ラジヘリ空撮

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使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート5

2012-03-25 00:01:00 | ガソリンヘリ
使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・とか言いながら、
長々と今回は・・・その5回目。


何か回を重ねるにつれ・・・些か話のピントがズレつつ有る様な気がしないでは無いが・・・
例に因って、今回も・・・気ままに投稿する事とする。




26ccのガソリンエンジンを使用した時・・・手動で操縦した時にはエンジンに掛かる
負担が少ない?・・・とは・・・どう言う事なのだろうか?


又・・・同じ機体でも、DJIの様な制御系を搭載した場合には、エンジンへの負荷が増える?
とは・・・一体、どう言う事なのだろうか?



この課題に付いて、様々な考察を行なって来たが、この話も・・・いよいよ大詰めを
向かえつつある。

因って・・・ここで少し整理の意味で・・・エンジンの負荷がどうのこうの言う前に・・・
制御系の違いに付いて・・・現状把握を行なっておく事としたい。



先ず・・・完全手動制御(通常のラジコン操縦)の場合は・・・操縦者のレベルに完全に
依存している事から・・・練度が低い操縦者ほど・・・位置精度はファジーである
(適切に同時に複数の舵を操縦出来ないので、操作が分散していてタイミングがズレている)。


エンジンに掛かる負荷は・・・と、言うと・・・初心者の場合は、操舵が分散しているし、
熟練者の場合でも・・・複合操作を行なうのだが、操舵量が適正で少ない為に・・・エンジンに
掛かる負担も、それ程では無いと考える。


DJIの様な制御系を機体に搭載した場合では・・・如何なのだろうか?


その制御装置が正常に機能している場合に於いて、尚且つ、ホバーリング時に限って言えば・・・
操縦者のレベルに因って・・ヘリの位置精度に違いが出る様な事は、それ程無いのである。


この話の理由は・・・GPSや様々なセンサーの情報を集約して、機体にフィードバックする事で、
機体を自動で制御しているからに、他ならないからであるのだが・・・。

従って、その間・・・操縦者は機体をコントロールする必要が無いので、その差が出ないのある。

勿論・・・機体を移動させる場合は、操縦者がコントロールするので、操縦者の技量次第で・・・
コントロール精度には・・・当然・・・隔たりがある。


制御系を搭載した機体では・・・肝心なエンジンへの負荷は・・・どの様になっているのだろうか?


ここで言える事は・・・エンジンが追従出来ようが出来まいが、それとは関係なく・・・
制御系が、舵を入れてしまう・・・と、言う事なのだ。


要は・・・エンジンがどの様な状態に有るのかを・・・一切鑑みずに、制御系が操舵をしてしまう。


それでも・・・手動で有ろうが、自動で有ろうが・・・良好な気象条件の下でホバーリングを
行なっている時は、エンジンに掛かる負担はそれ程では無いと思うので・・・問題は無い。



処が・・・強風下でのフライトで・・・問題が発生する事がある。


この事は・・・取りも直さず、操縦者はコントロールを行なっていない時でも・・・制御系が、
各センサーからのフィードバックを受け・・・勝手に機体を制御し、安定させようとしているからに
他ならない。


DJIの今の段階では・・・自動制御で飛行している限り・・・防ぎ様が無いのである。

エンジンの状態が、制御系にフィードバック出来れば良いのだが・・・今は・・・出来ない。



こんな時は・・・手動に切り替えれば、回避出来るのだが・・・初心者の場合は、エンジンの音だけで
適切な処置を施せないので、回避する事も出来ないだろう。




機体に制御系が搭載されている機体で有って・・・正常に全てが機能している場合は、熟練者であろうが
初心者であろうが・・・機体の安定性に大差は無いのだが・・・。


だからと言って・・・初心者が、この手の制御系を安易に使用しないで頂きたい。

上記の様に、何か機体に異変が生じた時は・・・当然、手動に切り替えて操縦する必要が有る為だが・・・
繰り返しになるが・・・経験の違いで、その事に対応出来ないからだ。


制御系が、勝手に機体を安定させている時でも・・・機体を操縦しない分、熟練者ほど
機体の変化に神経を尖らせていて、何か異変が生じた時には・・・直ぐに対処出来る用意を
常にしているモノなのだ。


方や初心者の場合は・・・只、機体が安定しているからと言って・・・無防備に傍観している事が多い。


この違いが・・・安全へのマージンになっている。


この様な場合・・・特に初心者は、異変が生じた事すら判らずに・・・事態を悪化させ、
結果・・・事故に発展する事が珍しくないからだ。


模型で使用している場合は・・・それでも問題無い?と思われるが・・・そんな状態で、
業務を行なう事は・・・NGである。



又・・・意識の違いが有ると思うのだが、中には・・・ホバーリングしている機体に背を向けて・・・
ピースなどと、安全を無視した様な事例も見受けられる。


例え熟練者でも・・・制御慣れしていない人が、ラジヘリが自動で・・・勝手に飛んでいるのを見て、
嬉しくなって舞い上がる気持ちも、判らないでも無いが・・・非常に危険である。


因って、この行為・・・安全に対する知識の欠如が著しい・・・能天気にも程があると、私は考えるし、
この様な暴挙が・・・初心者に勘違いを与えている側面も否めないので・・・特に、熟練者の皆さんは
謹んで頂きたいと思う。


