内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

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Policy Essayist

ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)

2011-11-18 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)
 ギリシャが財政、金融破綻状態に陥り、ユーロ経済全体への波及を懸念する欧州連合(EU)は、同国政府に対し、金融支援と債権の50%削減を中心とする救済策を提示すると共に、財政緊縮策を要請した。これに対しパパンドレウ・ギリシャ首相は、緊縮財政に反発を強める国民の抗議デモを背景として、野党、及び一部与党の不信任などの動きを見て、EU救済策について国民投票に付すことを提案した。
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避
 救済策で主導的な役割を担っている独、仏両国を中心とするユーロ・グループ首脳は、折角土壇場で救済策を纏めたにも拘わらず、ギリシャで国民投票に付されれば、緊縮財政への反発から救済策が否決される可能性があることから、パパンドレウ首相の説得に努めた。もし救済策が国民投票で否決されれば、金融救済策を受けられず、ギリシャの財政、金融が破綻し、通貨ユーロに対する国際的な信用を失い、ユーロ売りが一気に加速し、それが国際的に波及して国際的な金融危機を招くことが恐れられていた。財政赤字比率などでは、アイルランド、スペイン、ポルトガルなどが高率となっており、イタリアはこれら諸国より低いが、ギリシャが破綻すれば一気に波及する恐れがある。
 11月上旬にカンヌで主要経済国首脳会議(G-20)が開催されたこともあり、議場内外で独、仏などのEU諸国首脳のみならずオバマ米大統領など関係国首脳によるパパンドレウ首相説得やギリシャ要路への説得が精力的に行われ、同首相は国民投票は行わないことを表明すると共に、同国議会における同首相不信任案を僅差ではあるが否決(300議席中の153票)することに成功し、当面の危機を回避した。これでギリシャは、EUや国際通貨基金(IMF)より金融救済を受けられるが、ギリシャはいわば管理デフォルト(債務不履行)の状態になり、公務員給与の節減や財産税等による増税などによる緊縮財政、財政の建て直しの義務が課される。しかし同国における公務員を含む緊縮財政への反発は強く、その実効性が問われている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)

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