スポーツつれづれ観戦日記
野球、アメリカンフットボール、サッカー・・・・・実際に見て感動したことを中心に綴ってゆきます。
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 クラッシュボウル。関東学生の決勝。
 王者法政に、「復活なるか」の日大が挑んだ。
 カラージャージの法政に対し、白を着ざるを得ない日大。このユニフォームカラーで勝った日大を、ほとんど見た記憶がない。

 今回は電車で味の素スタジアムに行ったのだが、新宿から京王線に乗ったところ、一目で「日大の応援」と分かる人たちがあちこちに。
 真っ赤な服を着ていたり、運動部の揃いのジャージを着ていたり。

 バックスタンドは、相当な人数で埋まっていた。



 菅原も木村も、果敢にパスを投げ続けた。特に木村は、昨年や一昨年に比べると見違えるような出来。





 前半はそれでも、自力に勝る法政がいいムードだった。
 じわじわと引き離し、一時は27対7と楽勝ムード。
 しかし、いいところでTDが取れず、やむなくFG。これが結果的に後で響いてくる。

 3Qに入り、日大が3点差まで追い上げるが、いい攻撃をしていた木村がQBサックを喰らってサイドラインに下がってしまう。
 これで日大も終わりかな、と思った。
 しかし、エースQBの離脱は、日大選手たちをかえって奮い立たせたようだった。
 再度法政に傾こうかとしていた流れを、力ずくで奪い返したのが、RB#21金の爆走、62ヤードTDランだった。

 運命の4Q。
 法政陣に迫り、第4ダウンで同点FGを試みた日大だったが、惜しくも左に外れる。法政ディフェンス踏ん張った!とメインスタンドが安堵したのもつかの間、反則のシグナル。パーソナルファウルでオートマチック・ファーストダウン…。
 そして日大がついに、逆転TDをあげたのだった。

 このあとも試合はもつれにもつれる。
 双方、FGを1度ずつ失敗。またインターセプトを1回ずつ奪いあう。
 残り3分で、法政の攻撃がするすると進み、ファーストダウン・トゥ・ゴール。
 ラン、パス失敗、パス失敗、だっただろうか。
 そしてタイムアウト。最後の作戦会議。残りは5ヤード。





 最後のプレー、菅原はパスを選択。
 しかし、ディフェンスに阻まれ、インコンプリート。

 ああっ、なぜここでパスだったんだろう。
 ラインにこじ開けてもらって、自分で飛び込めばTDだったんじゃないの?
 奥行きのない位置から、疲れ果てたレシーバーに投げ込む選択は、本当に正しかったんだろうか。
 悔やまれるなあ。

 その瞬間、日大ディフェンス陣のガッツポーズ。



 呆然とし、肩を落とすオレンジ。





 ありがとうございました。



 涙に暮れる日大の選手たち。



 写真を見返して気がついたのだが、セレモニーの間、喜んだりほほえんだりしている選手は見あたらない。みな号泣状態。
 いろいろなことを思い出して、万感胸に迫るものがあったのでしょう。




 法政の敗因は何か。
 部外者の素人のたわごとではあるが、「相手をなめていた」のではないだろうか。
 「確かに日大は強くなってきたけど、本当に脅かされるのは、まあ来年だろうな。早稲田とあれほどの死闘を演じた法政だから、日大も関学も蹴散らして、ライスボウルが本当の勝負だろう。」
 私自身もそう思っていた。

 それほど実力差がないのであれば、楽勝だと思って気を抜いた瞬間、そのすきにつけ込まれる。
 試合の前半、法政はトリッキーなプレーが多かった。ロンリーセンターからフロントセブンが左に行ったり右に行ったりして、日大ディフェンスを攪乱したのが2度あった。
 見方によっては、相手を小馬鹿にしているような感じもあった。

 またこの日、法政側にはチアも応援団もいなかった。理由は分からない。この日、ラグビーや野球の試合は行われていない。
 「当然」甲子園に行くつもりで、関東決勝は応援するまでもないとの判断だったのだろうか。関係の方のお気に障るようであれば申し訳ないが、メインスタンドで法政を応援していた者としては、非常に違和感があった。



