「スター」だわ。
4月30日(日)「無限の住人」を見に、いつものmovixさいたまに出かけました。
万次(まんじ)は、あることにより「死ねなく」なってしまった。死ぬことのできない「無限の体」、斬られた傷は自然に治る。
浅野凜(あさの りん)は、剣客集団・逸刀流(いっとうりゅう)に両親を殺された。仇討ちを遂げるため、不老不死の肉体を持つ男・万次を用心棒にする。
用心棒となった万次は、凜と共に逸刀流との戦いに身を投じる。
この辺までは、シネコンのサイトの作品紹介でわかる。
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映画を見て思ったこと。キャストを中心に書いてみます。
万次:木村拓哉
万次は「死ねない」体である。でもそれは無敵・無傷を意味しない。何度も切られるし、腕が切り落とされることもある。痛みも感じるし、血もでる。でも死なないのだ。正直、強いのか弱いのかわからない。その彼が凜を守り、戦い続ける。作品のサイトでも公開されているが、様々な敵との立ち回りはかなりのインパクトがある。実際に劇場で見たが、ラストの群闘シーンはかなりの迫力である。よくもこんなに人が斬れるもんだと感じた。
全般的に、色々な意味ですごい描写・演出は、三池監督の真骨頂。でも、ものがたりとしては、これは単純に人斬り・復讐映画ではない。彼に用心棒を依頼した浅野凜との結びつき、絆がものがたりの背骨であると思う。
浅野凜:杉咲花
撮影時は17歳か18歳だろうか。運命に翻弄される凜を演じている。これは予告編を見ていて感じたことである。でも、ものがたり全体を見ると違う。非常にいい。おもしろかったり、シリアスだったり。感情の爆発するシーンは、かなりガツンとくる。存在はCM等で知っていたが、思った以上にいい女優さんのようだ。
天津影久(あのつ・かげひさ):福士蒼汰
2人と対決することになるのが、逸刀流首領である天津である。
昨年末、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」を見ているせいか、福士蒼汰がどう悪役になるか期待していた。でも、わけありの「悪」である。
尸良(しら):市原隼人
本作の狂人代表の役。かなり強烈なキャラクター。
ものがたりのはじめの方で登場し、万次に討たれる閑馬永空(しずま・えいくう,市川海老蔵)の印象が薄れるほどだった。
・・・成田屋!!!
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木村さんは、それこそ「あること、ないこと、よくわからないこと」をたくさん言われている。でも、スクリーンの中の彼は、どう見てもスター。彼の演じる万次の一挙手一投足が、ものがたりを押しすすめていく。
彼は一時期、何を演じても木村拓哉といわれていた。そんな彼のTVドラマのレイティングは記録的だった。ここのところ、それまでほどの数字が出なくなっているのは事実かも知れない。でも、これは彼ひとりに責任があることでもない。それでも何か言われ、書かれるのはスターの宿命だろう。
本作を見て感じたことは、「木村拓哉 < 万次」なこと。あと数年して50台になった時、彼がどんな役をしているか、ホントに楽しみだ。
いろいろ書いてみたが、この映画はある意味、初期のA.シュワルツェネッガー映画(ターミネーター,コマンドー)等に通じる部分がある。感情の開放、何かを発散させてくれる作品である。単純に「うわ、なんだこれ。すげ~」と見ると、楽しい作品である。
作品の群闘のシーンで、妙なことを思いだした。「るろうに剣心」の京都大火編である。当たり前のことだが、同じ群闘シーンでも、こうも違うかということ。
文中一部敬称略。