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伯耆地方の「道祖神」 in 鳥取県大山町

2017年06月14日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・鳥取県

「国信神社」に祀られていた「双体道祖神」は四体。この画像で見ると実際には十体近くあったのではと思われます。笏や宝珠を持って立つ「神祇像」、雛人形のように仲良く並んで座る「神祇座像」と呼ばれるものがあり、特にこの地方では「塞の神(さえのかみ)」と呼ばれます。

「本来はサエノカミと呼ばれて村の入り口に置かれて、外から来る悪霊や疫病を遮る為に祀られていた。現在は神社の境内に集められ、祀られている。賽の神、幸の神、歳の神、妻の神、斎の神などいろいろな字が当てられて現在では結婚・幸福・交通安全などの御利益があるとお祈りされている。十二月十五日に藁苞に団子を練り入れて神石に塗り「サイノカミさん十五日オセラチャ参る、参らんか」という文句を唱えていたが、今では有志の人々によって藁で作った草履と馬の飾り付けが行なわれている。」原文写し

年代がかなり古い所為か表面の磨耗が進み、互いの表情は読み取れません。きちんと正座し前を向く衣冠束帯姿の男神。横向きに向かい合う女神は男神に何かを差し出しているようにも見えますが・・・・男女ともに正面を向く像が多い中では珍しい「神祇座像」。

家型に刳り貫かれた中に、両手を前に重ねて並んで座る平安装束の「神祇座像」。女神の頭の部分が被り物でもしているのか、かなり特徴的。屋根部分には線刻で模様のようなものが刻まれています。

丸く刳り貫かれた中に、ゆったりとした平安装束の男神と、宝珠のようなものを胸に抱いた女神。線刻ですが高貴な身分である様子が伺える「神祇像」

女神は「宝珠」を胸に抱き、男神は手に「笏(しゃく)」を持つ「神祇座像」。右に文字が刻まれていたのに見落としました。

撮影日:2012年4月21日・鳥取県大山町「国信神社」境内にて

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「壹宮神社」に祀られていた「双体道祖神」は八体でいずれも平安装束の男女。現地案内には「地域にあった7基ほどのサイノカミを集めている。サイノカミの前に青竹を2本建てその間に注連縄を張って祀っている。」

注連縄が架けられた「双体道祖神」。丸く刳り抜かれた中に線刻で、平安装束の男女が並んで立つ神祇像。

「妻木村中 慶応二寅」の刻が読み取れた神祇像。衣冠束帯で笏を持ち腰に剣を挿す男神と、裳裾に打掛を羽織り宝珠を持つ女神。二人の頭上には注連飾りのようなものがあります。

注連縄が架けられた「双体道祖神」。丸く刳り抜かれた中に線刻で衣冠束帯姿で笏を持つ男神。宝珠を持つ女神。

二人の頭上には神殿の屋根部が線刻で描かれています。

駒形に刳り貫かれた中に、仲良く並ぶ素朴な「双体道祖神」。衣冠に笏を持つ男神。綺麗に結い上げた髪の女神は前で両手を合わせた姿勢。面白いのは二人とも素足が見えている事。

かなりの摩耗で分り難いのですが、互いに向かい合っているように見える「神祇像」。大山町で見た道祖神の中では最も小さいものです。

丸く刳り貫かれた中に線刻で、衣冠束帯姿の男神と十二単姿の女神の「神祇座像」

長い年月の所為か土地柄の所為か、苔むした表面に刻まれた二人の姿はかなり不鮮明。明度や彩度を変えて試してみましたが、二人の姿が辛うじて見える程度。

自然石に線刻された衣冠束帯姿の男神と内掛け姿の女神。このまま磨耗させるのは惜しいけれど、時の流れは止められません。

唐破風屋根の下に、衣冠束帯に笏を持つ男神と宝珠を持つ女神の神祇像。表情は読み取れませんが風化の悪戯が二人の顔を向かい合わせているようで微笑ましい。

撮影日:2016年10月22日・鳥取県大山町「壹宮神社」境内にて

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私の中では「双体道祖神」と言えば長野県やそれより東のイメージが強く、まれに他所で見かける事が有るとしても、取って付けたような場所に一体か二体。ああ、何処からか連れてこられたのかな?程度の認識でした。ところが大山町では2012年と2016年に参拝した二つの神社でまとまった道祖神に出会え、改めて調べた所、鳥取の伯耆地方にのみ双体像が集中的に分布しており、その数は300体を越えると・・・この事実をもっと早く知っていれば、大山町神社巡りの選定に「道祖神」の有無を考慮したのに・・残念です。

参考までに「双体道祖神」トップは長野県で「2600体」。二位に群馬県の「2300体」、三位は神奈川県「1300体」。四位が新潟県「400体」、五位が鳥取県「360体」・・・後は山梨県、静岡県が「300体」と続き、岐阜県「70体」、愛知県・島根県・埼玉県で「50体」と推定されています。


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