マンション建設反対運動をする方々へ - 失敗の経験をお話します

マンション建設反対運動をする方々へ、私の体験した失敗談をご披露いたします。

4. 朝日の記事 必ずして欲しいこと 工事協定1

2012-01-03 15:13:05 | 日記
以下私が気がついたことを思いつくままに書きます。

声上げる住民
2010年1月20日付朝日新聞朝刊に「建築紛争 声上げる住民」という記事が
掲載されています。この中で「景観と住環境を考える全国ネットワーク(景
住ネット、事務局・東京)」が設立された、とあります。景住ネットでは、
その活動の一つに「建築紛争の経験の蓄積・交流・支援・助言活動」をあげて
います。お役に立つのではないかと思いここに記しておきます。インターネット上
「景住ネット」で検索できます。住所 東京都新宿区神楽坂3-2-5 SHKビル4F
電話(03)5228-0499 FAX (03) 5228-0392

この記事の中に「居住環境が犯されたとする建築紛争では、建築基準法や
都市計画法などの法律に明らかに違反している例はむしろ少ない。だから
業者側は『違法でないので問題ない』という主張を繰り返す。そのため、
業者を訴えても住民側の敗訴となることが多く、小額の個別補償などで和解
しているのが実情だ。住民対策のノウハウがある業者と、初めて問題に直面
する住民とでは、情報量や交渉力にそもそもの差もある。、、、」という記述が
あります。
「法令違反を争うのは難しい。住民対策のノウハウがある業者と、、、住民と
では、、、交渉力に差がある」という指摘には全く同感です。

私は何を、どう交渉したか
私たちの場合、会運営の知識、経験不足、団結に欠けたこと、政治家の妨害行為
等により会活動はほぼ壊滅、業者側が言うなりの工事協定を受け入れ、事実上
会活動は終了しました。
私は単独で、市建築紛争相談係の仲裁の元、業者と交渉し、騒音、粉塵、コンクリート
外壁による照り返しという限定的な問題について、不本意ながら、小額の補償金
で妥結しました。
単独で業者に要望を出し、受け入れられないため、市に仲裁を求め、この部分的
な終結に至るまでには、業者側都合による工事中断期間約1年を含め、ほぼ2年
かかりました。交渉には気力、体力、忍耐力が必要です。

先述朝日の記事にあるように、業者側に違法行為があるということは少ない
でしょう。実際に違法行為があっても、それがどういう点で違法であるのか素人
である私たちには分からないのではないでしょうか。
建設に当たっての業者側の言い分は、自分の土地に建てるのだから文句はない
だろう、というものです。
それに対する私の主張は、合法であろうと住民に迷惑はかかる。その迷惑を
なくせ、というものです。
騒音、粉塵、照り返し等は業者敷地外に及びます。
敷地に近い8世帯、31名の年齢構成を調べたら、87歳から96歳までの方が5名、
60から86歳までの方が6名いることが分かりました。60歳以上の方が就業をせ
ず、終日在宅すると仮定し、これに、タクシー運転手をしているので日中寝ている
という59歳の男性1名を加えると、8世帯中実に12名が日中、パワーシャベル、電動鋸、
生コン注入、金属を投げ出す音、その他、工事から発生する騒音に悩まされること
になります。
調査家庭に乳幼児はいませんでした。居たとすれば、それら子供たちも騒音
被害を受け、お母さんの悩みの種が増えます。病人、受験生の存在も考える必要
があります。
また、音量が大きくなくとも、長時間聞かされると苦痛です。建築主は規制内
だから問題ない、と主張するでしょう。しかし、ひるまず、交渉しましょう。
規制値は最大値で、それ以下にしろ、と要求するのは差し支えありません。
規制値より低い数値で妥結してはダメ、と行政は言いません。
トラック輸送や整地作業、その他による粉塵被害は在宅の有無に関係なく発生し
ます。我が家ではトイレの陶器製手洗いに埃がたまっていることに気がつきました。
窓の隙間から入ったものと思います。わずかですが、しつこい汚れで、落とす
のに時間がかかりました。汚れがひどければ、洗濯物や屋外にあるさまざまな
ものも汚れが目立ったでしょう。
照り返しは、地崩れ防止のために作られた最高8m近い白いコンクリート壁によるもの
です。二階にあるパソコン作業用の部屋は、照り返しにより、夏は暑くて作業
できません。その点を訴えました。市の建築紛争相談担当者は、照り返しに対す
る苦情など聞いたことがない、と繰り返し述べ、それを問題として取り上げる
ことに否定的でした。しかし、私は主張し続けました。日照権、景観権などと
いう権利も、以前は全く問題にされず、ごく最近認められたものです。
誰かが問題にしなければ、権利の確立には至らないのです。

