トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

穴のあいた砂袋

2009-09-05 20:44:54 | 
最近、私は自分の心が穴のあいた砂袋のようだと感じることがある。

元夫に何も言いたい事がなくなったとはいえ、18年の結婚生活は長く
ちょっとした出来事で容易に過去の生活を思い出す。

大きなおなかの妊婦さんを見て、あーちゃんが生まれる時、何ヶ月も前から
舅が『俺にも何か手伝わせてくれよ』としつこく言われ、頼まないと不機嫌になり酒びたりになるのを恐れ
『それなら、私が出産で入院している間息子を小学校へ迎えに行って夫が帰ってくるまで
預かってください』と言った。

ところが、頼んだことが酒の口実にされ『生まれたら、俺が迎えに行かなきゃいけねーんだ』と何度も言い、浴びるように酒を飲みだし、結局生まれる数日前に『悪いな。体の具合が悪いから入院するよ』と言って結局息子を迎えに来る事は一度もなかった。


その時の事を思い出し『やりたくないなら最初からやるって言わなきゃ良かったのに』と呟いて駅の階段を駆け下りた。

でも列車に乗って椅子に座る頃にはそんな事を思い出したことも忘れ、
悔しかった気持ちもどこか穴のあいた砂袋のようににサラサラと流れていくのだった。
30分もジッとしていれば、何のことで悔しい想いが蘇ったか忘れてしまうほどに。

こだわりの無い人とは、こういうものなのかと漠然と思う。

昨日はとても嫌な一日だった。
家に帰っても、その出来事が頭から離れず、何度も思い返してはため息ばかり出た。

『嫌な一日だった』『本当に嫌な一日だった』
何度も言葉にして寝付けず寝返りを何度もうった。

それほどに重い感情も、もう今は昨日の出来事として空っぽになった
心を見ている。

感情はただの感情に過ぎない。
それをどうにかしようとする事が問題なのだ。

誰が言った言葉だったろうか。

何かに囚われていた時、いくらジッと気持ちを見つめようとも
その気持ちが消え去る事はないと感じていた。

紛らわす事でしか救われない。
そう思っていた。

母がわたしを見てしみじみと言った。

『あんたは気楽だねぇ。お兄ちゃんの事とか大変な事がいっぱいあるだろうけど
なんか、暢気でいいねぇ』

悩み事はいっぱいあるんだけどねぇ。




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2 コメント

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ほんわか(^-^) (サク)
2009-09-08 03:41:35
ちっこさんの心に立つ波が穏やかになったご様子を読んで、私までほんわかしてしまいました。

私の主人も「こだわりのない」タイプで、そういう所をいつも羨ましいなぁって思います。
私にはまだまだ難しいですけど(^ε^;)

ただの感情にすぎない~
私も聞いた事があるような斎藤学さんだったかな?
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サクさんへ (ちっこ)
2009-09-08 19:48:02
昔、『どんな嫌な事でも寝ちゃえばすっきりする』と言った友人がいました。

そこまで楽天的になれたとは思えませんが、
自分なりに感情を処理できるようになったんだなと思います。

そして、辛かった想い出も日々の暮らしに溶けてしまいつつあるのだと思います。

ありがとうございます。
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