PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

日々雑感。テレビ出演の知識人について毎度思うこと。

2010-09-08 | 悩み

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この暑さの中、テレビに出演する価値が果たしてあるのか、と疑問に思う知識人がいつものようにいらっしゃいます。

「円高だから原材料が安く輸入されますので企業はそれを利用して…、海外企業を強い円でもってM&Aによって積極的に購入する姿勢をもって…」。

M&Aはともかく、「中小零細企業が泣いている…」という前提にもかかわらず、「円高だから原材料が安く輸入されますので企業はそれを利用して…」という、まったく〝現場を知らない出演者〟。

円高にもかかわらず、原料が下がらない〟ここが全ての根本原因。そして下がったとしても、原料、加工の〝カイとウリ〟でキャッシュギャップがあまりにも大きく乖離しているから中小零細企業は泣いているんですよ。そもそも、中小零細企業自身が直接外貨決済をして原材料を輸入なんてほとんどしません。それは日本の商社を経由しているのですよ。日本の商社だっていくら円高で従来よりも為替バリューが20パーセント出ているからといって20パーセント原料をそのまま安く卸すわけはないでしょうし、新聞紙上で上場企業の経常利益が恐ろしいほど出ているのは、この〝為替バリューを還元しない〟ことに起因しているんです。だから多くの中小零細企業は二重に苦しんでいるわけです。だから息切れして、倒産し、失業者が増え、治安が悪化しているのです。

私はいつも言っているとおり、役人は上場企業にアンケートをとるのではなく、わが国経済の基幹を担っている中小零細企業にこそ、それを実施し、有利なキャッシュフローの形成を急ぐ必要があるのです。雇用の創出は安定したキャッシュフロー経営の軌道に中小零細企業を乗せることにあるといえます。

最近、私は東京を離れて、鎌倉で愛犬と隠遁生活しています。


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