 ともあれ、私の想定より1年早く、法政・早稲田・日大の戦国時代が始まったといえるのだろうか。来シーズンの熾烈な戦いが、今から楽しみである。

 その前に今年か!まだシーズンは終わっていないのだ…。


Hosei Univ TOMAHAWKS (T)
Nihon Univ PHOENIX (P)

1Q&2Q
1500 T34 T - Field Goal (Good) T 3-0 P
1150 P21 P - Punt
1045 T35 T - Field Goal (Good) T 6-0 P
0819 P08 P - Downs
0458 T35 T - Touchdown (Kick Good) T 13-0 P
0425 P28 P - Touchdown (Kick Good) T 13-7 P
0152 T33 T - Punt
0007 P20 P - Punt
1336 T40 T - Touchdown (Kick Good) T 20-7 P
1154 P23 P - Punt
0913 T30 T - Touchdown (Kick Good) T 27-7 P
0511 P25 P - Touchdown (Kick Good) T 27-14 P
0316 T22 T - Punt
0135 P35 P - Field Goal (Good) T 27-17 P

3Q&4Q
1500 P21 P - Touchdown (Kick Good) T 27-24 P
1115 T36 T - Punt
0948 P25 P - Fumble Lost
0707 T29 T - Touchdown (Kick Good) T 34-24 P
0538 P31 P - Touchdown (Kick Good) T 34-31 P
0509 T24 T - Punt
0258 P35 P - Touchdown (Kick Good) T 34-38 P
1347 T27 T - Field Goal (NG)
1006 P20 P - Intercept
0902 P28 T - Intercept
0836 P03 P - Field Goal (NG)
0305 T20 T - Downs
0038 P05 P - Time Up

 クラッシュボウル 法政 34-38 日大


コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
写真で記憶が蘇りました (輿です)
2007-12-07 00:14:43
ありがとうございます。写真で、試合のシーンが蘇りました。後半、ヒタヒタと調子を上げてくる日大を、振り切れると法政は信じていたと思います。事実、最後のシリーズはゴール前まで行けたのですから。そこで点が入らないのがフットボールですね。ロンリーセンターをゴール前でやったら、どうなったのでしょうね。二回くりかえしたら、5ydsは取れたように思います。観客のたわごと、ですけれど。
 
 
 
そういえば・・・・・ (masuko7067)
2007-12-07 07:19:04
両チームともチアがいなかったですね。決勝だというのに。
僕は法政は相当準備してきたと思います。逆に日大が勝てると思ってきたのではないかと。
木村君のパス成功率はラインの力とレシーバーが凄かったですね。
正直、木村君が死んだときは、これは法政かなと思いましたが、金君が獅子奮迅の活躍をしましたね。無論ラインもいいブロックをしてましたが。
法政は最初の2シリーズをTDに結びつけられなかったのが最後に響きましたね。
慶應戦を見る限りでもそうですが、日大はスロースターターですね。あとはDBが菅原君のパスを通されすぎですね。あれだけDLがプレッシャーをかけているのに。
甲子園はセカンドQBでは勝てないと思います。あとは関学の完成度の高いパスを防がないと、前半で勝負を決められてしまう可能性もあると思います。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-12-07 19:43:09
法政の応援団が来なかったのは、
法政応援団の行事「オレンジの集い」があって来ることができませんでした。
私が思うには、油断は無かったように思います。
下馬評では日大有利との見方も多かったですしね。

この試合はとても白熱しましたね。
日大の金選手の走りは本当すごかったです。
あと法政最後のシリーズもさすがという感じでした。

 
 
 
お礼 (4年母より)
2007-12-07 20:22:03
1年生の時から、多くの応援をいただき有難うございました。残念な結果となり、応援していただいた皆さんに大変申訳なく思います。選手達は、すべてをアメフトにかけ、毎晩夜中まで作戦を練り、そしていつも万全の対策をとってきたと思います。「なぜ最後にパスなのか」まだその理由を聞けません。恵まれていない練習環境の中で、今まで勝ってきたことはむしろ奇跡だったかもしれません。

