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中国のアフリカ援助、4つの誤解、チョット数字の年度が旧すぎるが?

2014年05月26日 10時22分54秒 | thinklive

中国のアフリカ援助をめぐる4つの誤解****
デボラ・ブローティガム  アメリカン大学国際関係学部教授

中国政府によるアフリカ援助について、四つの誤解が広まっている。   
(1)中国は、最近になって援助を始めた「新顔」だ。   
(2)中国のODAは額がきわめて大きい。   
(3)中国は援助事業に従事する労働者のほとんどを自国から送り込んでいる。   
(4)中国の援助は専ら資源獲得のためだ。

──結論からいえば、これらはすべて根拠が無く、誤りか、過大評価だ。順番に説明していこう。

(1)中国は50年以上前からアフリカに援助している。1960年代後半に建設が決まったタンザニアとザンビア間を結ぶタンザン鉄道建設への援助が代表例だ。

中国は近年、援助額を伸ばしてはいる。だが、主な先進国と比べるとまだ少ない。
2007年のアフリカへのODAの金額は米国76億ドル、仏49億ドル、英28億ドル、日本27億ドル、独25億ドル。これに対し中国は14億ドルだ。

本当に巨額なのは貿易と投資の額だ。中国からアフリカへの輸出高は2002年の50億ドルから2008年の500億ドルに10倍増。多くが輸出信用で手当てされている。
 アフリカ大陸全体でみれば、援助事業従事者のうち中国人は2割だけで、残り8割は現地のアフリカ人だ。ただ、進出先ごとに事情が異なる。アンゴラでは中国人45%でアンゴラ人55%。タンザニアでは中国人10%、タンザニア人90%。

背景には、アンゴラ進出は比較的最近で現地の人材がまだ育っていないが、古くからの進出先のタンザニアでは育っているといった事情がある。
中国は資源のないモーリシャスやマリなどを含め、あちこちに援助している。対台湾戦略など、政治的・外交的な狙いがあるからだ。
アフリカでは4カ国だけが台湾当局を、その他は北京政府を国家承認している。中国の援助は外交目的を達成する上で機能してきており、中国企業の資源獲得と深い関連はない。
もちろん、中国はアフリカの豊富な資源の獲得も目指している。だが、そこで使われる手法は公的機関による無償援助ではなく、経済的な得失を考えた投融資の性格が強い。
例えば、中国はアフリカの天然資源を担保に自国製機材を輸出し、その代金を資源で受ける。これは1970年代に日本が中国に対して採ってきた手法だ。
当時の中国では日本の融資を受けるかを巡り大変な議論になったが、自国の発展のための取引と判断して受け入れた。これに似た取引を、中国がいまアフリカに示しているわけだ。
「政治的支配」目指さず

中国のアフリカ進出にはもう一つ狙いがある。
それは、中国企業のグローバリゼーションの後押しだ。中国企業の輸出先を広げ、現地でのブランドイメージの確立を図ろうとしている。

例えば、自動車会社「中国第一汽車集団公司(FAW)」は、今や多くの車をアフリカに輸出し、知名度も上がってきた。

中国製品は(他国の製品ほど)高性能ではないが、価格が手頃なのでアフリカで競争力がある。しかし、中国企業の多くは国外でのビジネス経験が乏しいため、海外投資を促すには政府による支援がいると見ているのだ。

こうした中国のアフリカ進出について、欧米には「ネオ・コロニアリズム(新植民地主義)」との批判があるが、私はその議論にはくみしない。

まず、新植民地主義という概念は政治的な支配関係を指すものだが、中国は、アフリカ諸国を政治的に支配するために経済力を使ってはいない。

新植民地主義には、経済的にも自立できずに、資金面などで旧宗主国への依存が続くといった意味合いもある。製造業が発展せず、天然資源頼みから抜け出せないような状態だ。しかし中国は、アフリカでの製造業や、セメント、建築資材などのインフラ業界への投資に関心を持っている。ネオ・コロニアリズムと呼ぶのは単純すぎる。

実際、アフリカ各国の政府レベルでは、中国の進出について良いイメージが持たれてきたといえるだろう。中国が新たな選択肢になっているからだ。
アフリカ側は、西欧諸国からの(人権尊重といった)条件付き援助を好まず、もう少し尊敬の念をもって接して欲しいと願っている。
アフリカの普通の消費者も、中国からの輸入でより安い商品が増えたことを歓迎している。

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