チビクロの美術さんぽ

ぬいぐるみの黒猫チビクロがお出かけしますにゃ。休みの日に美術館へ行って、絵を見るのが
楽しみなのですにゃ。

松林 桂月展 @練馬区立美術館

2014-05-16 00:45:00 | 美術館 博物館
チビクロは、出かけましたにゃ。



没後50年
松林 桂月 展
水墨を極め、画中に詠う

2014年 4月 13日~6月8日
開館時間10:00~18:00
月曜休館
観覧料一般500円
練馬区立美術館
西武池袋線中村橋駅徒歩3分

チラシより引用します。
「日本画家、
松林桂月
(まつばやし・
けいげつ)/1876~1963」は、
明治・大正・昭和の3つの時代を
生き、数々の名作を残した近代を
代表する日本画家です。

山口・萩に生まれた桂月は、
幼い頃から絵を好み、東京に出て
文人画家・渡辺華山の孫弟子に
あたる野口幽谷に師事し、精緻で
格調高い評価を学びました。
また、親しんでいた漢詩の教養を
活かして、詩・書・画残した三絶の境地を目指す文人画-南画を描いたことも特筆されます。
桂月は、南画の真髄ともいうべき水墨画においては他の画家の追随を許さず、その独特の叙情的な作風は、高く評価され、1958年には
文化勲章を受章しています。

本年は、桂月が世を去ってから
50年という節目の年に当たります。この半世紀の間に開催された大規模な展覧会は、桂月の没後間もなく、門人たちによって開催された遺作展と、1983年に山口県立美術館で開催された
「松林桂月-その墨と色彩の妙-」展のみで、近年にはその芸術を
通覧できる機会はほとんどありませんでした。そのため、桂月の名も、画も、一部の美術愛好家だけが知るところとなりつつあることが惜しまれます。

本展は、30年ぶりとなる回顧展として、初公開を含む大作、名品で、詩書画の全てに勝れた才能を示し、近代にあって水墨画の表現を極めた、桂月の豊かな芸術世界を紹介するものです。」



チビクロは、この美術展が開かれることを、
「はろるど」さんという方の
ブログで、知りましたにゃ。
「青い日記帳」の Takさんの
ブログもよく見て、
美術の情報を集めています。

ブログに紹介されてた
絵の写真を見た時、
チビクロのハートは、
びびっときましたにゃ。

《春宵花影》
昭和14年
東京国立近代美術館蔵
展示は、5月11日まで

残念ながら、チビクロは
実物をみることが出来ませんでしたが、このような素晴らしい作品が、存在するということを知ることができたのが奇跡ですにゃ。
竹橋の美術館にあるのなら、
いつか、常設展で、お会いすることができるかもしれません。



展示は、
一階と二階に分かれています。


色の美しい作品や細かな描写が、素晴らしい作品が、たくさんあるのですが、
チビクロのイチオシは、
二階の最後のお部屋の
竹林を描いた作品たちですにゃ。



黒と白の濃淡で、表される
大気の流れ、
雨の様子、
葉のざわめき、
竹林全体の動きに、
チビクロは、心を揺さぶられましたにゃ。

作品番号91
竹林幽趣
月が、流れる大気でかすむ。
竹の葉を吹き抜けていく風が、
見えるようですにゃ。

作品番号95
竹林夜雨
天から激しく降り注ぐ雨。
風にあおられ、霧雨になる。
竹林全体をぐっしょりと
濡らしている。

作品番号88
深林
美術館説明より引用します。
「落葉が始まった秋の夕暮れ時
闇に沈んでいく林の姿が水墨のみで描かれています。」

『林に隠れて、ここからは見えない寺の鐘の音の余韻につれて
日が傾き、あたりの風景が全て夜の闇に彩られていく。
僧が夕空を流れる雲を眺め、
木こりが家路を急ぐ
この時間にこそ
詠いつくせず、描きつくせない
素晴らしさがある。
私はその素晴らしさを
この風景に託すのだ。』という
詩に桂月の感性が表れています。」

画と書と詩が、ひとつの画面に、
描かれるスタイルが、南画なのですにゃ。
なんで、色々書いてあるんだろにゃと、今まで思っていましたにゃ。




作品番号73
閑庭
強そうな親分的な猫さんが、
くつろいでいますにゃ。
後方の大きな岩には、たらしこみの技法が使われ、
前方の草花は、輪郭線が
とられた細葉の表現が美しいと
思いましたにゃ。
他の作品でも説明がありましたが、
ひとつの画面の中で、
違う技法が、うまく使われていて
面白いと思いましたにゃ。

練馬区美術館主任学芸員の、
野地耕一郎氏は、
以前「木島櫻谷展」で、伺った
泉屋博古館分館の学芸課長で
いらっしゃいます。
図録に記してあったと思うのですが、違うようでしたら、ご指摘ください。
「木島櫻谷」の作品を見て、
とても感激しました。
あの展示を企画された方の
お仕事をまた見ることが出来て、
とてもうれしいです。
時の流れに埋もれた
素晴らしい画家をまた、
ご紹介くださいませ!

この方は、
とても素敵な文章をお書きになります
「木島櫻谷」展の図録でも、
思いました。

松林桂月展の図録より、引用します。
「~ 絵とは、単なる写生ではなく、人間の精神とつながった魂の風景を描くことだということだ。
それこそ、南画の精神の核心に在るものだろう。」

「いかなる混沌の中にあっても、きらりと光を放つための
鏡は、古層に埋もれている。」

ぜひ皆さまも図録をお読みくださいですにゃ。

また、個人所蔵の作品が多いので、この展示は貴重です。
ぜひこの機会にご覧くださいですにゃ。

駅から三分の場所にありますし、
東横線から連絡するようになり、湘南新宿ラインからも
便利ですにゃ。


今日もステキな作品に出会うことが出来ましたにゃ。

ありがとうございますにゃ。