ラジヘリ空撮

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使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート2

2012-03-22 00:01:00 | ガソリンヘリ
弊社で通常使用している空撮機は・・・自社開発した40ccクラスの機体である。

この機体も・・・独自の理論で完成させ、そのシリーズは開発以来10数年以上も
無事故を貫いて、現在も現役で活躍している。

今回の29ccのエンジンを搭載する時にも・・・その時の理論や経験が生きている。


勘違いされると困ってしまうので、予め・・・ここでお断りしておく。


これまで・・・模型機の機体強度に付いてや、模型機を産業用にコンバートする場合の注意点に
付いて話しをして来たのだが・・・何も模型機を産業用に使用する為の指南をしている訳でも、
模型機をその様な用途に使用する事を推奨している訳でも無い。

それらを安易に産業用として使用する事の危うさや、そう簡単に産業用途に使用出来る
レベルまで、模型機の性能や耐久性を押し上げる事など出来ない事を解って欲しいからである。


その上で今回は、何故29ccなどと言うエンジンを搭載する事になったのか?
その理由に付いて述べたいと思う。

昨日の投稿でも・・・ノーマルの機体に29ccのエンジンは全く必要無い事を説明した。

全く必要無いどころか・・・弊害ばかりが浮かび上がって、扱い難い機体になってしまうのである。


具体的に、それはどう言う事か?と、言えば・・・少し大袈裟だが軽自動車に2000ccの
エンジンを搭載した様なモノだ・・・と、言えば・・・大体察しが付くだろう。


勿論、ヘリに・・・では無い。車に例えて・・・話をしている。


先ず、大きなエンジンを搭載した事で・・・車の重心が狂ってしまう。


マスの集中化を図る事で、コーナーリング性能が向上する事は周知の事実なのだが・・・
大きなエンジンを搭載した事で・・・マスの集中化どころではなくなってしまう。

ドラックスターの様な・・・ただ真っ直ぐ走るだけの車なら良いのだが・・・峠やサーキットを
早く走る事など・・・夢のまた夢。


タイヤもノーマルのままでは・・・恐らく真っ直ぐ走る事も難しくなり、スーパーへ
買い物にさえ行く事も儘ならないだろう。

折角・・・早い車を求めて大きなエンジンを搭載したのに・・・もし・・・そんな車が
実在するとすれば・・・おそらく酷く扱い難い車になってしまう筈だ。


車に例えて・・・少し大袈裟な話をしたが・・・ノーマルの26ccクラスの機体に、
安易に29ccのエンジンなど搭載すれば・・・同じ様な事が発生する。


例えば・・・メインギヤ等のパーツの強度が保てなくなる。

それから・・・当然エンジンのパワーが出てしまうので・・・ホバーリング時などでは
メインローターの回転数が高くなり過ぎる。

従って・・・それを改善する為には・・・キャブの開度を絞って出力を下げる事になる。

キャブを絞れば・・・その開度が足りなくなる。

結果・・・エンジンは・・・トルクバンドから外れて回転する事になる。

そうなると・・・エンジンが安定して回る事など出来ない。


この状態に於いて・・・稀にエアーファンネルなどの付加物をキャブレターに取り付けて、
ホバーリング時のエンジンの状態を改善させようとする人もいるようだが・・・

私には、どの様な理論でその様な行為に走るのか?全く理解が出来ない。

そんな事をして見ても・・・何の解決にもならないのである。


そもそもエアーファンネルは・・・2サイクルエンジンに取り付けてみても・・・殆ど効果が
得られ無い事が理論的にも実証されている。

因って・・・2サイクルのロードレーサー(極限までパワーを絞り出した、レース用のバイク)
などにも取り付けられて来なかった。


エアーファンネルは、元々4サイクルに取り付けてこそ効果を発揮するモノで・・・
2サイクルエンジンでは、その燃焼サイクルが早過ぎて・・・理論的にも意味を成さないのである。

そもそも・・・エアーファンネルとは・・・高回転域に於いて、キャブへの流入空気の脈動を
調整する為に、用いられるモノなのだ。



但し・・・模型の飛行機などでは・・・稀に使用される事がある。

その訳とは・・・エンジンナセルの形状に因って、空気が整流される為、アクロなどを
行なった時に、マニューバに因っては、その形状から・・・キャブの吸入口付近の空気が
負圧となって、キャブに空気が入り難くなる事がある。

その為、一時的にエンジンがリッチになってしまい・・・エンジンが息を付いたり、
回転が急激に下がる事がある。


それを改善する為に・・・エアーファンネルを取り付ける事があるのだが・・・それは製流域や
乱流の外側(外れたところ)から、確実にキャブレターに空気を取り入れるだけの目的で使用され
・・・決してエンジンの回転ムラを改善させたり、それによりパワーアップを図る為では無い。


その為・・・メーカーに因っては・・・ただの筒の様な形状をしたモノまで有る程だ。


何だかんだと、言いながら、色々書いたが・・・無駄にパワーを上げても・・・ろくな事は無い。

それでも・・・弊社では29ccのエンジンを使用している。

29ccのエンジンを使用しなければならない訳とは・・・。

次回に・・・続く。
























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