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23367、武雄市,TSUTAYA、コラボ図書館、図書館経営では空前の成功事例となる!

2013年11月19日 14時19分02秒 | thinklive

*カルチュアコンビニクラブ株価 598円前日引け値、

*代官山のTsutayaの開店は明日の書店複合と言う面でさまざまな話題を提供、首都圏から広範な集客を可能とし、代官山と言う立地に新しい、カルチュアイメージを作り出している。この書店環境を見た武雄市が,同市の図書館の再生を願って,TSUTAYAに武雄図書館の建設(再建?)と運営を委託した、ボクはトテモ武雄まででは行けないが、このハナシはボクのブログにも紹介した関係で、ソノ後の経過を検索したところ、懇切丁寧な運営の実態が紹介されていた、上山氏がどういう方か存知揚げないが、専門家の見識を窺わせる論述である、

年間,1.1億円の委託料は,市の経営時代に比較、1億円の経費削減となった、来館者は恐らく2倍をこえる動員となっている感じである、来館者の多様化も大きな成果の1つであろうし、また,TSUTAYAもソノイメージの大きな広がりのほかに実質的に10%程度の利益も挙げることが出来ているはず、

*徳山市が武雄の成果をみて、新駅ビルの構築、運営のコラボを申し出ているが、今後、依頼者が列を作ることになるであろう、

*上山信一@"見えないもの"を見よう、

●CCCと共同で投資

 これは、武雄市立図書館とCCCの共同事業である。図書館は、リニューアルを機に事務スペースを転用してCCCに貸し出した。 CCCは図書館の建物内にレンタルDVD店、書店、カフェ(スターバックス)を開設した。CCCは賃料を年間600万円払うほか、図書館部分の指定管理者となった(5年間受託)。リニューアルに際しては、市は4.5億円を、CCCは約3億円(商品仕入れ代金を含む)を投資した。図書館のスタッフは市の職員が3人、CCCが16人(館長1名、司書15人)である。

● 官民提携の成果

  成果は顕著だ。開架図書数が10万冊から20万冊に増えた。新刊書はCCCの店頭にもそろえられる。公共図書館はどこでも予算の制約から雑誌の品揃えに苦労しているが、ここではCCCの店頭にある雑誌が自由に読める。もちろん欲しくなったら買って帰れる。開館時間は4時間も伸びて午前9時から午後9時までとなった。閉館日がなくなり、年中無休となった。雰囲気のよさは前回報告したとおりだが、すぐ横にあるカフェのインパクトは大きい。楽しい、人と会い、語れるという雰囲気をかもし出し、若者や子連れの母親達が集まるようになった。
 
 結果的に20年度から漸減していた入館者数は今年のリニューアルオープン後、激増している。財政面では市はCCCに年間1.1億円の委託料を払うが、これは従来よりも年間1億円のコスト削減となる見込みだ。

● イノベーションの本質

表面的な効果は以上のとおりだが、本件は官民連携の先駆事例の意義を秘めている。
  第1に社会教育施設としての本来の使命を果たしている点である。本離れ、特に若者のそれはどこでも大きな問題だ。それは図書館にとっても課題だし、書店にとっては死活問題だ。本件はそれに対して図書館と書店、書店とカフェ、さらに書店とレンタルDVDやCD(音楽と映像)を組み合わせることで対処した。全てを同じ場所にまとめ、多様な選択肢を用意する。そのことで市民の興味と関心を喚起し、集客に成功した。特に若い母親と子供達、中高生に訴求した点はすごい。社会教育施設としての図書館の使命がろくに果たせなくなっている公立館が多い中、ここまで踏み込んだ意義はきわめて大きい。

 第2に利便性の飛躍的な向上である。もとは普通の図書館だった。多くの公立館と同様に、書籍数は限られ、来訪者も限られ、開館時間も短い。それでいて運営費はかさんでいた。また広い面積を事務スペースが占めていた。リニューアルでは、スペースを顧客のために最大活用することにした。顧客ニーズを真剣に突き詰めた結果、カフェの併設やレンタルDVD店と書店の併設という“ワンストップサービス”化のアイディアに至った。顧客志向の発想は開架の本の並べ方を従来の10進法の図書館分類(哲学などが入り口に来る)から利用者の利便性を考えた順番に配列する工夫にもつながった(料理、医療、旅が入り口近所に来るなど)。

 第3 に生産性の改善と財政効果である。営利事業との並存は、スペースの生産性向上だけでなく、来館者数の拡大、賃料収入をもたらした。また、指定管理者は市役所からの収入だけでなく営利収入も使ってサービスの充実が図れる。年中無休という偉業はその典型だ。店も併設しているから普通の指定管理だとありえない数のスタッフの確保につながった。それがひいては借りた本の宅配返却などのサービス向上にもつながった。

 第4に武雄市を有名にした。文化と教育を重視し、改革に挑んでいるという姿勢が全国に伝わり、市の知名度とイメージ向上に寄与した。

 ●全国へのインパクト
  今の時代、インターネットの普及で図書館はもちろん、紙の書籍の存在意義すら問われている。記録や保存が使命の国立国会や都道府県立の図書館は別として、市民が気軽に利用するふつうの公立図書館は存在意義を問われかねない状態である。

 今や誰でもネットで簡単に情報が手に入る。稀少書もネット書店で買え、あるいは全国どこの図書館からでも借りられる時代になりつつある。
 
  そして司書のレファレンス機能もグーグルなどの検索エンジンに取って代わられつつある。そういう時代であるにも関わらず、多くの公立図書館は図書整理日と称して年に何日も休館し、夕方に早々と閉める。

武雄の成功例はこのような全国の公立図書館に黒船的ショックを与えている。
 
  だが武雄市立図書館は、図書館法や司書制度をたてに「図書館を守れ」と主張する業界関係者や御用学者から「いかがなものか」という批判を受ける。しかし批判の多くは「公立の使命が果たして民間企業に果たせるか」といった抽象論が多い。公立としてまともに使命を果たそうと真剣に考えた末に出てくるアイディアがCCCとの連携だったわけでである。民間の力を借りたら図書館の使命が損なわれるという識者の批判はあたらない。

 武雄市の事例に刺激を受けて全国の公立図書館の見直しが始まることを願う。

(注)但し、公共施設のあり方は常に“サイトスペシフィック”であるべきだ。武雄の場合は、たまたま便利な立地の状態のよい建物だった。そこでリニューアルを機にCCCとの協業が成り立った。カフェは明るいいい場所に設置できたし、レンタルDVDショップを置く場所もあった。だが、どこでも同じことができるわけではない。地域によって客層やニーズも違う。民間との協業は多くの場合、サービス改善、コストダウンにつながる。だがうまく設計しないと従来の公立直営よりも悪くなる。見直しは“サイトスペシフィック”に考えていただきたい。
カテゴリー[ 行政改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2013年 08月 22日 02:37:09


 


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