全英連参加者のブログ

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平成25年度埼玉県高校入試・英語リスニングテスト分析

2013-05-08 05:01:37 | 教師の仕事 2013
リスニングテスト分析  平成24年度から一本化された埼玉県公立高等学校学力検査。今年も管理職にお願いして、英語実音テスト問題の音源CDを借り受け、GWに分析してみた。
 今回の分析ポイントは、前年度問題形式との比較。変更の有無、wpm*の確認を実施した。

***** *****

 3月4日(月)14時20分、英語学力検査の開始チャイムが鳴る。その数秒後「放送を聞いて答える問題」が始まる。この問題が終わらなければ、他の問題に手をつけることは、実質的に不可能なのは、昨年までと全く同じである。
 平成25年度入試も、試験は全部で7問、求められる解答数が11である。

 問題1から問題3
 会話を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一、ヒントの図表がついている。
 問題4と問題5
 それぞれ「ある場面」を説明する英文を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一で、英文の答えが出ている。
 問題6
 MasatoとJaneの会話を聞いて、三つの質問(日本語で掲出されている)に日本語で記述する問題である。3問中1問は数字(日数)を答えるもの。
 問題7
 ケニア共和国出身のALT、Mr. Mainaのスピーチを聞き、その内容に対する質問を聞き取る。その答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一問題で、英文の答えが出ている。

 基本的な構成は、昨年までと全く変更がない。

***** *****

 使用音源
 平成25年度 英語録音CD1枚

 計時使用機材
 WMP12と一般的なCDプレーヤーを使った。
 計時はWMPによる。ストップウオッチも使用。
 ・・・昨年と同じである。

 分析手順
 ①原始的だけど、語数とセンテンスの数をカウント。
 ・昨年から1回の実施になった入試。状況はどうなったか。
 ②何度も聞き直し、wpmを計測する。
 ③問題~問題の間のポーズを計測する。
 ④はじめから、「以上で問題は終わりです」までの、実時間を計測する。
 ⑤去年と対比を行う。

 ①から④は手作業(耳作業)である。
 ・・・ここも昨年と同じである。

+++++ +++++

 以下、音源CD構成と計時データ

 トラック1 音量調整のための放送
 試験当日朝に試聴のために用いる。
 (試験とは関係ない。)

 トラック2 無音
 トラック1をかけたままにしていると、しから(注意さ)れる。
 (間違えて、問題を誤放送させない配慮。)

 トラック構成も昨年度と同じである。

 トラック3(0:28)
 0:00- 「放送を聞いて答える問題」のアナウンス。

 トラック4(1:26) 問題1
 0:00- 問題1から問題3の解答方法の説明
 0:24 問題1放送 1回目
 0:45 問題1放送 1回目終了
 0:47-51 問題1 Question1回目
 0:55 問題1放送 2回目
 1:16 問題1放送 2回目終了
 1:18-22 問題1 Question2回目
 問題1は、AとBの会話である。A→Bが2回。TomとMayumiの会話。21秒で話者2、総語数56語である。昨年は13秒で話者2、総語数36語だったから、長くなり、語数大幅増である。
 このペースで会話が続いたとすると、21秒は1分の35.0%なので、56を0.35で割る。
 160wpmとする。(166)
 カッコ内は、H.24データである。以下同じ。

 トラック5(0:51) 問題2
 0:01 問題2放送 1回目
 0:17 問題2放送 1回目終了
 0:19-22 問題2 Question1回目
 0:26 問題2放送 2回目
 0:42 問題2放送 2回目終了
 0:44-47 問題2 Question2回目
 問題2も、AとBの会話である。A→Bが2回。TomokoとBillの会話である。Billの誕生日について解答するもの。16秒で話者2、総語数36語。昨年は20秒で話者2、総語数45語だったから、語数はやや減。
 このペースで会話が続いたとすると、16秒は1分の26.6%なので、36を0.26で割る。
 138wpm(135)
 語数は減っても、速度はやや増である。

 トラック6(0:42) 問題3
 0:01 問題3放送 1回目
 0:12 問題3放送 1回目終了
 0:15-18 問題3 Question1回目
 0:22 問題3放送 2回目
 0:33 問題3放送 2回目終了
 0:35-38 問題3 Question2回目
 問題3も、AとBの会話。A→Bの回数も同じ。Kazuyaと誰かの会話。列車に乗り遅れている。時刻表を見て、どの駅にいるか選ぶ問題。11秒で話者2、総語数26語。昨年は16秒で話者2、総語数39語。これも語数は減であるる。
 このペースで会話が続いたとすると、11秒は1分の18.3%なので、26を0.18で割る。
 144wpm(146)
 ここは語数は減、スピードは大差なしである。

 トラック7(1:13) 問題4
 0:01 問題4と問題5の解答方法の説明
 0:21 説明終了
 0:25 問題4放送 1回目
 0:38 問題4放送 1回目終了
 0:41-43 問題4 Question1回目
 0:49 問題4放送 2回目
 1:02 問題4放送 2回目終了
 1:05-07 問題1 Question2回目
 この問題は「ある場面」についての説明文を聞き、それについて解答を求めるものである。13秒で話者1、総語数40語、センテンス数4。昨年は8秒で話者1、総語数21語、センテンス数4は変わらないが、語数は倍増である。
 このペースで発話が続いたとすると、13秒は1分の21.6%なので、40を0.21で割る。
 190wpm(157)
 かなりアップ。

