私の主張・ひとりの日本人として

新聞やテレビの報道で特に偏向マスコミや反日日本人などに憤慨することが多くなり、暇な時に思いつくまま書き綴ったブログです。

北朝鮮のミサイル攻撃に座して死を待つのか

2003年03月21日 10時10分41秒 | 防衛省・自衛隊・安全保障
~政府は発射基地攻撃兵器の保有を検討せよ~  

 政府は、北朝鮮の弾道ミサイルが領土領海に着弾した場合、当初は自衛隊に災害派遣を命じ対応するとしていた方針を転換し、防衛出動を命じることにしたようである。ミサイルの着弾は台風や地震ではないので、最初から防衛出動で対応すると発表しなければならないのに、方針の転換もヘチマもない当たり前の話である。

 しかし、北朝鮮が弾道ミサイルにより、我が国を攻撃する意図を持って準備しているのが分かっても、わが国の防衛方針である専守防衛に徹するならば、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、そのミサイルが、領海に接近し、領土にまっすぐ向かってきて、北朝鮮がわが国を攻撃したとの意図がはっきりしない限り、このミサイルを撃ち落とすことはできない訳である。であるから、発射してから数分で着弾するという弾道ミサイルを防ぐことは自衛隊の現有する装備では極めて困難であり、その第一撃により甚大な人的物的被害が生じ、わが国は大混乱となるであろう。

 政府は以前、他国からのミサイル攻撃に対し「防御するために、ほかに手段がない場合、基地をたたくことは自衛の範囲内で可能」という見解を示したことがあるが、確かに、ミサイルの第一撃を防げず、甚大な被害を受け、その国が、第二撃の準備をしていることが判明したのに、その発射基地を攻撃出来ないとすれば、国民は座して死を待つようなものである。

 石破防衛庁長官は、この程、「そのような場合、その発射基地を攻撃しても専守防衛に反しない」と述べ、「その攻撃能力を自衛隊が持つべきかどうか論議する必要がある」との考えを示したとのことである。しかし、政府は今日まで、ミサイル基地を先制攻撃することは、自衛の範囲としてきたものの、そのような攻撃能力を自衛隊に保有させて来なかった。だが北朝鮮は弾道ミサイルを開発し、すでに、わが国の上空を飛び越えたミサイルを発射しており、また核開発を継続するばかりか、わが国を火の海にするとの恫喝を繰り返している。このように、北朝鮮の弾道ミサイルは、わが国が直面する脅威となりつつあり、石破長官の発言は当然であると思う。

 ところが、小泉総理は、「攻撃の意図が分かったときに相手をたたく攻撃兵器を持ったらどうかという議論があるのは承知しているが、政府として、そういう考えはない。必要最小限度の専守防衛に徹し、足らざるところは日米安保条約、米国が大きな日本の抑止力になっている。日本は専守防衛に徹するということで行くべきだと思っている」と述べ、否定的な見解を示している。しかし、そのような論議があることを承知しながら、研究も検討もさせないというのは疑問である。

 ミサイル発射基地を攻撃しても専守防衛に反しないとしながら、そのような装備を保有しようともせず、日米安保条約による米国の軍事力に全面的に依頼するだけで良いのであろうか。であるから、今回の小泉総理の発言には同意出来ないのである。

 北朝鮮が発射したミサイルを撃ち落とすことが困難で、国民が被害を受けることになることが確実なのに、政府は防衛の基本方針を転換し、ミサイル基地を攻撃可能な装備を保有するかしないかの検討もしないのであろうか。
(2003/03/21) 

この記事は「私の主張」第165号
  北朝鮮のミサイル攻撃に座して死を待つのか
~政府は発射基地攻撃兵器の保有を検討せよ~
としてHPに掲載されていたものです。