ボブ・ディラン18枚組解説 ~ ディスク13


 先週からVK石井の頑張りでがしがし進んでおります18枚組解説。せっかくなので勢いを削ぐことなく、立て続けに参りましょう。というわけでディスク13。

 ……と、その前に。ディスク12の補足です。「One Of Us Must Know (Sooner Or Later)(邦題:スーナー・オア・レイター)」については、ディスク12(2)が採用テイクで、続く4トラックがパート別のマスターとなっており。この形は先のディスク4における(14)~(17)「Like A Rolling Stone」と同様の形です。つまり、現時点ではまだアップされておりませんが、http://thecuttingedge.bobdylan.com/の“Jam Session”での4トラックを同時に再生、個々のヴォリュームを上げ下げすることで簡易リミックスして遊べるシステムでこの曲もカミング・スーン、と。ご期待ください&ご期待してます(最新ブラウザでないとダメかもなのでご注意を)。

*   *   *

『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション)
 SOLD OUT

[Disc 13](全4曲、計30トラック)
(1)~(6) Fourth Time Around
 (1)Take 11 (2/14/1966) Complete.
 (2)Takes 12-13 (2/14/1966) False starts.
 (3)Takes 14-16 (2/14/1966) False starts.
 (4)Takes 17-18 (2/14/1966) False starts.
 (5)Take 19 (2/14/1966) Breakdown.
 (6)Take 19 again (2/14/1966)[3]

(7)~(10) Visions Of Johanna
 (7)Take 1 (2/14/1966) False start.
 (8)Take 2 (2/14/1966) Breakdown.
 (9)Take 3 (2/14/1966) False start.
 (10)Take 4 (2/14/1966)[3]

(11)~(21) Leopard-Skin Pill-Box Hat
 (11)Takes 1-2 (2/14/1966) Rehearsal.
 (12)Take 3 (2/14/1966) Complete.
 (13)Takes 4-5 (2/14/1966) Rehearsal.
 (14)Take 6 (2/14/1966) Breakdown.
 (15)Take 6 again (2/14/1966) Rehearsal.
 (16)Take 8 (2/14/1966) Complete.
 (17)Take 9 (2/14/1966) Breakdown.
 (18)Take 10 (2/14/1966) False start.
 (19)Take 11 (2/14/1966) Breakdown.
 (20)Take 12 (2/14/1966) False start.
 (21)Take 13 (2/14/1966) Complete.
   ↑ 2/14/1966
------------------------------------------------
   ↓ 2/15/1966

(22)~(30) I’ll Keep It With Mine (instrumental)
 22*Take 1 (2/15/1966) Rehearsal.
 (23)Take 2 (2/15/1966) Rehearsal.
 (24)Take 3 (2/15/1966) Rehearsal.
 (25)Take 4 (2/15/1966) Rehearsal.
 (26)Take 5 (2/15/1966) Rehearsal.
 (27)Takes 6-7 (2/15/1966) Rehearsal.
 (28)Take 8 (2/15/1966) Rehearsal.
 (29)Take 8 again (2/15/1966) Complete.
 (30)Take 9 (2/15/1966) Complete.

既出曲・初出作品リスト
([1]- Released on Bringing It All Back Home, 1965.)
([2]- Released on Highway 61 Revisited, 1965.)
[3]- Released on Blonde On Blonde, 1966.
([4]- Released on Biograph, 1985.)
([5]- Released on The Bootleg Series, Vol. 1-3, 1991.)
([6]- Released on The Bootleg Series, Vol. 7, 2005.)

なお、18枚組と6枚組の収録楽曲、その重複についてはこちらをご参照ください。


 まず冒頭の(1)~(6)「Fourth Time Around」は、ディスク12からの続き。スタート失敗/中断を含めここには6テイク、うち2テイクが完奏。アレンジを変えることなく完成度を高めるためにテイクを重ねていったのでしょう、結局一度も形は変えず最後のものが採用に。
 続いて(7)~(10)「Visions Of Johanna」の総仕上げ。4テイク中唯一の完奏版が採用に。しかしくどいようですが、この曲は『バイオグラフ』収録の弾き語りヴァージョンがOKテイクを凌ぐ素晴らしさなので、未聴の方はぜひ。加えて本ディスク13のキモは次の曲のため、それ以外の曲はさらりと流させていただきます。

 そして(11)~(21)「Leopard-Skin Pill-Box Hat」ですよ。この曲はここまでに2回登場。1/25のディスク11では小手調べ~感触確かめながらな感じで、手探りに這うようなムード。そこで曲の勘所を掴んだのか、1/27のディスク12では基本は変わらないものの、肩で風切って通りを歩くようなストロング・スタイルに。それから2週間を置いたこの日2/14も最初の2テイク(11)(12)ではそれを踏襲、これはこれで実に結構。ここまでは『ブロンド・オン・ブロンド』に収録されたOKテイクとほぼ同じです。
 しかし次からアレンジをがらりと変えて、新ヴァージョンを試すのです。「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」風、ちょっと間抜けなベル&サイレン音と叫び声で始まる、実に騒々しく落ち着きのない演奏。で、これが実に良い! 特にイントロだけで中断させられる(13)(14)あたりの胡散臭さむんむんのざわざわ感がたまらんです! ……でもテイクを重ねる毎に少しずつ落ち着いてきて、不穏で猥雑な魅力が薄れて行ってしまうのが残念。結果、ディラン本人もお気に召さず、この曲はこの日も棚上げ&本アレンジはこれっきり。えーそうなのー?
 後の3/10にもう一度だけ前のスロー・ブギ・ヴァージョンで演奏し、結局はそれが採用に(ディスク17に収録)。ただ、18枚組をお聴きになれない方もご安心ください。6枚組デラックス・エディションにはOKテイクに近いスロー・ブギ・ヴァージョンとこのざわざわヴァージョンの2トラックが、また2枚組通常盤にはざわざわヴァージョンのみですが収録、ちなみに本盤(16)テイク8です。途中のブレイクの感じを変えたこれも良いけど、しかし辻口はやっぱり(15)テイク6やり直し版を採用すべきだったと思います、リハだったみたいだけど!

 以下、翌2/15に日を改めての(22)~(30)「I’ll Keep It With Mine (instrumental)」。本18枚組のディスク1(3)=同12(10)と同名ですが異曲です。エリック・フォン・シュミットに教えてもらったというこれらがあるので、ここでの曲名は最終的には変えるつもりだった作業中の仮曲名、ワーキング・タイトルだったのでは。これから歌詞を付けるつもりだったのか、はたまたインストのまま完成させるつもりだったのか、それは定かではありません。そこらへんのことはブックレットに書いてあるのかな?

*   *   *

 てな具合に、「Like A Rolling Stone」のディスク4、「One Of Us Must Know (Sooner Or Later)」の同12と並ぶ本18枚組のハイライト、ディスク13でした。でも正直、ディスク12をVK石井に書かれてしまったのは無念です。多少雑ながらもノリノリのリチャード・マニュエルのプレイはホント魅力的なんだもの! 「Like A Rolling Stone」全トラックが6枚組にも入っていることを加味すれば、ディスク12の収録曲はここでしか聴けない音源として、この18枚組最大の目玉といって差し支えないでしょう。でもそれに次ぐ目玉としての「Leopard-Skin Pill-Box Hat」ざわざわヴァージョン入りのこのディスク13が回ってきたからよしとしておきます。ではまた。
辻口稔之


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6CDs『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966』(ブートレッグ・シリーズ第12集)(デラックス・エディション)【完全生産限定盤】



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