兎角・・・初心者ほど・・・ベテランのやっている事を真似するモノである。

そこには・・・良いか?悪いか?危険か?そうではないか?・・・の、判断は無い。



以上の理由から・・・初心者(制御初心者も含む)の方は・・・これらの装置を
安易に業務用として、導入しない様に御願いしたい。


もし・・・どうしても導入せざるを得ない時は・・・機体や装置の基本的な取り扱いも含め、
運用上の安全指導が、チャント行なえる代理店を選択して購入して欲しいと思う。


DJIは・・・複雑な制御である。

因って・・・取り扱いや設定を誤ると・・・取り返しのつかない事態に発展する可能性もあるからだ。




少し脱線したので・・・話を元に戻す。



先ほど・・・制御系を搭載した機体と、そうでない機体の制御の違いに付いて、ザット考えて見た。



又・・・風の無い穏やかな気象状況下では・・・熟練した操縦者が行なう至近距離での
ホバーリングは、手動でも自動でも・・・その安定性に大きな違いは無い事も解説した。

その状況下に於いて・・・制御系を搭載した機体でも、そうでない機体でも、エンジンに
掛かる負荷も大差はない事も説明した。



処が・・・強風下では状況が一変し、その違いが顕著となる。


その辺を・・・少し掘り下げて見たい。



特に・・・掘り下げて考えて見たい事は・・・ピッチ制御に付いてである。



DJIの高度制御は、気圧センサーとGPSの各データから、ハイブリットでコントロールされる。


当然・・・自動で高度制御が行われるので・・・操縦者が知らない間に、勝手に
ピッチが上下している事になる。

その時、同時にエンジン回転も、ガバナーでピッチ制御に同調して、自動でコントロールされる。



この事は、穏やかな風の時は問題にならないのだが・・・例えば、風速が10mと言う様な状況の
下で飛行させた場合には・・・大きな問題となる。



この時・・・エンジンの状態如何に係わらず・・・ピッチが高度変化を抑制する為に、強制的に
制御されてしまうのだ。


その様にしないと・・・高度制御など出来ないのだが・・・その制御にエンジンがついて行かない。



要は・・・ガソリンエンジンの、制御レスポンスが遅いのである。


5m位までの風速であれば・・・26ccでも然程問題となる様な事は無いのだが・・・
これが10mを超える様な強風下では・・・26ccでは・・・もはや、どうにもならない。



26ccエンジンでは・・・この様な場合に於いて、トルクバンドから、いとも簡単に
外れてしまうのである。



結果・・・エンジンの回転が・・・急激に落ち込む。



知人の空撮業者などは・・・この状態をオーバーヒートだと言うのだが・・・そうではない。

只・・・ピッチ制御がエンジンのキャパを越えたに過ぎないのだ。



この現象は、テール用の制御を司る、ヘディングロックジャイロの制御と・・・良く似ている。


ヘディングロックジャイロ以前のノーマルジャイロでは、風見効果がキャンセルされる事無く、
風が強い時には風上に、高速飛行時に於いては進行方向へ、その機首を勝手に向けた。


これは・・・スタント飛行を行なう上で、大変都合が良かった。

因って・・・エンジンに特別な負荷は・・・掛からなかったのである。


処が・・・ヘディングロックジャイロでは、風の向きや、機体の進行方向に係わらず、
機首の方向を、現状のまま継続して維持し続ける。


しかし、これは・・・あくまでもジャイロがその様に制御しているだけなので・・・場合に因っては
・・・実際にヘリの姿勢(機首の方向)が、必ずその様になるとは・・・限らない。


それは、どういう事か?と言うと・・・例えば、機首を右に向ける様にジャイロがラダーサーボに
指令を出した時に、エンジンに掛かる負荷が増えるのが・・・その性能を上回ってしまった場合には
・・・急激にエンジンは、その回転を失ってしまう。


そのままの状態を維持すると・・・当然・・・パワーが抜けて墜落に至る。


特にこの現象は・・・高速で左に機体を滑らせて、高速でサイドループを行なったりすると発生した。


これは・・・エンジンの運転状態に関係なく・・・ジャイロがラダーを右に操舵するからだ。


その様な場合には・・・エンジン回転をピックアップして、ラダーの操舵量を勘案する様な
システムが有れば、エンジンのパワーが抜ける様な事は防げると思うのだが・・・しかし、それでは
機首の方向を維持する事は・・・出来ない。


そうでなくても・・・高速で直進させる場合に機首が進行方向からズレている場合は・・・
エンジン出力が喰われている。

そんな時は・・・ラダーを操作して、機首の方向を進行方向に揃える必要がある。

そうでないと・・・機速が乗らないばかりでは無く・・・そのままループなどを行なってみても・・・
可笑しな事になる事は・・・周知の事実である。



もっとも・・・最近のハイパワーグローエンジンでは、その様な現象も少ないとは思うのだが・・・。



DJIの様な、制御系を搭載した機体でも・・・強風下に於いて・・・・これと同様の事態が
・・・ピッチ制御に起因して発生する。


その具体的な現象とは・・・次回をお楽しみに。















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