PERMANENT BLUE

その時感じた思いを・・・

折鶴

2011-10-07 13:33:43 | 日記・エッセイ・コラム
何年か前、千羽鶴を折っていたときの事。

一緒にいた母に「かあちゃんもやる?」と聞くと
「うん。やってみっかな。」と言って、
私から千羽鶴用の小さな折り紙を受け取り、二人で折り始めました。

私が二つ目の鶴を折り終える頃、
ようやく母から手渡された鶴は
まるで小さな子供が折ったかのような、
ヨレヨレの不恰好な鶴でした。

「やっぱり、アンダみだぐ、うまぐ出来ね。手ェ、うまぐ動がねわ。」

私は、母がこんなにも歳をとっていたことに愕然とし、
なんとも言えない悲しさを感じながらも、
「大丈夫だよ。手ェ動がさねど、ボケっと~。もう一個折らい~。」
と、笑いながら言いました。
でも、母は、二度と折ろうとはしませんでした。

二年後、母は病気で亡くなりました。

鶴を折るたびに、あの時母が折った不恰好な水色の鶴を思い出します。