夢幻遺跡

主にモンスター・コレクションTCGについて

【連載】アナログTCGの長所とカード専門店の今後(3)

2017年10月24日 | 日記
 こんばんは。ゲンゲツです。
今回は、『デジタルTCGの長所』の続きを書いていきます。
前回は競技や大会などと絡んだガチ勢っぽい(?)内容でしたが、今回は『始めやすさ』『ゲーム内容』についてです。


5.始めやすさ

 新しくTCGを始める際、アナログTCGでは大きく3つの種類があると思います。
(1)既にコミュニティ(学校のクラスやサークルなど)で流行っているタイトルを始める。
(2)自分がやりたいタイトルを布教し、コミュニティ内に対戦相手を作る。
(3)自分がやりたいタイトルで遊んでいる別のコミュニティに参加する。

遊戯王やデュエマが多く遊ばれているのは(1)に依る所が大きいと思います。
人気タイトルは既に人気であるが故に人気を集めるのです。

(2)の布教に関しては僕はモンコレを布教しましたし、逆に幻想鏡現詩とVISIONは布教される側でした。
仲間内での遊びになるため大会へ参加すると歯が立たないかもしれませんが、楽しい遊び方です。

上記3つの中で、最もハードルが高いのは(3)の別コミュニティへの参加ではないでしょうか。
周りで誰も遊んでいないタイトルを買い、通用するか分からないデッキを組み、大会に参加する…
(しかも細かいルールは理解できていない)

僕のモンコレ始めはこんな感じでした。
その後、「平野勢」なるコミュニティに馴染んでいけて幸せだった話は置いておいて。
デジタルTCGの話に戻ります。

デジタルTCGは、1人で新しくタイトルを始めるハードルを大きく下げます。
周りの友人がやっていなくても、大会が近所で開かれていなくても。
やりたいと思ったらインストールし、チュートリアルを受け、マッチングシステムによる初心者同士の対戦をする事ができるのです。

更に、複数のデッキを完全なものにしようとしなければ課金額を抑えられるため、
「マイナーTCG買ってショップまで来たけど今日も大会不成立。こんなのでモチベーションが続くのか…?」
といった自体を回避する事ができます。合わなければ課金する前にアンインストールすれば良いのですから。

もちろん、周りの友人と一緒に始めて、対戦をしたり、ランキングを競い合うといった楽しみ方もできます。

これらの事から、デジタルTCGはガチ競技として取り組める面と、気軽に始められる面の両方を持っていると言えます。


6.ゲーム内容

 さて、いよいよデジタルTCGのゲーム内容についてです。

私がプレイした事があるシャドバでは、特徴として「1戦の対戦時間が短い」、「カード表記がシンプル」などを挙げる事ができますが、
これはデジタルTCGに普遍的なものではありません。

前者の理由は「周回プレイによりプレイヤーを貼り付けさせたい」
後者の理由は「スマホやPC画面の大きさの内で、見やすく収める」
程度のものだと思います。

デジタルTCG特有のもの、それは
・新たなランダム処理
・効果付与(エンチャント、状態異常)が一目瞭然
・必殺技などの演出
が挙げられます。

「新たなランダム処理」の例としては《ファイアー・チェイン》のように「あるダメージをランダムに振り分ける」ものや、《ネフティス》のように「山札からフォロワー(モンスター)をランダムに選択して場へ出す」といったものが挙げられます。
これら(特にネフティス)をアナログTCGで再現するのは困難です。

アナログTCGのランダム要素(コインやダイスなど)をデジタルで再現する事は可能なので、上記のランダム要素に関してデジタルTCGはアナログTCGに対して一方的に優位にあると言えます。
私はアナログTCGでコイントスしたりダイスを振ったりする良さもあると考えているのですが、それは別の記事で述べます。

次は「効果付与の分かりやすさ」に関してです。

ポケモンカードゲームの「まひ」「ねむり」「こんらん」「どく」「やけど」「ダメージ」。
元々デジタルゲームであるポケモンバトルを再現したのですから当然とも言えますが、多過ぎると思いませんか?
「どく」「ねむり」「60ダメージ」が重なったりすると、ほとんどカードの効果を読むことができません。
横にマーカーを置いておけば良いとしても、ダメージカウンターはベンチでも残るので入れ替えるのが大変です。

他タイトルでも、どのモンスターに強化をエンチャントしたか、誘発はどのタイミングかなど、
アナログTCGではトラブルの原因となる要素を、デジタルTCGでは一目で分かるように示す事ができます。
パワー30のモンスターを+20強化したら、50と表記されるといった具合です。

最後に「必殺技などの演出」について。

池っち店長は「TCGはごっこ遊び」という話をよくなさいます。
確かに、アナログTCGにおいて私達は海馬ではなく、場のブルーアイズは滅びのバーストストリームを撃ってくれる訳ではありません。
アニメのシーンを再現したいと思ったならば、自身で宣言し、役になり切る必要があります。

