中国、グリーンランド自治政府との接触深める
北極海、北西航路、北東航路
北極海を通りヨーロッパとアジアを結ぶ最短航路(大圏航路)のうちの一つで、ヨーロッパから北西に向かい北アメリカ大陸の北を回って大西洋と太平洋を結ぶ「北西航路」と対をなす。20世紀初頭以前のヨーロッパでは、ヨーロッパから北東方向へ向かいアジアに至るために北東航路(Northeast Passage)と呼ばれていた。現代のロシアにおける呼称は「北方航路」であり、「Северный морской путь」の各単語の頭を採って「セヴモルプーチ」(Севморпуть;Sevmorput)と略される。
この航路の大部分は北極海で、前世紀まで航路として開通したことはなかったが、近年の地球温暖化による影響か、年間で夏期の2ヶ月のみだが航路として開通するようになった。残りの期間は海氷や流氷などに覆われ航行不能となる。全地球的な気候変動により北極圏が温暖化し、北極海の海氷の範囲が縮小し氷結する期間も減っているため、航行可能な期間が長くなりつつある。
風の囁き*日経報道のコピーに近い?
★【北極海のロシア沿岸を通る「北東航路」の開通だ。
欧州からアジアへの輸送距離を最大40%短縮できるほか、海賊被害で保険料が10倍に跳ね上がったソマリア沖の航行を回避できる利点がある。】
↑「北東航路」の開通は 海運業にどのような影響となるのだろうか。輸送距離を最大40%短縮も出来るなら、長期的にかなりの影響となるだろう。 海運株が異常に売られている原因の一つかもしれない・・・地球温暖化の影響は複雑だ。
*CO2を温暖化の原因とする学説よりも、地球環境の、中、長期的変動温暖化、寒冷化循環学説の方が事実に即しているのでは?
●中国、北極圏で足場固め、グリーンランドに接近、資源・航路開拓狙う。
中国が北極圏開発への本格的な参入に向け、足場固めに動き出した。6~8日にはグリーンランド自治政府の閣僚級要人が中国を公式訪問し、グリーンランド北部での中国企業による資源採鉱について協議。
中国は先月、2015年までに北極探査隊を3度派遣することも発表、開発への関与の意思を鮮明にした。予想以上に進む海氷の縮小で、資源採掘や航路開通が現実味を帯びたことが背景だ。
世界最大の島であるグリーンランドを領有するデンマークは米国、ロシア、カナダ、ノルウェーと並び北極海に面する5カ国の一角。09年にグリーンランドの自治権が拡大し、天然資源の開発についてデンマークの許可なく外国と交渉できるようになって以来、自治政府閣僚が中国を訪れるのは初めて。
グリーンランド自治政府のバーセルセン産業・天然資源相は汪民・国土資源次官や企業関係者と相次ぎ会談。原油、鉄鉱石、レアアースなどの入札実施予定を説明し、中国企業の参加可能性について協議した。
米地質調査所(USGS)によるとグリーンランド北東部沖の原油・天然ガス埋蔵量は314億バレル相当と推定され、油田地帯としては世界19位。同油田の採掘を巡っては石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、出光興産、住友商事などで構成する日本の官民グループが来年の入札に参加する予定。
「北極は地球上のほかの地域の2倍の速さで温暖化が進んでいる」。デンマークのピーターセン駐中大使は北極開発への関心が急速に高まる背景をこう語る。
中国国家海洋局・極地観測弁公室の曲探宙主任は先月25日、今後4年間に北極探査隊を3回派遣し「北極海域の環境の総合的な観測を段階的に進める」と表明。1995年以降で4回にとどまる北極探査隊の派遣ペースを格段に速める。
中国が資源開発と並び注視するのが北極海のロシア沿岸を通る「北東航路」の開通だ。欧州からアジアへの輸送距離を最大40%短縮できるほか、海賊被害で保険料が10倍に跳ね上がったソマリア沖の航行を回避できる利点がある。
中国は北東航路の将来のハブ港になると見越して、アイスランドに各国の中でも最大級の大使館を開設した。9月には中国の不動産会社が300平方キロの土地を購入する計画が浮上。「リゾート開発用」としているものの、経営者が元共産党幹部ということもあり北極近くに拠点を設ける中国政府の意向ではないかとの見方が広がった
自治政府首相 | クーピク・クライスト |
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面積総計 | 2,166,086km²(13位) |
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人口、総計(2009年) | 56,385人(208位) |
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人口密度 | 0.026人/km² |
デンマークが欧州連合(EU)の前身である欧州共同体(EC)に加盟した際、グリーンランドもその一部として加盟した。しかしその後、グリーンランド自治政府は高度な自治権を獲得し、1985年にECを離脱した。
グリーンランドの住民は、EUに加盟するデンマーク本国の国籍、市民権を持つため、グリーンランド自体はEUに属さないながらも、EUの市民権を自動的に持つことになる。ただし、EUでの選挙権(欧州議会等の選挙権)はグリーンランド全体が選挙区外となっており、行使できない。