新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ベルリンの壁のかけら

2009年11月09日 | 歴史

Touou1_016 20年前の今日、1989年11月9日の衝撃的なニュースを忘れることができません。

ベルリンの壁の事実上の崩壊。10日の未明には壁の上に乗った市民が、ハンマーでそれを打ち砕いている映像を、全世界の人たちが歴史の生き証人として見守りました。東独の市民が独裁政権を恐れずに民主化を求めた・・・、この崇高な戦いは20世紀の終わりに素晴らしい歴史的な出来事だったと思います。

 あれから20年。ドイツにはもう壁のことすら知らない人も増えてきたようですが、「冷戦」や「壁」の言葉を、政治の仔細はわからないまでも耳にし続けた私は、その映像を胸が熱くなる思いで見ていました。あの強固な壁を崩すことはできないだろうと想像していただけに、ハンマーの一振りに自由を求める人間の心情が痛いほど伝わってきました。

Kabe_011_25年前に訪れたベルリンは、ちょうど壁崩壊から15年経ったときでした。この壁のかけらは壁博物館・チェックポイントチャーリーハウスで買ったものです。悲劇の記憶として、歴史の証拠として価値あるものです。博物館にはベルリン封鎖当時の様子や壁を乗り越えた失敗、成功談など、目を覆いたくなるような悲劇にみんな声を少なくして見入っていました。

上段の写真は、「イーストサイドギャリー」と呼ばれ、残された1300mの壁の一部です。旧ソ連と旧東独のトップ、ブレジネフとホーネッカーの情熱的なキスシーンを描いた人気の壁画です。

壁崩壊後の1990年に、世界の118人の画家が思い思いに描いたもので、私が5年前に訪れた時にはかなり痛んでいました。20周年を前にきれいに修復されているそうです。

Touou1_024 特に壁崩壊の前にチェックポイントチャーリーを通過して東ベルリンに入ったことのある夫は、民主化されたドイツにその感慨もひとしおのようでした。

ドイツは悲願の統一を果たしましたが、もとの東ドイツは失業率も高く東西ドイツの格差が問題になっています。

東西冷戦終結の後に登場したグローバル化。この中で貧富の差や環境問題が深刻化していることも歴史の事実です。

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