 トラック8(0:45) 問題5
 0:01 問題5放送 1回目
 0:12 問題5放送 1回目終了
 0:15-19 問題5 Question1回目
 0:23 問題5放送 2回目
 0:34 問題5放送 2回目終了
 0:36-39 問題2 Question2回目
 問題5も問題4と同じパターン。11秒で話者1、総語数28語、センテンス数4。昨年は14秒で話者1、総語数37語、センテンス数4。語数は減っている。
 仮にこのペースで発話が続いたとすると、11秒は1分の18.3%なので、28を0.18で割る。
 155wpm(158)

 トラック9(3:19) 問題6
 0:01 問題6の解答方法の説明
 0:13 説明終了
 0:16 問題6放送 1回目
 1:37 問題6放送 1回目終了
 1:45 問題6放送 2回目
 3:07 問題6放送 2回目終了
 問題6は、最初の方にも書いたとおり、MasatoとJaneの会話である。81秒。総語数218語、センテンス数35。会話のやりとりが22回である。Masato→Janeが11回ある。昨年は73秒。総語数187語、センテンス数22。会話のやりとりが11回だった。語数、ターン数とも大幅増、時間も長い問題になった。
 このペースで会話が続いたとすると、81秒は1分の135%なので、218を1.35で割る。
 161wpm(154)

 なお、トラックの長さは3:19だが、録音は3:08で終わっている。最後の問題までの間10秒ちょっと空白になる。

 トラック10(4:44) 問題7
 0:01 問題7の解答方法の説明
 0:23 説明終了
 0:25 問題7放送 1回目
 1:51 問題7放送 1回目終了
 1:53-1:57 Question 1
 2:05-2:09 Question 2
 2:17-2:23 Question 3
 2:31 問題7放送 2回目
 3:55 問題7放送 2回目終了
 3:57-4:03 Question 1
 4:11-4:15 Question 2
 4:23-4:30 Question 3
 問題7は、ケニアから来たALTのMr. Mainaが外国語を学ぶ意義についてスピーチをしている。そのスピーチを聞き、内容について答える問題である。86秒で話者1、総語数204語、センテンス数21。昨年は79秒で話者1、総語数212語、センテンス数18だった。大きな変更はない。
 このペースで会話が続いたとすると、86秒は1分の143%なので、204を1.43で割る。
 142wpm(161)

 ここは時間を長くとっているので、wpmの数値は下がっている。

 なお、問題7(トラック10)の4:37のところで、「放送を聞いて答える問題」の終了が告げられる。午後2時20分の英語試験開始のチャイムから、ここまでが13分20秒である。残り試験時間が37分程度。
 リスニングテストの配点は100点満点中28点である。試験時間に占める割合は、26.6%なのだから、割りがいいと言えばいい。ただ、前記したとおり、リスニングテストは、放送が終わらないかぎり、実質的に他の問題には手が出せない。勉強ができる生徒にしてみると、他の問題を解く時間を奪われることになるとも考えられる、時間と配点の関係は、評価が難しい。毎年同じことを書いているが、自分でも判断できないのだ。

***** *****

 wpm再掲
 問題1 160(166)▼
 カッコ内は、H.24データである。以下同じ。
 問題2 138(135)△
 問題3 144(146)▼
 問題4 190(157)△
 問題5 155(158)▼
 問題6 161(154)△
 問題7 142(161)▼

 問題1~問題3、問題5はびっくりするような差ではない。
 問題4はかなりスピードアップ。聞き取るべき文章は短いが、語数を詰め込んだ感じ。
 問題6はややスピードアップ。話者2だが、ターンが多く、聞き取る(追いつく)ことが難しい。日本語で記述させる問題。かなりタスクとしては難しいと思う。
 問題7はややスロー気味。長い文章だが、答えのヒントになる英文は問題用紙に出ているので、それを見ながら聞くことができるならば、点数はとれるかもしれない。肝心なことは、ここまで緊張を保てるかである。

 なお、平成26年度入試は、改定された中学校の学習指導要領で学ぶ生徒が3年生になり、初めて実施される入試である。どうなるか注目したい。

***** *****

 音声問題の音声データは、埼玉県総合教育センターウェブサイトで公開されている。(新しいウインドで開きます。)
 http://www.center.spec.ed.jp/
 (メニューの「入試情報・説明会案内」から)
 ・平成22年度~平成25年度のリスニング(音声問題)を公開中である。
 ・英語以外も公開中。

 今年も分析をするために、東京新聞ウェブサイトの『首都圏公立高校入試特集ページ』を参考にした。問題を見るのならば、このサイトを利用するといい。関東地方の公立高校入試問題を、PDFでアップロードしてくれている非常によくできたサイトである。特記する。
 アドレスはこちら。(新しいウインドで開きます。)
 http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/index.html

 昨年のエントリはこちらです。
 2012.03.28
 「平成24年度埼玉県高校入試・英語リスニングテスト分析

 *このエントリにおけるwpmの出し方(考え方)については、以下を参照されたい。
 2010.03.11
 「wpm

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