しかし、デジタルTCGではキャラクターが動き、モンスターが吠え、実際にビームを撃ってくれるのです。
「役になり切りたい」という欲求は満たされないかもしれませんが、「再現シーンを見たい」という欲求は満たされます。

この2つの欲求の違いを上手に説明でき、かつ、それが「アナログTCGにしかないもの」ならば、とても素敵だなって思います。


今回はこの辺で。タイトル詐欺でデジタルTCGの長所ばかり書いてきましたが、
(これ以上思いつかなければ)次回からは、本題である『アナログTCGの長所』について書いていこうと思います。

堅苦しい長文をここまで読んでくださり、ありがとうございました。

【連載】アナログTCGの長所とカード専門店の今後(2)

2017年10月24日 | 日記
 どうもゲンゲツです。

前回の記事を多くの方に読んでいただけたようで、大変嬉しく思います。
また、フォロワー数も増えていて嬉しさ半分、戸惑い半分という感じです。
この連載以外、普段はほぼモンスター・コレクションTCGの事しか呟いてませんよ?(リンクで布教していくスタイル)

前座はこの辺にして。今回は『デジタルTCGの長所』をテーマに書いていきます。

※私のデジタルTCG経験はDMvaultとシャドウバースです。


1.膨大な作業からの解放

 デジタルTCGの特徴として、
・パックを剥く。
・整理してストレージに入れる。
・スリーブへ入れる。
などの単純作業からの解放が挙げられます。

もちろん、カードゲーマーの中にはこの作業中に幸せを感じる方もいるでしょう。
私も、新しいスリーブへ絵柄とコンセプトが合ったデッキを入れている時はちょっとワクワクします。

しかし、大半の場合、作業は作業でしかありません。
あるはずのカードが見つからずにストレージを漁ったり、
少ないカードをやりくりするために何度もスリーブを入れ替えたりするのは不必要なストレスです。

自動整理や検索機能を使って楽した分、デッキ構想などの知的作業に当てられるのはデジタルTCGの大きなメリットだと思います。


2.不正の余地が小さい

 アナログTCGの場合、不正行為をできる要素が多くあり、残念な事に時々行われている現状があります。
具体的には積み込み、マークド、過剰ドロー隠し、一方的なルール解釈の押し付けなどです。

しかし、デジタルTCGならばこれらをシステムの段階で(つまり"プレイヤーの善意"に頼らず)防止する事ができます。
端末を貸し出す事で、アプリ改造による不正も防げますし、勝敗結果を自己申告ではなく直接大会運営へ伝える事も可能です。

それでも「対戦前に相手を脅す」などの不正は防げませんが、アナログTCGに比べてはるかに不正行為をし辛いのは事実です。

この「不正に対する強さ」はデジタルTCGにおいて賞金制大会が多く開かれている理由の一つだと思います。
(そう言えばデジタルTCGはe-sportsに入りますが、アナログTCGは何に入るんですかね?)


3.少ないジャッジ人数で大会を開ける

 デジタルTCGで処理が自動化されている場合、ルール解釈のトラブルは基本的に発生しません。
なので、「大会の運営メンバー全員が詳細なルールを知っている」というのは必須要件ではありません。
どらかというと席誘導・時間割りによってスムーズに大会を運営する事、システムトラブルの対応などが重要になります。
これらの仕事は各対戦卓を巡回したり、貼り付いて行う仕事ではないため、運営人数を減らす事ができます。

少人数で大会を運営できるという事は開催へのハードルを低くするという事であり、
このような小規模大会をたくさん開かれる事で、よりタイトルの認知度が上がる、という事が考えられます。

※2項、3項について。これらの要素によって大規模・小規模ともにデジタルTCGの大会は開きやすいと言えます。
一方、非常に質の低い運営によってタイトル・プレイヤー全体の評判が下がった例もあります。
「開催するハードルが下がった≠質の低い運営をしても良い」です。ノットイコールです。


4.対戦時間の公平性

モンコレに関しては以前書いたのですが、多くのカードゲームは自分のターンに相手のプレイが入り、手番が入り乱れます。
なので、アナログTCGでは対局時計などを使った計時がし辛いです。
一方、デジタルTCGでは各プレイヤーが使用した時間がはっきりと示されます。

この「使用時間を公平に分配する」という要素はデジタルTCGの競技性を高めるのに一役買っている、と私は考えます。
「限られた時間」という資源を使って技術を競うのが競技であり、技術を持たない方がより多くの時間を使うというのは、
「競技としてTCGをする」上でおかしな話と私は思うのです。
(カジュアル対戦においては「相手が困惑し、悩む姿を眺める」というのも楽しみ方の1つですがw)


長くなりそうなので今回は大会・競技絡みの所で一区切り。

次回は『デジタルTCGの長所(始めやすさ、ゲーム内容)』について書こうと思います。

「大口叩いてた初回に比べてどんどんショボくなってる…」とならないよう、精進します。
皆さんもこの期に色々考え、表明していただけたらとても嬉しいです。