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地球人カレッジ 6月

2010年06月18日 | 地球人カレッジ
*と き:6月6日(土)19:00~21:00
*参加人数:33名(ネット中継での参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:吉田 純(TICOザンビア事務所長/業務調整員) 
    田淵 幸一郎(保健医療専門家/関西医科大学)

*テーマ:村の人の健康は村で守れる!…ちょっと助けはいるけれど ~JICA草の根技術協力事業「チボンボ郡農村地域プライマリーヘルスケア・プロジェクト」最終報告~

3年にわたって進めてきた、ザンビアの農村での保健プロジェクトが5月で完了しました。
今回の地球人カレッジでは、保健医療専門家として携わってきた田淵からのプロジェクトの活動終了報告に加え、業務調整員として活躍した吉田からは、実際のプロジェクト運営で遭遇した様々なエピソードを交えつつ「業務調整とはどういった仕事なのか」についての話がありました。


まず最初に、事業内容について簡単な概略が説明され、
続いてこの3年間でどういった成果があがったのか、発表がありました。

<活動の成果>

大きなインパクトとしては、ヘルスポスト(簡易診療所)が出来たことで、発症から受診までの平均日数(※)が大幅に短縮されたことでしょうか。事業前には平均6.2日かかっていたのが、現在は平均2.2日にまで短縮され、0~3日の間に受診する人が7割を越える(実施前は3割弱)までになりました。
※子どものいる母親に対し、子どもが発病してから受診にかかった日数について尋ねた。

また、保健医療サービスを受けた先として、医療施設、住民保健ボランティアを上げる割合が増え、子どもの保健情報の入手先としての住民保健ボランティアが占める割合が35%から58%に上昇しました。

他にも蚊帳を持っている人の中で、蚊帳を使っている人の割合が事業実施前は5割強であったのに、実施後には9割以上の世帯で蚊帳を活用するようになるなど、保健医療についての知識向上も見られました。

そしてなにより数字として表すことは難しいのですが、熱心な住民保健ボランティアによりヘルスポストの自主的な運営や地域での保健活動が精力的に実施されています。
「村の人の健康は村で守れる」ことが証明されるのは、そんなに遠い話ではなさそうです。

<業務調整とは>
引き続き、業務調整員として本事業の調整にあたった吉田から、
あまり普段聞き馴染みのないであろう「業務調整」という役割について話がありました。

業務調整とは:
「プロジェクトの事務・会計・調達業務、報告書作成業務、年間計画に沿った業務の進捗管理や相手国政府側との実務的な各種調整を主に行うとともに、プロジェクトのチーフアドバイザーや、他の技術協力専門家の活動をサポートする業務」

彼女が考える業務調整員に必要な条件とは、以下の4つ。
第1の条件:言語能力―無駄な期待は捨てましょう―
第2の条件:精神力―めげてる暇なんかありゃあしない―
第3の条件:身体が資本―食わざるもの働くべからず―
第4の条件:笑いは世界を救う

いつもタフで前向きな彼女らしい講演となり、会場は笑いの渦に巻き込まれました。
実際のプロジェクト運営で遭遇した様々なエピソードを交えながら、話は進んだため、具体的にどういった業務をしているのか、少しは想像できたのではないかと思います。

個人的には、”言語能力”のところに納得!でした。途上国で物事を進めようと思うと、いろんな言い回しを使って相手と交渉していかなければなりませんから。

例えば相手にとっての悪いメッセージ(ex)そんな予算ない)を、
みなさんは、角を立てずどうやって相手に伝えますか?

今後、国際協力に携わっていこうと考えている人にはぜひ聞いてほしいと思います(↓)。
*講演を視聴する*

文責:事務局(瀬戸口)

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