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映画、試写会「長いお別れ」@よみうりホール、2019/5/15

2019-05-17 19:21:38 | 映画感想
「長いお別れ」

よみうりホール。
上映前に監督と主要キャスト4人の舞台挨拶があった。
来る予定だった山崎努は体調不良で欠席だったが、残念というより逆に心配になった。



山崎努、松原智恵子、竹内結子、蒼井優、北村有起哉。



冒頭は遊園地のシーン。
小学生ぐらいの女児が未就学児ぐらいの妹とメリーゴーラウンドに乗りたがっているが、
係員に小さい子は大人(中学生以上)が同伴でないとダメ、と断られる。
少女は「中学生です」と嘘をつくが聞いてもらえない。
そこに傘を3本持った老人(山崎努)がふらふらと歩いてくる。
少女は老人に近づいて声をかける。



場面は変わって2007年。
父、東昇平(山崎努)の70歳の誕生日。
母、曜子(松原智恵子)は、アメリカ在住の長女、今村麻里(竹内結子)と
次女、芙美(蒼井優)を実家に呼んでいた。

長女麻里は研究所に勤める夫、新(北村有起哉)についてアメリカに来たものの、
夫や息子の崇(蒲田優惟人)と行き違いがあったり、慣れない英語に苦労していた。
次女芙美は同棲を解消したばかりで、いつかはカフェを持ちたい夢は遠かった。

父の70歳の誕生日祝い。
父の態度は明らかにおかしかった。芙美に本を貸してやると言いだし、突然怒鳴って席を立つ父。
母は半年ほど前からアルツハイマー型認知症の症状が出ていると告げる。



2年後。

父(崇にとっては祖父)は認知症が進行し、デイサービスに通うようになっていたが、
難読漢字をすべて読めるほど知識は残っていた。
孫の崇(蒲田優惟人)も帰国しており、昇平を「漢字マスター」と呼んだ。

崇が寝たすきに、昇平がどこかへ行ってしまった。
崇とともに連絡を受けた芙美もあわてて探す。

昇平はすぐに見つかるが、芙美はバツイチで中学の同級生の道彦(中村倫也)と再会する。



さらに2年後。

認知症はさらに進行。
昇平の思いは家族に伝わらなくなっていた。

麻里や芙美がいろいろ考えて対応するが、昇平の気持ちが晴れたようには見えなかった。

この後、家族の思いもむなしく、昇平の気持ちはどんどん遠ざかっていく。
いつか来る別れ。
それぞれの事情もあり、すれ違いは続いていく。



切ない。
泣かせようとか、笑わせようとかのごり押しはないが、自然と泣けたり笑えたりする。
原作小説では娘は3人らしい。映画化にあたっては、次女を省いて簡略化しているようだ。

それぞれの事情を一定の時間内に収めるにはある程度の端折りは当然と言えば当然で、異論はない。

しかし、昇平の物語は完結したが、崇の物語は未完のままだ。
長女麻里のもやもやは解消されないまま、次女芙美も今後の方向性は見えないが、
父の異変を機に再構築された家族の絆、再始動は感じられた。



ある意味切実。
うちは両親、義両親とも認知症にはならず生涯を全うしたが、晩年はいろいろな障害はあった。
ヘルパーや病院のお世話にはなったが、経済的に許せばプロに任せた方が本人も楽だと思う。

在宅介護については「ピア まちをつなぐもの」で取り上げられていたが、
あそこまで手厚い介護をするには相当の経済的負担があると思われる。
本人の希望はわかるが、介護に携わる人材だけでなく公的負担も大きすぎるかもしれない。



認知症という用語も嫌い。
症状の実態は各種の認知障害であって認知症という言い回しはおかしい。
もう一つ、誤嚥性肺炎は怖い。



冒頭の姉妹は面白い。
一瞬、麻里と芙美の回想シーンかと思ったが、昇平が現れてそうではないことが分かった。
昇平を説得する言葉もしっかりしていて、昇平との対比が良かった。



映画の本題とは関係は薄いが気になる点をいくつか。

アメリカの今村家。
日本式なのか室内で靴を脱いでいたが、家の間取りと言い、アメリカとは思えなかった。
学校もアメリカン・スクールかもしれないが多分日本だよね。

アメリカは居住区のゾーニングがはっきりしている。
外観、立地、敷地、それなりの立場であると思われる今村新の住む家ではない。

また、最初の半年1年はある程度仕方ないとして、麻里は5年も6年も住んでいて
いまだに英語が全くできないのはなぜ。
日本人コミュニティの中で生活しアメリカ人と接触がないのならわかるが、
当初からアメリカ人夫妻を食事に呼んでいるのに。
さらにその時に自分だけキッチンに立ち、3人で食事させるとか、ありえないだろう。

終盤、麻里がTV電話していて寝てしまうのは仕方ないとして、
曜子と芙美はなぜそこまで放っておいたのか。
崇の心情と昇平との関係性を説明しようとするシーンだとは思うが、
やや違和感があった。

とはいえ、
全体としては押しつけがましくなく、家族をじっくりと描いた映画になっている。

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