物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。
・・・ということである。
16歳の女子高生マーゴットが突然姿を消し、行方不明事件として捜査が開始される。家出か誘拐が判明しないまま、37時間が経過する。
娘の無事を信じたい父親のデビッドは、マーゴットのPCにログイン。娘のInstagram、Facebook、Twitterにアクセスを試みる。そこには、いつも明るくて活発だったと思っていた娘とは別人のマーゴットの姿が映し出されていた。
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「スター・トレック」シリーズのスールー役で知られる、ジョン・チョウが、娘を捜す父親デビッド役を演じる。ものがたりはすべてPCスクリーン上で展開される。「実験的」との前評判。映像が面白そうなので、予定外の鑑賞になった。劇場は渋谷のシネクイント、今回初めて出向く場所である。
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実験的というと、今年は「カメラを止めるな!」が評判である。あの作品は出演者が無名でも、予算が少なくても、プロットがよいとヒット(大化け)する見本のような作品だ。一方6月に見た「リディバイダー」は、映像は面白いが、ものがたりの構成がそれを生かしきれていない感じがした。本作はどうだろうか。結論から言うと、ものがたりのすべてがPCスクリーン上で展開されていることを、あっさり忘れさせる作品。成功だと思う。
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デビッド・キム:ジョン・チョウ
娘が行方不明になる。妻とは3年前に病別。娘のマーゴットと二人暮らし。娘の誕生からずっと見続け、愛し続けている。少なくとも、娘のことはかなりわかっている自負がある。その娘が姿を消してしまう。IMDbの作品Taglineではこのように書かれている。以下引用する。
After his 16-year-old daughter goes missing, a desperate father breaks into her laptop to look for clues to find her.
作品紹介にもあるように、デビッドは様々な方法で娘のSNSを調べ、血眼で行方を捜す。そして「自分は実は娘のことを何も知らない」という事実を突きつけられる。どれほど社会のデジタル化が進み、コミュニケーションがよく思えても、親子の世代間断絶は変わらない。調べれば調べるほど、自分の娘に対する知識のなさを知り、絶望するデビッド。
デビッドはどこにでもいるお父さんなのである。自分の弟からもたらされる、娘の孤独感についての情報が、彼をさらに苦しめる。最後は、、、書かないことにします。
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本作は公開劇場数がそれほど多くはありませんが、なんとか劇場で見るべき作品だと思います。TVやPC画面で見るのではなく、大きなスクリーンで見る価値のある作品です。おすすめです。
四つかな?