全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

Teachers' Teachers are Needed.

2006-02-23 05:37:22 | 気になる 教育行政

 年に何度かメールのやりとりのあった、英語の指導主事が異動(高等学校教頭に転任)してしまった。
 その人にとっては現場復帰・教頭就任で栄転かもしれないが、僕は今年大学院に戻り、教育課程等の調査研究を始める上でいろいろ相談しようと思っていた方なので、困ってしまう。正直大あわてである。

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 日本の教育行政では、教師としてスタートすると、そのまま教師で終わる。これがほとんどである。その中で管理職になることを希望する場合、管理職試験に合格しteacherから、研修などを積んでadministratorになっていく。キャリアの途中で教育センターのような研究・研修機関で、指導主事という半分行政・半分教師の指導者・教育研究者のような仕事に就くこともあるし、教育委員会でほぼ完全に行政官のような仕事をすることもある。将来の管理職候補は、最近は私立高校との交換勤務や民間企業での出向等もある。彼ら、彼女らの職名は、「(〇〇担当)指導主事」という。
 ただ、そんな指導主事も、教師の指導や教育研究のみの〇〇担当ポストは僕の知る限りたぶんない。これは、教育活動そのものや、教科指導の研究だけを任務に、現場教師のアドバイザー・ヘルパーとしての仕事を専任・専担とする人は残念ながらいないということだ。研究している人がゼロだとは言っていない。念のため。
 どんな肩書きでも少なからず行政官としての仕事がある。専任・専担という考えが、そもそも日本の教育行政機関にあるのかどうかを考えると、おそらくあるとは言えないだろう。僕もそれは大学(の研究者)の仕事であるという考えがあることはわかるが、県の教育システムの中にそのような立場の職がちゃんとあってもいいような気がする。特定の教科に関して何かを学ぶ場合、年次研修(新採用から5年ごとの義務研修)該当者でない場合は、任意参加の専門研修で学ぶか、自分で大学や大学院に在籍し学ばなければならない。それがダメだとはいわないが、もっと気軽に勉強できたり、相談できる人がいてもいいのではないだろうか。
 Teachers' Teacherが必要と思うのだ。

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 今回異動になった指導主事の先生。学校現場のアドミニストレータとしてどんな活躍をされるか、僕にはわからない。まあ、県が年度途中で異動をさせるのだから能力があることは間違いないのだろう。ただ、この方はTeachers' Teacherとしての仕事で、やれること、やるべきことがもっともっとあったような気がする。
 新しい職場で成功してほしいが、やっぱり残念である。


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