おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

Vixen GP2赤道儀を壊しています!

2011-08-22 19:14:17 | 特注製作品(ビクセン)

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ちょっと過激なタイトルですが・・・、要するに極軸ユニットと微動ユニットを分割しただけのことです。ただカットするだけならバンドソーがあればできますが、その後があるので面倒です。カット面を綺麗にした上でさらに穴あけ加工などをしていきます。上のパーツは両方とも違う用途に使われます。

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その一つがこれです。言わなくても分かるかと思います。このパーツは2点必要です。つまり、GP2の極軸ユニットを2つ壊します。その副産物がヤフオクに出している赤緯軸ユニットです。これは使いませんので、放出しました。何に生まれ変わるのかは後日のお楽しみです。


またまたP-2三脚アダプター

2011-08-21 18:08:11 | 特注製作品(タカハシ)

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先日に引き続きまたP-2赤道儀を他社製三脚に載せるアダプターを作りました。今回はビクセンGP用三脚です。P-2三脚アダプターはいくつか異なる種類を作りましたが、この形が最もシンプルで使いやすいものです。

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ウェスト部分がややくびれているので強度が心配かもしれませんが・・・、φ60mmの外径があるので全く問題ありません。他でも作られているGP架台に合わせたサイズのものでは、方位調整突起を囲むように作っているので赤道儀固定後では回転ができません。このタイプの利点はまさにそこにあり、下部固定ボルトを僅かに緩めるだけで赤道儀全体を自由に回転させることが可能です。

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まあ、見た目を格好良くしたいのであれば、赤道儀と架台に合わせたサイズの大きなものを作ればいいですが、内部のネジが切りにくいので2重構造にする必要があるので、その分製作コストも上がります。機能と価格を考えるならこの形が最適かと考えています。また、見た目と機能の両方を重視したい場合には、手間はさらにかかりますが、架台の方位調整突起を取り去って架台上面を平坦化加工すれば、回転機能も追加させることができます。


先にも書きましたように、これからP-2赤道儀の加工ご依頼が増えてくると予想しております。これから先近い内に手持ちのP-2Zをコンパクト化改造をして海外遠征で使いやすくしようと目論んでおります。できればPM-1のようにシステム化ができれば良いと思っております。いずれにせよ、まだまだやりたい加工がいろいろありますので、いつになるか分かりませんが、できましたらこのブログにてご報告させていただきます。


CORONADO new blocking filter BF-30

2011-08-21 09:45:31 | Hα太陽望遠鏡関係

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たぶん新型のブロッキングフィルターBF30を使っている方はほとんど国内にはいらっしゃらないかもしれませんが、その理由の一つが”2インチ仕様では無い”ということでしょう。旧タイプは形状的には画像の右側のストレイト・スルータイプで2インチ仕様でした。つまり2インチダイヤゴナル、2インチアイピースが直に使えたということです。ところが、新型は画像のように2つのパーツがセットになっています。通常は1.25サイズのダイヤゴナルに2種類のフィルターが前後に入っていますが、新型のBF30は、それが画像のように2つに分かれています。

つまり、1.25ダイヤゴナルと2インチチューブを一緒に使わないといけないということで、どちらか片方だけを使っても全く機能しないそうです。旧タイプは今もご依頼を受けて修理に出しておりますが、2インチチューブに2種類のフィルターが入っていますので、2インチ仕様で各種2インチアクセサリーが使えるのです。 つまり画像の左のダイヤゴナルは要りません。


また不思議なことに、SMII90/BF30の望遠鏡セットについているBF30は、上記とはタイプが違います。左のブロッキングフィルター(ダイヤゴナル)に2種類のフィルターが入っている通常のBF15やBF10などと同じタイプになります。当然のことながら2インチアイピースは使えません。こういった情報は、私が米国CORONADO代理店のスタッフと何度かメールや電話でやりとりして、現物を確認してもらって分かったことですので、国内ショップ等では知らないところがほとんどだと思います。現に米国ショップでも勘違いしている部分が結構ありました。


上記の画像は、単にブロッキングフィルターBF30だけを購入した場合のセット内容で、望遠鏡セットとは内容が先にも書いたように違っています。ご自身で輸入されるような場合には、くれぐれも気をつけられたほうがいいでしょう。現行のBF30では2インチアイピースは使えません。そういう意味では、旧タイプのBF30をお持ちの方は大切にされたほうがいいでしょう。ちなみに、旧タイプの修理はまだやってくれます。使われていない方は状態を再確認されたほうがいいでしょう。


Vixen ハーフピラー加工+P-2三脚アダプター

2011-08-20 16:48:48 | 特注製作品(タカハシ)

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毎度のことながらビクセンとタカハシのコラボレーションです。GPハーフピラーのサイドに手が入るように穴をあける加工をした上で、このピラーをP-2三脚架台に載せるためのアダプターを作りました。

