冬休みになって、例の大学設置審議会の答申を読み直してみた。留意事項のある部分に目がいった。
「設置の趣旨・目的等が活かされるよう,設置計画を確実に履行すること。また,開設時から4年制大学にふさわしい教育研究活動を行い,その水準を一層向上させるよう努めること。」
これは以下の大学へのコメント。
日本医療科学大学 東京未来大学 四日市看護医療大学 京都医療科学大学 森ノ宮医療大学 神戸夙川学院大学 兵庫医療大学 近大姫路大学 環太平洋大学 山口学芸大学
「計画されている教育内容や教育方法によって設置の趣旨・目的等を十全に達成できるか懸念されるので,設置の趣旨・目的等を達成するために格段の努力をし,開設時から4年制大学にふさわしい教育研究活動を行うこと。特に,インターネットのみを用いて授業を行う大学であるという特性に鑑み,大学教育の質を担保するためのガイドラインを確実に作成し提出すること。また,インストラクショナルデザイナー,指導補助者(助手やメンター)の適切な人材の確保,教員や指導補助者による効果的な指導体制の確立,コンテンツの作成,更新等に関するガイドラインの策定による計画の確実な実施など,社会に認められる大学教育としての水準を維持すること。」
これはサイバー大学へのコメント。
「設置の趣旨・目的等が活かされるよう,設置計画を確実に履行すること。また,開設時から短期大学にふさわしい教育研究活動を行い,その水準を一層向上させるよう努めること。」
これは以下の短期大学へのコメント。
島根県立大学短期大学部 岐阜保健短期大学
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大学への文面は、サイバー大学を除いてここの部分は共通しているので、何となく、基本的な注意事項なのかな、場合によってはお題目的なものなのかなって思うけど、よく考えるとこれはなかなか難しい注文である。
4年制大学にふさわしい、短期大学にふさわしいとは何だろう。
社会に認められる大学教育としての水準とは何だろう。
関係者は自問自答しながら学生に向かい合わなければならない。求められる大学の学問水準は、学校教育法や大学設置基準を見るとそれはそれは大変なことが書いてある。しかし、学生が100人いれば100通りのニーズや学力ベースの違い、興味関心があるのだから、その大学に集う学生の最大公約数はどのようなものかを考えざるを得ないのが現実的な対応で、個別大学にはこれしかできないのが事実だろう。10年後これらのNEWCOMERSがどのような姿になっているのか、そのころでも僕は現職の教員のはずだから、よく見守っていきたいと思う。
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学校教育法 第五章 大学
第五十二条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。