これからも、トマホークスに温かい応援よろしくお願いします。4年間ブログを楽しく読ませていただき、有難うございました。
 
 
 
re: 写真で記憶が蘇りました (tim_morry)
2007-12-07 23:41:47
輿さんこんばんは。コメントが頂けて光栄です。
(ニフティ時代はお世話になりました)

思うに法政は、3Qの途中あたりの、まだリードしている時点から日大の脅威を再認識し、作戦を練り直すべきだったように思います。逆転されても、まだ余裕十分なように見えました。
日大のディフェンスの底力、というより、この試合に欠ける気迫が、法政オフェンスよりちょっとだけ上だったのではないでしょうか。

これも、素人の感想にすぎませんけど…。
 
 
 
re: そういえば・・・・・ (tim_morry)
2007-12-07 23:49:56
masuko7067様、コメントありがとうございました。

私は、平本選手は相当才能あるQBだと感じていますので、QBの力不足で甲子園で負けるということはないと思っています。
(そうはいっても、経験と総合力の差で関学優位は揺るがないと思いますが…)
甲子園ボウルで両校がカラーユニフォームを着るかどうか、興味深いですね。
 
 
 
re: Unknown (tim_morry)
2007-12-07 23:54:00
Unknown様、コメントありがとうございました。

なるほど、応援団行事と重なってしまった訳ですね。
こちらはこちらで、重要なお勤めだったのでしょう。仕方ないですね。部外者としては理解に苦しみますが…。
リーグ戦のスタッツは、あらゆる要素において法政が日大を上回っていたので、まさか負けるとは思っていませんでした。でも、偶然勝つことはまずあり得ないスポーツですから、素直に日大の精進を讃えることにしたいです。
 
 
 
re: お礼 (tim_morry)
2007-12-08 00:08:25
4年母 様、コメントありがとうございます。
私が今回書いた文章は、法政関係者の方々には不愉快なものだったかと思います。申し訳ありません。
しかし私も、12月2日の夜は悔しくて眠れませんでした。

選手の皆さんやコーチの皆さんがどれだけ必死なのかは、昨年NHKで放送されたドキュメンタリーでもよく分かります。むろん、日大も早稲田も、それ以外のすべてのチームも同じなのでしょう。
でもとりわけ、学生主体の運営を貫く希有なチームである法政の皆さんには胸を張っていただきたいと思っています。

ひとまず今は、「お疲れさまでした。」
皆さん、ゆっくり体を休めてください。
フットボールも人生も、これからが本番です!
 
 
 
始めまして。 (M40)
2007-12-10 20:00:05
関学VS日大の甲子園ボウルを生きてるうちに、再び見ることが出来る喜びを感じている関西人アメフトファンです。でもひとつだけ残念なのは昨年のリヴェンジマッチを、4年生QB同士の再戦が実現しなかったことです。関西では秋から、アメリカンを知ってる人も、ちょっと知ってる人も、都市伝説のように「今年は日大がくるんやろ!?」でもちっきりでしたが。裏を反せばそれは夢であり、法政が必ず出てくるであろう暗黙の了承の上に立ったことでした。一年間お疲れ様でした、そして又甲子園の土を踏まれることを祈りつつ。
 
 
 
re: 始めまして。 (tim_morry)
2007-12-10 23:07:04
M40様、初めまして。コメントありがとうございます。

なるほど、関西では日大を期待する声もあったんですね。意外です。
私も元々は関西育ちで、アメリカンを見始めた頃のフェニックスの強さ(怖さ)がトラウマのようになっています。ですから日大が出て来ない甲子園ボウルを、半ば安心して見ていたようなところもあります。
(東京生活が長くなってきた昨今は、もちろんトマホークスを応援していましたが…。)
来年の関東はきっと戦国時代です。慶応が強いとの噂もありますし。

今後ともよろしくお願いいたします。
 
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