小額とはいえ補償金を得たことで、建築主は住民に補償する為の予算を持って
いることが分かりました。住民が大勢で声を揃えて建築主と交渉すれば、より
よい条件、例えば、騒音に対しては住民の家屋に防音対策を施す、粉塵には
発生源に防護幕を建てさせる、照り返しには、被害を受ける家庭にエアコン
設置をさせる、等という要求も可能です。そんな金のかかる要求に建築主は
応じないだろうと考え、遠慮する必要はありません。それは建築主が考えること
です。要求が過大で応じられないと建築主が考えれば、建設計画そのものを
見直すかもしれません。それこそ住民の望むところでしょう。

少しでも要求を建築主に認めさせるには住民(=会員)の一致団結が必要です。
具体的にどうすべきか。私の考えを述べます。

必ずして欲しいこと
会員(=住民)の方々に必ずして欲しいことがあります。それは集会で発言が
できないなら、せめて賛成か反対かの意思表示をして欲しいということです。
それも必ず集会の場でして欲しいのです。"賛成"あるいは”反対”という一言
でよいのです。
集会の前や後で私の考えに賛成です、と言ってくる人がいました。支持して
いただけるのは嬉しい。しかし、集会外で言って頂いても力にならないのです。

私たちの会の場合、発言する人は主として政治家S、会計担当H、高校教師F、
私の4人だけでした。

政治家Sは、別項で書いたように、明らかに誰かの利益を代弁し、会員の発言、
提案にことごとく反対しました。
私は会員、住民の利益を第一に考え発言しました。当然Sと私は対立しました。  

私は発言だけでなく、文書で、提案、意見を述べ、関係当局へ出かけ、或いは
インターネットで調査をする、又個人的に会合を主催し、活動方針の論議、経過の周知
等に努めました。会の中の誰よりも会の活動に寄与したと自負しています。

会計担当Hは、Sを除き、最悪の人物でした。住民の総意を無視し、独断で建築主
と工事協定を取り決めてしまったのです。
彼は会計を担当したことからSに三役の一員だと持ち上げられ、舞い上がって
しまい、機会あるごとに、俺は三役である、と話していたと聞きます。しばしば
酔っ払って電話をして来、訳の分からぬ長話を聞かされ、つくづく閉口した、と
会長は私にこぼしていました。
集会での発言も多くの場合Sを支持するものでした。大声で威圧的な声を張り上
げ、他の人の発言に割り込み、自論を主張します。だがその発言は、無軌道に
論題からそれてゆき、何を言いたいのか分かりません。
個人的に話し合ったことがありますが、それでも彼が何を言いたいのか私には
理解できませんでした。集会の終了後気にくわない発言をした人に1対1の話しを
しよう、と強要している場に立ち会ったこともあります。

Fは現役の高校教師で、もっともまともな発言をする人でした。ただ、抽象的な
発言が多く、説得力がないように感じました。例えば「マンション建設は違法で
ある」と発言をしたことがありますが、どういう法律のどういう条項にどの点が
違反するから違法なのだ、という説明がないのです。住民はただ「あっ、そう
ですか」という感じで聞いているだけで、議論に発展しません。
加えて遠慮するところがあるのでしょうか、Sに異論を唱えることは全くありま
せんでした。

集会は、多くの場合、S、私、H三者の発言に終始しました。
Sが建設をさせようとする発言をする。私がそれに異論、反論をする。この場合
賛否は1対1です。時にはHがSを支持する。すると2対1で建設賛成多数となる。
しかし、住民の圧倒的多数は当初から建設反対でした。その内の一人か二人でも
声に出して建設反対の意思表示をしてくれたら、他の住民もなだれを打つように
反対に固まったはずなのに、何故私の意見に”賛成”と一言言っていただけない
のか、と本当に口惜しい思いをしました。

