日記

Radioheadが例の独自のアルバム配信を始めて、少なくとも海外アーティストの一部では、中間搾取を排除して純粋に利益を得ようとする運動が広まっているみたい。
今度はNINのトレントレズナーが、自分がプロデュースしたアルバムのネット配信をする。Radioheadの時は値段は「お任せ」だったわけだけど、今回は五ドルか無料かの二択。かなり少なく見積もって十万ダウンロードあったとして、そのうちの、まあ二割がお金を払ったと仮定して、十万ドル。ということは一千万円以上の利益が単純に製作者の下に入るわけだ。当然制作に関わった人たちやインフラに掛かる費用もあるから、丸々もらえるわけではないけれど。それでも、レコードを作って売り出すよりは入りがいい。
更に今回Radioheadと違うところは、専用サイトでのDLがとっても簡単だったこと。自分は無料のほうを選んだんだけど、二択になってる値段を選んで、メールアドレスを入力したらそれで終わり。レディヘのはちょっと面倒だったので、P2Pでの流出もかなりの数あるみたいだけれど、こういった形である程度防げるんだと思う。
それによって得られる利益だけが重要なのではなくて、聴く人が単純に増えることも重要だ。大物アーティストになると、年間の収入のヘタをすると八割がライブのギャラになる。いくらP2Pが広がっても、ライブだけはどうしようもない。映像を配信しても、その場の熱気までは伝えられないのは、ライブに参加したことのある人なら誰でも知っていることだ。だから、聴く人が増えたという事実は、例えそれが無料での入手だったとしても、ここで利益に結びつく。イギリスのバンドだったか、アルバムは完全に無料配信にして、ライブの収益で活動していくというスタイルをとった人たちもいたはず。
ただ、そうなると、新人バンドには厳しいものがある。レコード会社を離れても食べていけるだけの蓄えがある人はいいけれど、会社からの月々の援助がないとやっていけない人も多いはずで、だからこの方法は全てがいいというものでもないし、体制が完全に変わるってことも無いだろう。広告戦略は今まで以上に重要になる。店頭にCDが置かれない以上、どこかしらで存在を知ってもらわなけりゃいけない。
とにかく、音楽業界は色んな方向を模索している。いいことだなあ、特に国内盤なんていう高値の商品を時に買わされる事になる身にとっては。

じゃあ国内アニメ業界はどうかっていうと、こっちは形を変えられるかどうかっていうところで、非常に厳しいなあと思う。無料配信をどうやっていくかってのが当面の問題なんだろうけど、音楽のそれと違って、制作側だけのスタンドプレーをやるってのは難しいだろう。一話一話の容量がでかいから配信するのにかなりの費用が掛かるだろうし、ページなり動画内に広告をつければいいじゃないという話になるけど、多分それじゃまかないきれない。Gyaoだって基本は昔のアニメばっかりだし。こないだバンブーブレードの内部資料が流出してたけど、一話作るのに一千万。それでも相当に安いほうなんだとか。それを無料配信のどこで賄えるのかがさっぱりわからないし。いい作品ならDVDが売れるとか言われるけど、プラネテスってあんまり売れてないんだよ。いいもの作ったって評価されたって売れないものは売れない。売れるものだけが残ったら酷いことになるだろうし。最初に書いた音楽の話からいくと、DVDはライブに相当するんだろうけど、実際のところ放送時とほとんど変わらないから、ライブほどの価値は無い。特典映像だってそこまでお金出して見たいものじゃないし。無料配信するなら、テレビ並みに大手の広告を簡単に集められるくらい規模のでかい会社が基盤となるサイトを立ち上げないと、制作費を集めるのは無理だと思うんだけど、それだけ大きい企業で映像に関わってるのなら、間違いなくテレビ局しか無いだろうし、じゃあ既存の利益を脅かす存在を作るのに積極的になるかといったら、ならないんだろう。テレビ放映時のCMと同程度の付加価値を、ネットでの広告に見出せてもらえるか。そこが解決してやっとの話だろうなあ。個人的にはテレビ局じゃなくてどっかの金の余ってるテレビと関係ない大企業がやってくれるといい。もしくはテレビ局と他の企業で制作費を折半とか。
適当に考えてこれくらいの障害があるんだから、ここでクダ巻いてる人たちはもうちょっと考えろよと思う。新しいシステムを作れないほうが悪いって論調は人任せすぎるよ。
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