玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

白いキャンバス

2018-01-24 16:49:28 | 生きもの調べ
2018年1月22日、東京にまとまった雪が降りました。都心でも20cmほど積もり、たくさんのスリップ事故や、転倒事故が起きました。
 私は
「チャンスだ!」
と思いました。というのは雪がつもると、動物の足跡が追跡できるからです。津田塾大にタヌキがいて、タメフン場があり、そこにしかけたカメラにはタヌキの写真が写っていますが、どこをどう動いているかはよくわかっていません。そのチャンスが訪れたというわけです。
 我が家に孫が泊まりに来ていたので、出発が9時をまわってしまい、雪は解け始めていましたが、20センチほどつもっていたので、足跡を調べるには十分です。まずタメフン1と呼んでいるところに行きました。ここでは糞をするタヌキの写真もよく写っているので、きっと足跡があると思っていましたが、ありませんでした。そのすぐ近くにある5号館の脇にははっきりと足跡がついていました。建物の脇は雪が少ないので、歩きやすいのでしょう。


建物脇につづくタヌキの足跡


タヌキの足跡。「梅の花」


 その足跡は南へ続いていました。5号館の南には3号館がありますが、これは木造の和風の建物でゲストハウスのようです。この建物はグルリと足跡がついていました。その東側には玉川上水にそってシラカシの林がありますが、ここには数本の足跡がありました。はっきりしないもの、途中で途切れるものもあるので、主要なものだけトレースしました。玉川上水沿いには塀があり、塀にそってはっきりした足跡がありましたが、塀を出入りした痕跡はみつかりませんでした。少なくとも22日の夜から23日の未明にかけては出入りをしなかったようです。1号館というこの林に接する建物の脇にも足跡があり、林と往復したあとも見られました。
 その後、26日にも再訪して、こまかな足跡もトレースしました。守衛室のすぐ裏にもあり、その南にあるタメフン2の近くにも足跡がありました。交流館から南東に道路を横切る足跡もあり、南側のシラカシ林には縦横に足跡がありました。とくに3号館の周りには高密度でした。それから6号館の前は明るい林で比較的に人通りもあるのですが、そこにもありました。さらに、東側には入り口があっておちらからキャンパスに入る人もありますが、その北側に竹やぶがあり、そこから梅子先生の墓所にかけての林には密度は高くありませんが、足跡がありました。墓所から西に続く林(タメフン3につながる)には断続的に1本の足ああとがありました。
 なおタメフン1、2、3とも足跡はありましたが、フンは見られませんでした。23日にはなかったので、その後タヌキが来たようです。来たけどフンをしなかったか、フンは雪の中にもぐってしまうのかわかりませんが、センサーカメラが捉えているかもしれません。


津田塾大学てみつけたタヌキの足跡(オレンジ色)とタメフン場(赤丸)、鳥の足跡(緑)

 そのあと、キャンパス東側の塀を南から北へ歩きましたが、東の塀沿いの道はすぐに林のほうに曲がりました。それからキャンパスの北東にある津田梅子先生のお墓のほうに行きました。テニスコートの南東端にはっきりした足跡があり、東側に続いていました。


テニスコートに脇のタヌキの足跡


林の縁につづく足跡

その足跡をたどってゆくと、雪の上に枯葉が散乱していました。見ると、地面を掘ったあとがあり、タヌキの足跡がいっぱいついていました。ミミズか果実かなにかの匂いがして、掘り返したものと思われます。


地面を掘ったあと


 北側の林には足跡がなく、タメフン3という大きなタメフン場があるのですが、そこにも足跡はありませんでした。ただし西側に1本足跡の列がありました。北西に広場があり、そこに8の字のような足跡の列があったので、
「タヌキがこんなところに出てきたのか」
と思って近づきましたが、どうも違います。というのは足が地面まで沈んでおらず、タヌキの「梅の花」模様の足跡がありません。よく見ると足跡の両側に細い線が放射状についていてます。


タヌキではない足跡と奇妙な跡。下の図は私が想像した鳥の姿。


「これはなんだ?」
もしかしたらカラスかもしれません。翼をひろげて60cmほどあり、ヒヨドリクラスではありません。足跡は小さく、水かきのあるカモなどとも違います。でも、もしかしたらキジという可能性もあるかもしれません。
 いずれにしても、雪は白いキャンバス、そこに描かれた「作品」を読み解くのはなかなか楽しいものでした。寒い朝ではありましたが、歩いたので体も温まりました。
 帰り道に津田塾大の寮の学生さんが作った「作品」もありました。

1月26日には正門の向かいにある府中街道をはさんだ雑木林の中にあるタメフン場を確認に行きましたが、たくさんの足跡があり、たぶんんねぐらに使っているようでした。そこから府中街道側に出たとき、タヌキの足跡が街道までついて、雪がなくなって消えていました。向きでいうと正門のほうに続いていそうでした。もしかしたら、正門から堂々とキャンパスに入っているのかもしれません。


snowman

コメント
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