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専門のマシン知能に限らず、身辺で感じたこと、なんでも、なぜ、という観点から
もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

投資脳~知能化コンピュータとその計算原理

2009-08-26 19:51:29 | 日記
今回は、最近、人気の高い資産運用や投資に関連したお話しです.

現在、世界全体が不況です.不況の嵐といってもよい.

これは、米国に端を発するサブプライム問題から金融市場が不安定
となり、それにより、クレジットクランチ(信用収縮)が起こって
お金の循環が悪くなり、それが米国のみならず、世界に波及するこ
とにより、不況が現実のものとなった結果です.

ゴールドマンサックス出での米国の財務長官らの身勝手や恣意的な
判断によりリーマン破綻を招き、信用収縮が拡大し、100年に
一度と呼ばれるほどの、未だかつてない深刻な金融危機、不況の
長期化、それに伴う失業率の増加をもたらし、一時は壊滅的な状況
となり、先行きが全く見えない様相となりました.

その後各国協調の経済政策の下、少しずつではありますが経済指標
の改善が過去数ヶ月に対し見え始め、不況を脱するかどうかの境目
という感じです.

この不況で、米国や欧州は政策金利は大幅に下げられて、実質的に
はゼロ金利に迫りつつあります.

一方で、米国の政策金利の低下により、カナダやオーストラリアな
どの資源国通貨が上昇し始めています.

また、これに連動して、原油先物価格も上昇しつつあり、ガソリン
の高騰を再び予感させるような展開となりつつあります.

原油やガソリン価格の高騰は、製品を生産する際のコストにも跳ね
返るので、インフレーションを起こし、これに不況による賃金抑制
を巻き込むとスタグフレーションという最悪の経済となることも
ありえるのではないか、と思います.

原油先物価格の高騰は、米国にかわる世界最大の消費需要国となり
つつある中国の経済状態にも依存しつつもあり、いずれ、バブルの
崩壊に繋がる気もするのですが、世界の景気の実体は、どこかで
何らかのバブルが起きていることで加熱するような感もあります.

ところで、FXや株銘柄などを扱うファイナンス理論で用いられる
テクニカル分析やファンダメンタル分析は、短期、もしくは、中
長期的なタイムスパンでのトレンドを判断するために用いられます.

☆テクニカル分析
過去に発生した事象の変化から将来の事象の変化を予想・分析する
手法の一つ.移動平均などを使って将来予測を行います.

☆ファンダメンタルズ分析
景気など判断する経済指標や企業の財務体質や業績予想を分析して、
相場を見通そうという手法です。


ところで、FXなどやっていていつも不思議なのは、FXなどの商品の
売買タイミング判断で、基本10進法ですよね.人は、小数点など
細かい数字を扱うのが心理的に抵抗があるのか、不得意なのか.

たとえば、121.0円とか99.0円とかで、121.22や
99.74などにはまずなりにくい.

これは、銭を含むと売買における損益計算が複雑となりやすく、
小さい値でも切ってしまうと掛け金によっては損益の有無に関わる
ため、概ね、0や10単位などを判断とする10進表示が基本と
なるようです.

また、FXなどのドルなどの波形の動きも興味深いです.
たとえば、98円から99円にドルがあがるときに、99円への
試しあがりが2、3回あって、それに耐えると99円台に恒常的
にあがるパターンは、いつもみても飽きません.

どこまで上がるのか、予想しつつも、リスクも考えて売るときの
微妙な判断は人が変化をどう読み取るのかその違いが興味深い.

また、FXの連動性もあって、米ドルと豪ドルの連動、一方、米ドル
とユーロとの相反する動きに対し、豪の経済指標(ex.GDP)などが
あがって、豪ドルのみが独立歩調するなど、自律的でありながら、
なんらかの大きな意志で動くダイナミクスのパターンをどこまで
読みきれるのかどうか、脳による知能計算への挑戦でもあります.
(神の見えざる手なのかどうか)

一方で、テクニカル分析での波形のトレンドを直感的に読むよりも
経済指標を睨みながら、トレンドが変わる理由(根拠)をある程度
突き詰めて先を読む方が、安定的な予想が可能となるようです.

脳の計算原理には、多次元のパラメタ(経済指標)を高次元性に
マップして抽象化することが人工知能などの数理研究に用いられて
います.

人の脳は、事象の頻度でトレンドなどを算出する統計的な計算も
行いますが、数学でいう、差分や微分計算なども行っている、
という知見があります.

微分計算というのは、偉大で、ニュートンの運動方程式に代表され
るような予測器を作るにいたりました.つまり、現在の状態が既知
であれば、未来が決まる、というものです.

後に、量子力学的な見方がでてきて、運動方程式のような決定論的
アプローチに対し、確率的な見方も導入された統計論的アプローチ
もでてきたわけですが、脳も過去の事象の履歴などを参照する統計
に、微分法が混ざった形でトレンドを実時間的に判断できる一種の
知能化コンピュータというべきかもしれません.

もちろん、投資家には、それぞれ運用成績の優劣が伴う通り、一律
にすべての人の脳で同一の計算が行なわれるわけではありません.

著名な投資家の一人であるGeorge Sorosの、再帰性理論は、個別
銘柄の株価とファンダメンタルズの間には正のフィードバックが
あると信望していることは知られています.

要は、経済指標をじっと睨んで、そこから、ほぼ確実にある銘柄の
株価は上がる、と選考して、それが下がったときに買って上がった
ら売る、そういったパターンの頻度を増やしていけば確実に儲けは
でる、ということです.

そういった計算が実現できる脳は、一般計算機とどこが違うのか、
そこから知能化計算機を考えて脳の計算原理に近つけてどこまで
工学的に実現できるのか、考えるとおもしろいですよね.

実際、トレンドの読みには、その動きを作っている背後の思惑や
投資家などの心理やセンチメントを考慮しなければならないので、
それに経済指標などの動向を踏まえると、まさに多変数関数となる
のですが、それをうまく裁く計算原理などが脳の中にあるとそれを
解き明かせば、絶対的な投資の指南書にもなりそうです.
(因みにそういった指南書は未だにありません)^^;

今回はこれで.
コメント
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