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この穴あけ加工はことのほか面倒でした。NCフライスで、3D加工によるものですが、きちんと計算をした上で加工をしないと失敗して不恰好になってしまいます。大人の手が楽に入るサイズにしていますが、強度的には全く問題はありません。ビクセンのピラーもそうですが、赤道儀の取り外しをそれほど意識してデザインしていないので、赤道儀を取り外す時にはその都度ネジ3ヶ所を緩めて中央のネジを緩めて外す必要があります。この加工をすると三脚と同じように赤道儀の着脱が簡単になります。ピラーでもこの加工をできなくはないですが・・・、ハーフピラーよりは長い分だけ治具などを作った上でやらないとできません。

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このままの状態では、P-2三脚架台には載りません。お持ちの方は分かると思いますが、サイドに水準器が付いています。このご依頼者様はこのままカメラ三脚に付いているP-2架台に載せるそうです。つまり、P-2赤道儀をハーフピラーをつけた状態でカメラ三脚に載せて使用するということです。あまり見かけない珍しい組み合わせですが、たぶん来年の日食遠征などで使用されるのかもしれません。

これから来年にかけては、こういった小型の赤道儀を使った改造依頼が増えてくるでしょう。その中でもP-2赤道儀を使った改造は割合多くあります。これからもご依頼があればいつでもお作りいたしますので、海外遠征で軽量化と使いやすさを考えてより最適な遠征システムをご提案いたしますので、お悩みの方はコメントよりご相談ください。


畑のいろどり

2011-08-20 13:26:52 | ブログ

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猫の額ほどの庭にある野菜をとってきました。いろどりが綺麗です。トマトはそろそろ終わりです。ナス、ピーマン、バナナ南蛮、青とうがらし、ネギはまだ収穫できますが、9月初めで終わりでしょう。カボチャも庭を占領していますが、大きな実をつけていますので同時期に終わるでしょう。9月に入れば一気に冷え込んできますので、野菜だけでなく雑草も元気がなくなってきます。採取した青とうがらし、バナナ南蛮、にんにく、赤タマネギ、ココナッツオイルなどを使って「インドネシア風辛味調味料」を作ります。一度作ると常温保存ができる上に何にでも使えるので重宝する調味料です。以前、バリ島に居た際に毎日食べていましたが、同じ味が出せるかどうかです。


胎内星まつり2011にお越しください!

2011-08-19 21:42:11 | ご来訪者様への御知らせ

いよいよ来週26日から「胎内星まつり2011」が開催となります。既にご存知の方もおられるかと思いますが、当方も参加しております。原村星まつりへ来られなかった方々も胎内へはぜひお越しください。当日は、テレスコ工作工房でお作りしたものや、Solar MaxIIなども持っていきます。唯一1本ある「Solar MaxII 60/BF15Hα太陽望遠鏡セット」や「Solar MaxII 40フィルターセット」もお安く販売いたします。それぞれ1セットのみですので、売れたら終わりです。他にもアイピース類も格安にて処分セールを行います。当方のブースは、本部近くですので直ぐに分かります。


G'z One Type-Xに変えました!

2011-08-19 18:16:01 | ブログ

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長年使っていた携帯がついに壊れてしまったので、仕方なくauショップへ行って交換してきました。いずれにせよ私の携帯は来年の7月で使えなくなってしまうそうなのでどうしようかと悩んでいた矢先にタイミング良く壊れてくれたようです。今後アウトドアでの仕事が増える可能性を考えてこの携帯にしました。もう一機種の「G'z One IS11CA」というAndroid搭載のスマートフォンにするか悩みましたが、料金の高さや他にもiPhone 3Gsを使っていることからこちらにしました。本当はiPhoneを解約して・・・とも考えましたが、結局スマートフォンは必要なので、このまま使い続けることにしました。


どうやらこの両機種は人気が高く、アウトドア志向の方々の多くに使われているそうで、どの店に聞いても黒一色しかなく、他の店舗から取り寄せてもらってこの赤にしました。登山などで使うことが多いので、黒だと紛失しやすいことから赤にしました。いろいろマニュアルを読んでみるとアウトドアで活躍してくれる機能がいろいろ入っているようで、これから活躍してくれそうです。しばらくはマニュアルを読みながら使いこなせるようにしないといけません。


タカハシJP/NJP回転架台あります!

2011-08-18 18:06:49 | 特注製作品(タカハシ)

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8月に入ってから数台製作しましたが、大変好評いただいているようです。たまたま1台分を余計に作りましたので、ご要望の方がおられましたら即納いたします。アルマイト処理を希望でしたら別途お受けいたします。観測所などでの定置観測ではそれほど必要ではないかと思いますが、移動観測をされる方にはあって便利かと思います。ご要望でしたらコメントから御知らせください。


8月に入ってから暑い日が続いております。暑いのは都会だけではなく、佐久穂町でも東京と変わらない暑さで参ってます。うちはクーラーなど使いませんので扇風機だけです。日中の室内は40度近くありますが、セレストロンのウェザーステーションの数値なので確かかどうか分かりません。しかし、いい加減干物になってしまいます。この蒸し暑さは、アジアの中でもワースト記録ものでしょう。2009年に中国へ行きましたが、上海の暑さも凄かったです。例年ならお盆を過ぎると山が近く見えてきて涼しくなってくるのですが・・・、今年はどうでしょうか。


