気ままな旅


自分好みの歩みと共に・・

心が和む。韓国店主の ひと言「Happy Father's Day」

2015-01-27 16:21:04 | エッセイ

 日韓の間が、このようになる前の年の6月17日の「Father's Day」のことでした。娘の家では婿が孫のFatherである。カリフォルニアに住む向こうでの話です。

気にも留めずいたところ娘が「私にもFatherはお父さまよ」と夜にお祝いをしましょうと言われた。初夏を迎え街中の樹木は陽光に照り輝いていた。家族4人で街中を抜け隣街の韓国料理店に向かった。いつもの通り、片道6車線もあるFreeWayに乗り直ぐに下りた。私は初めての店のようだ。青桐に似た樹木の木蔭にパークした。好きな店なら苦もなく、FreeWayに乗ると言うか乗らないと道がないのか信じられない車社会だと思った。

昼食時で、店前は人混みで混雑していた。やっと、入れて席が取れた。あたしは娘の見立てで韓国そばに決まった。孫ふたりはもう決めていたのか即断した。顔を上げて新しい店なので辺りを見回した。韓国風のもので壁面は飾られていた。たまたま、韓国TVドラマを観ていたので関心があった。

店の奥に立ちはだかるように50歳ぐらいの店主が見えた。眼線があったかが不明だが、私の席に近づいてきた。私の顔を見るなり「あなたは私の父と同じくらいの歳だ」言うと奥に戻り、韓国ビールを手に「Happy Father's Day」と叫び、注いでビールを置いていった。そばを食い終わり,帰り際に振り向き腰を折り、おぼつかない足取りで礼をした。店主は腰を90度に曲て返礼された。韓国の儒教の精神が健在だと知らされ感激をした。中瓶サイズとは言え昼間から飲み干すには,そば汁とで参ったが嬉しかった。

その夜、「二人の父を祝いに」孫たちのリクエストで日本料理店へ婿の運転でまた、FreeWayに入り夜道を抜けて走った。

久し振りの日本食にありついた。「Happy Father's Day」と孫の一声で始まった。そこに日本人の店主が寄って来て私に一品を差し出され祝われた。一瞬躊躇した。孫ふたりが「今日、おじいちゃんは人気者だね」と言われ昼間と重なり幸わせを大いに味わった一日でした。

この日のことを時折、思い起こすこの頃です。

終わり



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