この項の冒頭で、集会で発言できないなら、せめて賛成か反対の意思表示をして
くれ、と述べたのは以上述べたようなことがあったからです。話下手で意見を
言えないなら、”賛成”、”反対”の一言でもよいのです。是非言って下さい。

付け加えますと、議論が一定の人だけの間で行われるなら、議長は他の人の意見
を求めて欲しいのです。その際「今これこれの事案についてこういう意見が
交わされていますが、あなたはそれにつき賛成ですか、反対ですか」というよう
に議論の概略を取りまとめて説明し、賛成か反対の一言だけ言えば済むような
意見の求め方をする工夫も大事です。そして賛成、反対の意見をできるだけ出し
てもらったうえで、必ず採決をすることが不可欠です。結論のない会議はやるだ
け無駄で、無意味です。住民は参加してくれなくなります。

工事協定
工事協定は住民多数の賛同を得た案をもって建築主と協議し、締結するもので
す。当然私たちの会もそうするものと私は思っていました。
ところがある日突然世話人会は建築主との協議の場で建築主の考える工事協定案
を全て受け入れてしまったのです。私はその場に出席しなかったので、このこと
を出席した人から聞き、ビックリしました。
主導したのは会計担当のHでした。どういう経緯でその協議の場で工事協定を結
ぶ話になったのか分かりませんが、Hは建築主側に彼らの案を持って来い、と
わざわざ彼らの事務所までとりに行かせ、一条ごとにこれでよい、これでよい、
と言い、独断で建築主案全てにOKを出したということです。
さすがに見かねた副会長がせめて一項目ぐらいは私たちの言い分を建築主に認め
させるべきだ、と言ったそうですが、それも会長の「しょうがないでしょう」と
いう否定の一言で終わりになったそうです。

これは、民主的という点から考えると、明らかにルール違反です。
工事協定を結ぶにはまず住民集会を開き、何を建築主に要求するのか、住民の
意見を求めなければなりません。要求がまとまったら、それを会の要求とし、
執行機関である世話人会が建築主と交渉する。建築主が要求を認めたらそれで
協定を結ぶ。認めなかったら、それを持ち帰り、どうすべきかを住民集会にはか
る。その結果を又建築主と交渉する。それを繰り返し、最終的に双方が納得した
ところで締結に至る、というのがごく当たり前のやり方です。
住民集会の意向を無視した一人の人間の考えで会の意思を決定するということは
絶対あってはならないことです。それは住民集会に参加した人たちの時間と努力
を無駄にすることです。

私は会計担当Hの独断に怒りを感じるとともに、その蛮勇に感心しました。
この人や会長は皆を無視し、独断でことを進めることが近所の人たちの信頼を
失うことになるのだということに気がついていないのです。マンション建設反対運動
に限らず、以後町内で何か運動をしようとするときに、この人たちの発言、行動
は信用できない、と住民は考え、耳を貸さなくなるのではないでしょうか。

私たちの会に工事協定書案を出したのは私だけでした。それは全部で24条、A4
用紙で7枚に及ぶものでした。この案はインターネット・サイト「マンション紛争 Q&A」にモデルと
して記載された工事協定書案をベースに、私たちの状況に合うよう、私が手を加え
たものです。是非同サイトをご覧になって、参考にされることをお勧めします。
世話人会では私の案を改悪、短縮したものを用意しました。しかし私の案だけで
なくこの改悪案すら住民集会で十分検討をしなかったのです。その結果会は何の
工事協定書案も持たない、というお粗末きわまる状態になったまま工事協定を
結んでしまったのです。

私は退会届を出しました。住民無視の工事協定に拘束されたくなかったからで
す。そして単独で建築主に交渉することにしました。建設が法令違反であるかど
うか分からないので、条件闘争になりました。その部分的結果については上で
述べたとおりです。

次項で会が締結した工事協定の内容と、何故その協定ではダメであると私が
考えた理由を述べます。












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