Kou Farm

畑の話と日々の雑談

矛盾

2019-12-12 16:31:26 | 畑の事
やっとこさ ホウレン草が伸びてきた

来週あたりから まともに採れそう
何だかんだで二ヵ月間 ちょろちょろしか収穫できず
溜まったストレスがようやく解放されそうです

大根も

一番手の半分ほどの収穫が終わり 二番手も生育が良いものは もう採れそうです

ポロ葱は

霜が降りて 甘味が更に増してきました
引っ張たぐらいでは抜けないほどに張った根っこのお蔭で 丸々と太ってます


今秋は暖かさが続き 雑草の伸びに除草が追いつかず減収
そこへ台風の連続攻撃
泣きっ面に蜂とはこの事か
しかし 減収で済んでいる 洪水で壊滅的なダメージを受けた訳じゃない

ここで思うのは
農業の高齢化 70 80 で現役はざらにいる これまでその世代が支えてきた
もし 自然災害で大きなダメージを受け 気力が失せてやめてしまったら
農業従事者の減少が さらに加速される
生産物の減少だけじゃない 技術や知識の継承も危うくなる

一方で溶液栽培の増加
温度管理されたハウスの中で 土を使わず養分を溶かした水で育てるこの方法は
伝統的な露地栽培と比べて 自然環境の影響度は極めて低く
栽培システムの構築・維持のデータ化がし易いのかと思えます
つまり 僕がやってる露地土耕栽培では天気や土のコンディションなど不確定要素が多い
それに対応するには ある程度の経験が必要で ある種職人的な仕事になる
溶液栽培は不確定要素をできる限り減らす事で 生産を安定化し システム構築さえ 
してしまえば誰でも作業ができるという文明的装置なのです
リービッヒの無機栄養説に端を発する現代農業の極みのような農法と思える
おそらく これからの農業を支える一翼を担っていくでしょう

しかし 一方で昭和の人間としては 一抹の寂しさも感じてしまう
化学肥料やガス・電気の登場で里山が荒廃し 人と自然の関係性が薄くなってしまった様に
作物と自然の関係性も薄れてしまうのが寂しい

生産者として 安定した収穫は何より嬉しい  
お天気に翻弄されながらも あの手この手で挑むのも楽しい
矛盾してます
まことに 困ったものです(笑)