新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

式守満美ピアノリサイタル

2006年02月03日 | 音楽

Sikimori0602_12月2日(木)にあいれふホールで式守満美(Mami Shikimori)さんのピアノリサイタルがありました。満美さんのお母様を存じ上げているせいか、大成功のリサイタルをとても嬉しく思いました。

プログラムは シューベルト…3つのピアノ曲。 ドビュッシー…プレリュード。 エドワード゛・ハーパー…バラード。ショパン…ソナタ第3番。

ショパンのソナタ第3番は、素人目にも高度な技巧が求められているのが分かる難しい曲ですが、指がよく動く、動く、動く!ドビュッシーのオンディーヌ(水の精)では、水の流れ、水紋までが思い描けるような演奏でした。高度なテクニックを身につけ、旋律の美しさがでて、場内が圧倒されているのがよく分かりました。

2時間があっという間。アンコールの最後までを大切にし、決して手を抜かない演奏に感銘を受けました。満美さんも持てる力とエネルギーを出し切り、聴衆もそれを完全に受け止めました。最後の演奏の後、聴衆に礼をする満美さんと拍手する観客の間に一瞬、双方の思いが溶け合ったような不思議ないい空気が流れ、とても満足したコンサートでした。

満美さんは1977年福岡生まれ。現在ロンドン在住の若き新進ピアニストです。

1993年、中学卒業後すぐに奨学金を得てロンドンのバーセル音楽学校、後にRoyal College of Music(王立音楽大学)へ留学します。卒業リサイタルでは、それまでに前例のない審査員全員一致の満点をとり、首席で卒業。ホプキンソン・ゴールドメダルも受賞します。その後、フル・スカラシップで南カリフォルニア大学大学院に進みます。

2003年、イブラ国際コンクール2位入賞、ドビュッシー賞獲得など、その他数々の賞を獲得したり、優勝しています。

ソロのピアニストとして欧州、ニューヨークのカーネギーホールの大舞台で演奏したり、コンチェルトのソリストとしても数多くのコンサーアトをこなしたり、ツアーでも大成功を収めています。

ベートーヴェンの大家であるバーナード・ロバーツ氏の評は彼女は、人をひきつける演奏をするすでに成熟した芸術家である。・・・完全に説得力のある芸術性を持った演奏。』

ジェフリー・ライス氏(ハートフォード音楽祭)『聴衆は、彼女のテクニックだけではなくその莫大なパワーに息をのんだ。彼女は、その解釈の力により、聴くものに深い感銘を与えた。』

中学卒業後に単身渡英。演奏活動の拠点も海外だったために、日本での知名度は高くありませんが、海外ではすでに高い評価を受けています。恵まれた才能と不屈の精神と自立心。黒いドレスの似合う美しくスリムな体からは想像できない、驚くほどのエネルギッシュな音がかもし出されます。

今年の夏には九州交響楽団との共演、さらにリサイタルも予定されています。これを機会に、日本にもどんどん進出し活躍してほしいと願っています。

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