年を経ても「美しくありたい」と願うのは、世の常であろう。
ことに女性は。
女性の「見た目」の美しさは男性に評価されやすいかもしれない。
でも、つまるところ。
本当の美しさって「内面」じゃないのかなと。
アテクシは思いますよ。
「見た目」は第一印象として大事なのも、確か。
人は「見た目」で評価する、というのも事実。
でも、いくら「見た目」がきちんとしていても、よく見れば「内面がお粗末」というのは、個人的には『最も残念な人』じゃないかなと思うのだよね。
ストレッチ教室のメンバーで、アテクシより少し年上だけれども、いつも麗しいお洋服を纏っていて、キャリアウーマンの女性がいる。冬香さんと言う。冬香さんは「美人」というのではないが、齢を重ねても「女感」が感じられてセクシーな方だ。「現役」感がある。キャリアウーマンなので独身なのかと思いきや、お嬢さんがいるということで、ある意味意外な感じさえした。「主婦感」がない人なのだ。離婚しているかもしれない。深く聞いたことはないけれど。
その彼女が先日、電車の中の吊革広告で「働いて笑おう」というものがあったと教えてくれた。
80歳代のモデルさん、カルメン・デロリフィチェが出ている「テンプスタッフ」系の会社の広告ね。
確かに彼女は美しい。85歳でこの美しさたるや、と思う。
冬香さんは、この女性に憧れているという。
まぁね、分からんでもないよ。
うん。
ただね…。
冬香さん。
アテクシ、気づいていることがあるんだ。
この半年くらい、新しいストレッチ教室に通っている。
アテクシたちは一日の最後の夜のレッスンなので、レッスン後に教室のお掃除をせねばならないのだ。
モップをかけ、モップのゴミを掃除機で吸う。
レッスンに使ったヨガマットや椅子を、1階の倉庫まで運ばねばならない。
この半年、アテクシは見ていたのだけれどさ。
冬香さんは、決して「重いもの」を運んだり「面倒なこと」をしたりは、しないのだ。
自分たちのレッスンに使う「椅子」さえ、絶対に片付けない。いつも誰かにやってもらっている。言葉巧みに。
ヨガマットを階下へ運ぶくらいの片付けはするものの、椅子を階下に運んでいる姿は見たことがないし、レッスン前にも椅子を上階へ運ぶ姿も見たことがない。掃除機をかけている姿も見たことがない。
彼女曰く「家が遠い」らしい。
レッスン場からさらに1時間くらい電車に乗って帰らねばならないと言う。
だから、他のメンバーも気を遣って「冬香さんいいから。早く帰りな」的な。
でもね、アテクシはそれは違うと思うんだよね。
だってこの教室を選んだのは「個人の自由な選択」でしょう?
家が遠いのかもしれないけれど、それを承知で選んでいるわけだし。
レッスン料は皆同じだけ払っている。
ならば「後片付けだって平等にやるべきでは?」とアテクシは思うのよ。
小さなお子さんがいるとか、介護をしているとか。そういう事情ならばまだ考慮するけどね。
彼女はそうじゃないよな。
ご両親はすでに鬼門に入っているそうだし。
高給取りなんだろうと思うよ。
いいMax Maraや Mackintoshやらのお洋服をお召しになっているし、持っている鞄やアクセサリーだって、一見しただけで高級そうなものだ。
こういう人、いるんだよなって思う。
こういう人だから「社会的に成功している」のかもな、とも。
自分が損することは、一切したくないタイプの人だよね。
悪い人じゃないと思うよ、別に。
ただ、「損したくないんだな」って見ていて分かる。
お金持ちで、条件も比較的恵まれていると思われるのに、「お嬢様」みたいな扱いを常にされたいんだね、と。
別に嫌いじゃないですよ。
ただね。見てますよ、って思う。
バレていないって思っているのかもしれないけれど、ことに女性はそういう細かいところは「ちゃんと」見ていますよ?口には出さないだろうけれどね。
こういう人が、職場でどういう風に振る舞うかなんて、容易に予想がつくよね。
ソツがないだろう。
でも、部下の不始末を、自分で被ったりは決してしないよね、この人。
部下に不始末を被せて「切る」タイプでしょう(笑)。
見ているんですよ、人は。
あなたの知らないところで。
美人ではないけれど、女度は高くて、そこそこ愛らしい人だけれど。
あなたがお好きな「エレガンス」からほど遠いね、って思う。
そもそも「エレガンス」をやたらに求める人間って、「エレガンス」が欠落している人だよね…。
誰に認められなくても、陰で損な役回りを担っている人。
そんな人の方に、アテクシは真のエレガンスを感じるな。
人に評価されることではなく、自分自身の価値観のために動く人なのだと思うから。
「楽をしよう」と思ったら。
あなたはそこで「終わっている。」
決して本人には言いませんよ?
アテクシは底意地が悪いですから。