響もあってテラス部分を増築したとか。裕福になっても決して傲慢ではなかったところがいいですね~。
小岩井農場にも関連があり土が大好きだったようです。カフェでは小岩井の牛乳で作ったアイスやチーズケーキ、ぜんざいなどがいただけます。ショップでは乳製品を売っていました。


洋館につながる奥の和館は、かつて岩崎家の居住空間で550坪だったそうですが、今は冠婚葬祭に使われた大広間だけが残っています。今では調達不可能な部材の一つ一つに、当時の栄華と日本建築の粋が偲ばれました。
地下通路を通りぬけて往来できるという撞球室はスイスの山小屋作りになっていました。地下通路を通って撞球室へ直行する見学コースが、月に2回ほど、人数限定で催されるそうです。
2時間余りの見学で、急速に西欧化されたにも関わらずこの様に立派な洋館が建築できたこと、その内部に息づく人たちの生き方に、当時の日本の新しい息吹をじかに感じ取ることが出来ました。

次は三菱一号館美術館。「プラド美術館展」開催で復元なった建物内は人だかり。現地のプラド美術館では大型ばかりですが、こちらは原画などの小ぶりなものが多く、グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ムリーリョなど名だたる画家の濃密な作品でした。
日本でのコレクション展はキャプション付きだから分かりやすく、白内障手術後だからキャプションが鮮明に見えラッキー!


すぐそばに「kitte」ビルがあり、???でしたが、漢字で書けば「切手」、日本郵便の商業施設です。何とも古めかしい呼び方ですが、それとは反対に素敵なビル内でした。東京の地下は巨大なビル群をよくぞ支えているものだと、地方住まいの私は不安に感じるほどです。


フライトの出発に余裕を持つために早めに羽田に向かいました。美術館の庭に面したカフェで休めなかったのは残念でしたが、この歳になると時間に追われた旅はしたくないという気持ちになります。

搭乗前に空港第2ビルの「牛タン 荒」で夕食をとりました。牛タンという看板を見ただけで店内に入ってしまいましたが、厚切りのタンが軟らかく、とろろのダシが効いていて美味しくいただきました。
 

旅の「〆」にぴったりのお土産を見つけました。

中味はただのゴーフルですが、カラフルな色を取り合わせた北斎の絵が心を躍らせてくれます。あげた人のリアクションが今から目に浮かびます o(^-^)o 

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今年の異常気象を象徴した12月に咲いた庭の花です。喜んでいいのか・・・、やっぱりちょっと不安になります。




ポピーとサクラソウは春の花なのに・・・。一番下のゲラニュームは6月ごろ咲く花ですが・・・。

 

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