オークの木の下で

成城7丁目の小さなお店「ティンラ成城」の日々を綴っております

銀杏並木…。

2023年11月26日 20時53分00秒 | その他
今週はお節やクリスマスオードブル、リエット…等出来なくなってしまったご注文を断るばかりの苦しい一週間だった…。それはこんな不完全な形で店開けていても良いのかな?と自問自答して自分を追い詰めてしまうほど…。

今年が始まった時、今年はどれほど飛躍出来る一年になるだろう、長年の課題だった生産拠点が整備され、売上げだって大袈裟ではなく倍に跳ね上がるんじゃないかと期待ばかりのスタートだった。

新年早々、彼が殺された直後、私は既に入っていた百貨店催事6本をどうやって回そうか奔走していた。今冷静に判断すれば
それが無理難題なことはわかるけれど、その時は、常々彼が例え親の死に目に会えなかったとしても催事は決して穴をあけてはいけない、と口癖のように言っていたから…何とかしなきゃと必死だった。

たった2人の組織だから、催事中に子どもが喉が痛いと言っただけで大事を取ってホテルで寝泊まりするなど体調管理は常に万全の体制を取っていた。(結局何でもなくて連泊予約していたホテル代だけ支払って家に帰って来たことも…)

2人だけの店だからっていつ営業しているかわからないような店ではいけないと、子ども達の学校行事も休みと上手く合わない時はどちらかが出て調整し、店休日以外は極力休まないようにして来た。

長い間、そこまで徹底して来たにも関わらず、彼が殺されて決まっていた大きな仕事は全て立ち消え、ウェブストアは止まり、いつ営業しているかわからない店になり、20年以上かけて積み上げて来た信用は一瞬でなくなった。

そして、やっと得た安住の地だと思っていた場所は最悪の場所となった。

…本当、引越しなんてしなきゃ良かった。

ずっと成城に住みたいなんて夢みたいなこと言っていたけど、もっともっと頑張って成城に住めば良かった。

成城って桜並木も素晴らしいけれど、学園前の銀杏並木も本当に素敵。

そして住民の皆さんも本当に温かくて良い方達ばかり。仕事でお世話になっている成城学園も大好き。

日本屈指の高級住宅街でありながら下町風情の優しさがあって、他人なのにどうしてこんなに良くして下さるのだろう、という方ばかり…。

こんな私の今の状況をどうにかしてくれようと定期的に会いに来てくれて動いてくれるのは親族でも友でもなく、お客さんや仕事関連で知り合った方ばかりで、どうしてこんなによくしてくれるのだろう、と日々思い絶望的な気持ちを和らげてくれる…感謝の気持ちでいっぱい。

そんな方々のお気持ちに添えなきゃと思うけど、でもやっぱりどれだけ頑張っても力不足なんだよな。

…見納めになるかな、銀杏並木。

#ティンラ成城#成城#成城学園前#成城学園
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする