「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

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緑猿の法則

2007年05月07日 | Weblog
子供の日が終わりましたが、このブログはずっと子供の日です。寝る子は育つと言いますが、泣く子も育ちます。痛い、怖い、悔しい・・・と進んで、感動して泣くのが一番偉い泣き方ですが、めそめそ泣いてはダメです。我慢できなくなって激しく泣く、と言うのが正しい泣き方で、根底に自制心とか見得とか根性が育つからです。今の子供は親がバカなので、泣けば何とかなると刷り込まれてますが、昔の子供はうっかり泣くとエライ目に遭います。

今でもナマハゲとか恐ろしいお面を被って小さな子を泣かす風習が残っている地方があります。誰も「児童虐待」と騒がないのは「文化」の一つだからです。実際に「ナマハゲ」に追いかけられて「トラウマ」になった、と言う話は聞いたことがありません。これには深い理由があります。いちご少年からラジオ少年になっていた小学4年生の正月、恒例の獅子舞がやって来ます。実体はテキヤの稼ぎですが、今回はサービス付きでした。もう一匹、緑色の猿のようなお面がいます。京劇のお面だったかも知れません。見慣れないお面に小さな子は怯えます。「緑猿」は泣きそうな子を物色しています。

突然その「緑猿」が一人の男の子に向かって突進します。幼稚園前の子供です。親も心得たものでぱっと手を離します。男の子は貝を外されたヤドカリのように慌てふためくとあらぬ方向に大声で泣きながら逃げていきます。それを「緑猿」が追いかけます。男の子は黒塀に沿って原っぱの方に逃げます。大人共は嬉しそうに見ています。その「緑猿」が何かにつまづいたのか、いきなり転びます。白い土煙が上がると動かなくなりました。怪我をするような転倒ではありません。すると男の子も泣くのを止めて立ち止まります。じっと様子を伺っています。ようやく「緑猿」が「死んだ」と思ったのか男の子が戻ってきます。

最大の見所は「死んだ緑猿」の横をすり抜ける時です。男の子は一番スピードを上げるべき場所でゼンマイのように小刻みに塀に背をつけながらカタカタと進みます。と、突然死んだ筈の「緑猿」が跳ね起きます。男の子は雷に打たれたように2~3秒地団駄を踏むと、最初よりもっと大きな声で泣きながら引きつった顔で走ってきて死に物狂いで親にへばりつきます。周りは大爆笑です。「緑猿」がお面を脱いで戻ってきます。人の善さそうなおじさんです。親はおじさんにおひねりのようなものを渡します。おじさんはニコニコしながら泣き止んだ男の子の頭を撫でます。男の子は周りの大人共(年長少年含む)が笑っている様子を鋭く感知して、この怖い体験も自分を主役とした楽しい出来事らしいと言うことに気づきます。

1年ほど後に、この子はガキ仲間の新入りとなります。我々はこの子の「緑猿事件」を目撃しているので何とか、あの楽しさを再現しようと怖い遊びを考えます。勿論、しっかり泣いてくれますが目はキラキラしています。怖いけれど面白いのです。その証拠に怖い遊びをせがむからです。こうして面白泣きを繰り返すうちに、簡単には泣かなくなります。子供は本来逞しいものです。難しい教育論も結構ですが、子供が逞しく育つ昔の「カラクリ」に目を向けて欲しいものです。
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