広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:見下ろしてごらん、夜の町を。

2009年03月04日 | 観劇レビュー
日時・会場:
 2009年3月3日(火)・アステールプラザ大ホール
作・演出:
 中島淳彦
出演:
 佐藤B作・佐渡稔・石井愃一・市川勇・山口良一・
 千葉和臣・谷本知美・園田容子・中島淳彦ほか
感想:
 開演10分前に会場入りしたのですが
すでに舞台にキャストがあがり歌を歌っている!?
えっ、もう始まっちゃってるの!?
開演時間を間違えたのか!?と一瞬びびる。
どうやら今回の舞台である”ライブハウス”にて行われている
フォークソングライブ&漫談という”てい”の
前座だということがわかって一安心した。
関西の小劇団などは開演前に色々前座があったりするので
それを目的に早めに行くのですが
まさか東京ヴォードヴィルショーにもあるとはねぇ。
先に言っておいてくれよ、ちゃんと見たいから。
な~んて、ちょっと沈んだ気持ちで
舞台に向かうはめになってしまった今回の幕開けでした。
それにしても客入りが少ない・・・。
2階席はたぶん開場しておらず
1階席も7割弱という悲惨な状況でした。
広島って土地柄なのか
不景気のせいなのかはわかりませんが
もう少しがんばらないと
劇団的にも興行的にもねぇ。(笑)
このままじゃ広島公演の存亡の危機ですよ!?
また、客層は東京ヴォードヴィルショーということで
年配のカップルならぬアベックがやっぱり多かったです。
そしてロマンスグレイ系ではなく
庶民系の方ばかりだったのが印象的です。
もちろんおねぇちゃんとかヤングカップルはいませんねぇ。
しかし、このへんは劇団の若い客層の開拓努力を
していただかないとこれからの”のび”は無理でしょうねぇ。
そうそう、みなさんお待ちかねの総評です!!
今回の舞台は!!堂々の”Cプラス”です!?
しかし、マイナス要因はほぼありませんので
限りなくBに近いCということです。
それなのに評価が下がっているのは
見ている”こちら側”の責任が大きいです。
脚本、演出、キャストが”いまどき”じゃないので
Bを出すと評価者として”若く”なくなっちゃうからです。
ですから”若い”評価者としては泣く泣く!?”C”ということで。
でも、間違いなく面白い舞台ですよ。(笑)
わかるかなぁ、この理論、わからないだろうなぁ。
だって相変わらず論点が出鱈目ですからね。
それはさておき、まずは脚本ですね。
まったくオーソドックなストーリーです。
台詞回しもオーソドックスで
もちろん展開もオーソドックスです。
奇抜なストーリー、すばやい展開、
キッチュでキャッチなセリフなど皆無ですから
いい意味で誰でも楽しめる作品となっています。
そのへんは客層を意識したものというより
そうだから客層がそうなっているという感じでしょうね。
だからといって退屈だったり面白くないわけではありません。
まさに新喜劇の王道パターンで
笑いあり、涙あり、感動ありの幕の内弁当です。
やっぱり安心して舞台を楽しめるのがいいですねぇ。
そして、今回は音楽劇って銘打っているだけあり
フォークソングのオンパレードです。
個人的にはフォークって世代でないのでよくわかりませんし
個人的嗜好としては歌謡曲のほうですが。
やっぱりリリパットアーミーお得意”ミュージックハラスメント”の
あっち系歌謡曲が大好きですね。
ちなみに舞台セットはしっかりと作りこまれています。
東京から程近い寂れた漁港の倉庫跡を改築したフォークライブハウス。
いかにもって感じがよく作りこまれていました。
また、キャストですがみなさんうまいですねぇ。
発声、立ち回り、身振りと基本に忠実なオーソドックスタイプで
見やすく聞きやすい模範的ユニバーサルプレイ!?でした。
それなのにちゃんと登場人物たちに
ちゃんと個性があるというのが一番すごいんですが。
最近、このへんのことがわかってない人が実に多い。
学校の校則などによる同じ髪型、同じ服装だったら没個性だなんて。
いやいや、どっかの流行雑誌のまねや
ブランド身に着けていることのほうが没個性なんだけどなぁ。
だって、商業ベースに乗せられているだけですから。
まさに自分たちの作った”牢獄”につながれて
自由だっていっている”囚人”に似ている。(笑)
まぁ、社会的動物である人間って本質はそんなものなんですが。
そんな話はさておき、見るべきは役者ですね。
でも長くなったのでひとりひとりはあげませんが
演技はみなさんやっぱり上手いです。
でも、年齢がやっぱり高いです。
ですからもう少しフレッシュさというエッセンスがほしいかなぁ!?
いい意味でも悪い意味でも若返りは必要だと思います。
やっぱり舞台は”のり”と”勢い”は大切なファクターですよ。
最後になりますが誰でも十分楽しめるよい舞台でした。
もっと多くの人に見て欲しい舞台でしたね。
でも素直に面白いといえない”若い”自分が
ちょっと残念といえば残念ですね。(笑)