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地球人カレッジ 1月

2011年01月13日 | 地球人カレッジ
*と き:1月8日(土)19:00~21:00   
*参加人数:27名(ネット中継での参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:坂本有希さん(地球・人間環境フォーラム 
フェアウッド・パートナーズ担当)

*テーマ:日本の木材消費と世界の森林
~フェアウッドにシフトしよう~


私たちの身の回りにある木でできたもの
家、椅子や机やたんす等の家具、文具、アクセサリーと様々なものがありますが、
どこのどんな木でできているのでしょうか?どんな森からきているのでしょうか?
みなさん今まで考えたこと、ありますか?

今回の地球人カレッジは、世界の森林と私たちの暮らしのつながり、
フェアウッドについてお話しいただきました。

フェアウッドとは、「伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品」のこと。
最近コーヒーやチョコレート等でフェアトレード商品が知られるようになりましたが、
「木」も同じことで環境に配慮し社会的に公正な木材フェアウッドとよんでいます。



現在世界の森林面積は全陸地面積の約30%を占めていますが、森林は減少を続けており、
毎年北海道の面積ほどの森林が失われているそうです。
植林もしていますが、追いつかないペースで減っており、
中でもブラジルの森林減少は著しく、インドネシアがそれに続いています
一方で急激に緑化を進めているのが中国ですが、森になっているのか、
植えた木が生長しているのかはまだまだ分かりません。

森林減少・劣化の要因として、インフラ開発、強制的な農地への転換、違法伐採、焼き畑や火災などがあげられます。
2004年の予測データでは、インドネシアの伐採の76~80%、パプワニューギニアの90%以上は違法で、
日本に流通する木材・木材製品の2割程度が違法伐採木材によるものだそうです。
森林の減少・劣化により、気候変動や生物多様性にも影響を与え、深刻な状況に今あります。

日本は現在木材の8割を輸入に頼っています。
うち、2/3が太平洋周辺国からで、紙として輸入されるもののうち4割近くをインドネシアが占めています。
プランテーションによりアブラヤシやパルプ用の木材を植えることで森林破壊が進み、
先住民の土地を奪い係争が起きています。
(アブラヤシ:日本で植物油と表記されているもののほとんどがアブラヤシ油で、
スナック菓子や洗剤等に使われています。)
ロシアでは大規模な伐採で母樹までが切り倒され、森の再生が難しくなってきています。
違法に伐採された木材は日本だけでなく中国にも大量に流れ、それらを加工し日本に再輸出されるケースもあります。
知らない間に私たちが使っている木材に違法木材が使われているかもしれません。
そしてそれが森林破壊に繋がっている可能性も否定できません。

では、国や企業は違法伐採を阻止するためにどんなことに取組んでいるのでしょうか?
欧米諸国では90年代に原生林の保護への関心が高まり、木材調達方針を打ち出しました。
日本では2001年よりグリーン購入法が導入され、2006年には違法伐採対策として
「合法性」「持続可能性」が証明されたものを購入しなければならない措置を新たに導入しました。
PEFCFSCSGEC等の森林認証マーク、gohoWOOD(合法木材推進マーク)はその証明です。

国や企業だけでなく、私たちにできることもあるはず。坂本さんは以下6つの取り組みを紹介してくださいました。

0.余計なものは買わない=リデュース
1.中古品、廃材、古紙を選ぶ=リユース・リサイクル
2.出所の不明なものは買わない
3.近くのものを選ぶ 「地産地消」
4.認証マークのある製品を選ぶ
5.会社の方針を見て選ぶ

最後に坂本さんは以下のようにまとめてくださいました。

まずは知ることから
紙や木材製品がどこから来ているか関心を持って調べてみる
その生産地の情報を集めてみる
必要のないものは買わない

木材だけでなく、食べ物や着る物、身の回りの物などなど、私たちの日常生活にも言えることだな、と感じました。
みなさんもフェアウッドにシフトしませんか?
その木がどこから来たのか、違法木材でないのか、まずは知ることから始めましょう。

*講演を視聴する*
上映されたDVDはこちら
 「人と木~世界の森林を守るため、今私たちにできること~」

次回の地球人カレッジは2月12日(土)19:00~「コミュニティ・レストランを創ろう
~おいしく食べ、楽しく、くつろぎの場~」です。
詳細はこちらから

文責:事務局(庄田)


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