タカハシ90S-ビクセンGP三脚アダプター

2011-08-17 10:06:53 | 特注製作品(タカハシ)

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先日ご紹介した90S赤道儀をビクセンGP三脚に載せるためのアダプターですが、ご依頼者様から画像を送っていただきましたので、ご紹介いたします。純正の延長筒を介していますが、あっても無くてもアダプター形状は変わりません。色やデザインの違いはあれど、ベストマッチです。強度的には木製とアルミ三脚の比較検証をしたことはありませんが、直脚タイプとは同等程度はあると考えています。伸縮タイプよりは間違いなく上だと思います。使いやすさについては、持ち運びや観測地でのスピーディーなセッティングを考えると間違いなく木製脚より上でしょう。


このタカハシ赤道儀をビクセン三脚にコンバートする加工は相当やりました。メーカーさんも、そろそろ木製三脚を卒業して、新たな使いやすいものを製作しても良い頃でしょう。PM-1用のポール三脚も現物を見ましたが、GPガイドパック用三脚を少しだけ高級な感じにしたようなデザインで、それはそれでいいのですが、価格が4倍以上というのはちょっとどうかな~という感じです。どうせなら、写真用三脚のように、海外遠征なども意識したカーボン仕様を考えてもいいでしょう。自社だけでの製作は、コスト面で無理でしょうから、どこかの三脚メーカーに作ってもらうというのがベストでしょう。赤道儀にも使えるし、カメラ三脚としても機能するような物を・・・。それで価格が5万円台なら欲しい方は結構いらっしゃるのではないかと考えます。


Solar MaxII 60のBORGヘリコイドへのコンバート改造

2011-08-15 10:26:29 | Hα太陽望遠鏡関係

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以前から気になっていたのですが・・・、ソーラーマックス望遠鏡の接眼部の強度が足りないことに疑問を感じておりました。ところが、最近になってこのヘリコイドをBORG製品に変えたいので改造をして欲しいというご依頼がありまして、その改造をしたのが上の画像です。アダプターは白いですが、黒アルマイト処理をお盆明けに行い、ご依頼者様にお渡しいたします。

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この画像を見れば、どうやったか分かるかと思います。オリジナルのヘリコイドは接眼部からまるごと取ってしまい、残ったオスネジにはめ込むようにアダプターリングを取り付けました。接眼側はM57メスネジにしてありますので、BORGヘリコイドのほとんどが取り付けできます。ただし、光路長がありすぎると当然ピントが出ませんので、それ以下にする必要があります。画像の直進ヘリコイドSは、問題なく合焦します。


画像を見ただけでは分かりませんが、この加工だけで2日ほどかかってしまいました。当初簡単に考えていた加工でしたが・・・、ネジを切り始めてビックリで、このネジが「4条ネジ」という種類ものもので、一般的なネジ「1条ネジ」より加工が難しいものでした。1条ネジは、ネジ先端の入り口が1箇所に対して、4条ネジは4箇所もあるのです。おまけにピッチ6mmで、簡単に言うと、1条ネジならピッチ6mmの中に一つの山があるのですが、このネジは4つの山があります。ということで、手間から言うと4倍の手間がかかるという感じです。まあ、最初だったこともあって時間はかかりましたが、その分製作費用もかかっていますので、それについてはご依頼者様にはご理解いただきました。次回からはもう少し効率よく作れると思います。


実は、このアダプターは手間がかかった訳が他にもあります。それについては、ご依頼者様には伝えてありますが、光路長を最小にするための工夫をしてあります。これをしなければ、この改造自体に意味がなくなるものです。

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なにはともあれ画像のように完成して、BORGヘリコイドが使えるようになりました。使用感は抜群で、ガタやたわみが全くなく、BORGヘリコイドのスムーズさと相まって抜群に使いやすくなりました。ヘリコイドは、とりあえず手持ちのものを使いましたが、M57ヘリコイドを使うのがいいでしょう。画像の「7857」やヘリコイドMは長すぎて使えません。光路長が3~40mmのものだけです。これを使うには、もっと接眼部を短くする必要があります。4条ネジを切っている筒部が構造では抜けるように見えるのですが、どうやらいつもの”ボンド付け”をしているみたいで取れません。9月中旬に米国でコロナドスタッフと再度話す機会があるので、この部分の外し方を聞いてみようと思います。他にも改造したいところがいくつかあるので、その部分についても聞いてみます。

たぶん、ソーラーマックスをお使いの方々なら、接眼部の弱さを感じておられるかと思います。このアダプターは、ご依頼があればまたお作りいたしますので、気になられる方はご相談ください。ちなみに、本体そのものの形状を変えるわけではありませんので、修理等が必要になった場合には元の状態に直ぐに戻せますので、保障等には問題ないかと思います。アダプターをご依頼いただく際には、一般的なリング状アダプターの倍程度は必要となりますので、その辺をご理解の上でコメントより御知らせください。