粋雅堂藏書目録 ―Biblia-Catalogus―

劇団粋雅堂・主宰、神田川雙陽の雑記積み置き場Blogです。

…、ハルシオン・デイズの終わりに。

2019-03-08 20:50:41 | 公演情報

<雑談:過ぎゆく季節はすべて置いてゆく(物理的に)>

こんばんは。14ヶ月ぶりの更新です。…うわぁ。
毎年恒例の年末年始の挨拶ができなかったことはおろか、
もしかすると過去最長に更新頻度が空いていしまったのかもしれないですね。

…いや、本当はいつもどおり12月31日に更新しようと思っていたのです。ほんとです。
毎回と同じく、前年末もコミケにスペースを頂いて『創作(少年)』で出展していましたし、
本来の予定からは少し違ったものになってしまいましたが、新譜も出しました。
その(事後)ご報告と遊びに来ていただいた方々への御礼とかしつつ、
新しい一年への希望とかなんとかを猛々しくも輝かしく叫ぼうと心に決めていたのです。
ところが…

Macが壊れました。(それも2台)

2014年の【M|C|L|D】公演以来メインマシンにしていたMacBookPro(mid2012)が、
コミケの新譜作成で酷使していしまったせいか年始から立ち上がらなくなり、
運良く起動できても3分で画面がブラックアウトするという地獄のような状態になってしまったのです。
そこに年明けからすっと続くバタバタ(※継続中)が追い討ちをかけて、
「あーblog書かなきゃなぁ。アレの告知しなきゃなぁ」と思い続けるままに1月も終わり、
いよいよMacがないと他の仕事にも差し支えるぞという場面で(だいぶ前から死んでいた)MacBookAirと一緒に、
大阪は心斎橋のアップルストアに持ち込んだのでした。

結果は、2台とも死亡確定。

正確には、「修理費用が状態のいい中古を買うより高い」というやつで、
事前に自分であれこれ診断していた結果と完全に同じジャッジだったので、
まぁ単に死亡宣告を受けに行っただけの時間となりました。

そんなこんなで愛用のマシンは今や剥き身のSSDとなり、
しかもメインのMacにこのblogのパスワードも入っていたりしたもので、
今日の今日までここの更新が叶わない状態だったのでした。

年明けからのバタバタは、大阪から東京へのバック・トゥ・引越(と、その理由や付随するアレコレ)によるものだったのですが、
その過程でMacだけじゃなく家のありとあらゆるものが壊れてゆきました。
単にいろんなものの耐用年数が過ぎて、たまたまタイミングが一致したというだけの話なんでしょうけど、
なんかこう…運命とか意志の力みたいなものを感じてしまうのは、
単に4年近く住んだ大阪を離れるということへの感傷からくるものなのかもしれません。
エモい。


<本題:ラスト・ダンスは未来のイヴと>

いま、この記事をデュッセルドルフに向かう機内で書いています。
…いや、こういう書き出しを言ってみたかっただけです。事実ではあるのですが。
昔からお世話になっている音楽家の渋谷慶一郎さんが、
まぁいろいろとお世話になっている大阪大学石黒研究室のアンドロイドを使った新作オペラ『Scary Beauty』を上演するので、
そのデュッセルドルフ公演にスタッフとして随行しているのです。
…しかもロボットの制御エンジニアとして。
舞台音響家じゃなくて。…なぜ…。

いろいろな当惑と思考停止を挟みつつ、すでに新国立劇場での新型アンドロイドお披露目会見&公演を終えて、
13日の本番に向けて機中のひととなったわけです。
役割はともかくとして、その無謀ぶりも脇に置いて、初めての海外ツアーであります。
演劇人たるもの、芝居の仕事で海外を飛び回って一人前、みたいなところも無きにしもあらずなので、
ようやく何かの実績を開放したような心地であります。

こういうの、普通は韓国とか中国とかの極東アジアから始まるものですし、
実際、笑の内閣の韓国公演なんかはそのチャンスではあったのですが、
その予想を大きく飛び越えていくあたりが自分の人生らしいなぁという気も致します。


(ここからやっと本題なのですが…)
そしてその公演を終えて3月半ばに帰国した後、劇団粋雅堂4年半ぶりの本公演の制作がスタートします。
すでにコミケでは出演者・スタッフ募集のチラシを配布していたりしていたのですが、
そのチラシの元データも壊れたMacからサルベージできていないまま、告知がすっかり遅れてしまいました。

記事トップに載せた画像がコミケで配布した告知&募集陽チラシなのですが、
ご覧のとおり、新作はここ4年間で制作したドラマCDや1ステージ限りの小規模公演と同じ世界観の、
その核心部分の物語を舞台演劇の形で上演します。

『サンダツの5DAYS』で描かれた事件と、その中心人物・萠葉リリ。
『ふぉーふーむでいじべるとぉーるず』で描かれた、新しい知性と人間の関係性。
そして(結局まだ頒布できていない)新譜『銀河鉄道敷設公社史』で描いた、「ヒトでない、ヒトのようなもの」ネイの旅立ちと別れの物語。

それらすべてで語られながら、けれど決して明確にされてこなかった、
人類が「ひとりぼっちじゃなくなる」新たな知性・ネイとの出会いと、
人類とネイがふたたび「ふたりぼっちになる」までの、出会いと別れの物語。
ヒトの作り出した、ヒトとは違う"異-知性"がもたらす、ほんの少し未来の出来事。

これまでは一緒にやりなれた仲間内で芝居を作ってきましたが、ここしばらくのいろいろな環境の変化と、
なにより劇団自体が年月によって変わってきたことについて深く考えた結果、
今回の新作ではこのblogで出演者やスタッフを募集し、全く新しい座組で予想もしない結果を探す旅に出ようと決めました。

(舞台上の)テクノロジーと、(俳優の)想像力が、現実をオーバーライドする短い旅へ。…キャラバンの仲間を広く募集します。
募集の詳細は以下。

==============公演・募集詳細==============
劇団粋雅堂『(タイトル未定)』

〔公演時期〕2019年6月中旬
〔会場〕未定(都内)
〔稽古場〕東京都杉並区内
〔募集内容〕俳優(男女)
      音響・照明オペレータ
      制作・制作アシスタント
      ロボティクスエンジニア
      モジュラーシンセ奏者
      その他(当日制作や)
〔応募先〕公演用応募フォーム
     または 劇団粋雅堂: suigadou@gmail.com
     あるいは直接、主催・神田川雙陽のTwitterまで
===================================

応募人数にもよりますが、メールやSNS面接のみでオーディション等は行わない予定です。
どのセクションも、経験不問・資格不問・肩書不問、「新しいことをしてみたい」という初期衝動だけがライセンスです。
どうかあなたの淡くきらめく感傷と、刹那にこみあげる情熱を、私の舞台の上に置かせてください。

そしてもちろん、上演の際に見に来ていただけるお客様も、随時募集しております。
舞台上で、客席で。あなたと新しい芝居が目撃できるのを、楽しみにしています。

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