のくたーんの駄文の綴り

超不定期更新中orz

無駄使い?

2005-12-02 21:30:14 | 暇人日記
矯正歯科で市内のほうに足を運び、そのまま旧バイト先でたむろしてました。
同じスーパー業なんですが、まあ、小規模ながら頑張っているようで。社員のIさんと軽く話をしてきました。
そして、なぜか現れる社長。暇なんか?

帰りがけに本屋よってきましたが、特別に欲しい本もなく(本当はあるけど売っとらん)これだから秋田は・・・といつものように文句を言いながらも、手帳買ってきました。
いつぞや言っていた「夢を叶えるための手帳」ではなく、「MOON BOOK 2006」たるものです。
本当は前者のほうが欲しかったのですが、わざわざ文○堂にまで足を運ぶとなると・・・逆方向走ってましたし、売り切れ(多分ないけど)だったらやだしと言う怠惰な理由で妥協しました。悪いかちくしょうめ。
パラパラ捲ってみたら、今年の11月末から始まってるんですね。手帳。つまり今月の分も入っているわけで、さっそくこれから書き始めようかな思ってます。
なにぶん、手帳なんて使うことないからねえ。まあ、ブログ以外での日記や創作記録とかつけていきたいと思っとります。
はてさて、私の好きな作家でHP持っている円山夢久様と明日香氏のページ、共に日記が更新されてました。
明日香氏は一ヶ月に一回しか更新しませんが、奇しくも今回の夢久様と同じようなタイトルで日記を更新されて少しアレだ、微妙に言葉が出ないので割愛。
一年を通してのまとめみたいなものを書いてましたが、二人はまったく正反対なことを書いてましたな。
明日香氏は歳も近い(同い年?)だけあって、私と考え方がとてもよく似ている気がしますし、夢久様は女性らしく、そして作家らしい言葉でまとめてましたね。
余裕があるって言うかなんというか・・・とても羨ましいですな。
私なんかもう、仕事で日々やる気がないのですがね。明日から4勤だし・・・有給なんて取れねえよ!
あとは、ゲームも売ってきましたね。忍道とリバース・ムーン。
後者なんて一回しか起動してないのに即売りですよ。しかも買取値が買ったときの半分程度。まあいいんだけどねって思っているところがいやらしい。
社員になって金使い荒くなったなあ。ボーナス、新人は10万くらいしかはいらんらしいけどどうしよう。
妹とかに年玉やる歳になっちまったなぁ。
ああ、切ないねえ。
関係ないけど、ノートパソコンが欲しいなあ。来週の某大型電化製品店の特別ご招待券のチラシにのってたパソコンでも買うかな?でも、うーん。やっぱり無駄使いになるよなあ。
でも、今のパソコンもいつ逝ってもおかしくない状況だし・・・
とりあえず飯代でも減らすかね。

第26章・「死に行く者への写真屋さん」H17.11.22作(改)

2005-12-02 20:21:40 | 矛盾の時間・全ての空間
その街は、露店街だった。
足場の踏み場のない程に露店が広がり、生活雑貨から食料に至るまで手に入らないものはないといった風情である。なかには、怪しげな薬売りや武具などを売る商人もいる。真っ当とは言えない街なのかもしれない。
君は興味深げに路上に広げられている品物を見ては、次から次へと移り、後を追う僕は翻弄されっぱなしである。
そんな露店の間を抜けると、なぜか黒い大きなテントで仕切られた店があった。店というよりも、占い小屋と呼んだほうがしっくりくる。そして、君が興味を示さないはずがなかった。
引きずられるようにテントの中に入る。陽光は完全に遮断された中は、しかしながら、無数の蝋燭の灯火に意外に明るかった。
「いらっしゃい」
最奥に座っていたおじいさんが僕たちに声をかける。白い髭の特徴的なおじいさんだ。
「ここは何の店?」
君はさっそく質問をかける。
「写真屋じゃ」おじいさんが手をかざすと、無数の写真が現れた。

「わぁ……」魔法のような手並みに、君は感嘆の声をあげる。だが、一枚の写真を取ると、小さく苦笑して言った。
「私は写真って苦手。だってこんな小さな写真に、その時空を閉じ込めてしまうもの」
「ふむ……」おじいさんは小さく笑ったようだ。「お嬢さんは面白いことを言うのお」
「だって……そうじゃない」一枚の風景写真を見ながら、「過ぎ行く時間は誰にも止められないのに、写真は時間を切り取って閉じ込める」
「――ならば、この写真はどうじゃ?」
彼女の独白に、おじいさんは指を振った。それだけでたちまち蝋燭の火が増え、同時に数枚の写真が君の手の中に落ちる。
「――これっ!」
君は悲鳴のような声を上げ、その場に崩れ落ちた。反射的に僕は、腰に吊ったナイフに手をかけた。が、
「まって。おじいさんは何も悪くない」
君の制止に、おじいさんが唸った。
「お嬢さんは人間じゃないのう?」
「おじいさんこそ何者?」
君は写真を掲げた。
若い親子の写真だった。幸せそうな笑顔で写真に写っている。
「この人たち……すでに亡くなっているのね」
「ふむ。この写真を撮って、数時間後に事故にあった。即死じゃった」
淡々と語るおじいさんの表情はない。君は涙を拭いて立ち上がった。「あなたは人の死期が見えるのね」
「因果なものでのお、死に行く者の写真ばかりを撮っておる」おじいさんは、君の手にしている写真に視線を送った。「数時間後にはこの世から旅立つというのに、幸せそうじゃろう」
「ええ……」君は静かに頷いた。「確かに、この時、この人たちは幸せそうに生きていました」
「わしは、不憫でならんのじゃ。この家族が死んだあと、数日もすれば世間は忘れ、百年も経たないうちに加害者も死ぬ。誰一人憶えていない。唯一つの事象を残してのお」
「それが、死ですか?」
「誰だって生まれれば死ぬものじゃ。それが早いか遅いかの違いだけ――それでも、一人くらいは死に行く者のことを憶えておってもいいじゃろう」
おじいさんは指を振った。
「さあ、お帰り。ここはまだ君たちがくる場所ではない」
僕たちは導かれるように出口に向かった。
「また、会えますか?」
振り返り、君は聞いた。おじいさんは笑ったようだった。
「おぬしたちの死期が近づく前に、会いたいものよのお」

街の喧騒が目を覚ましたとき、おじいさんのテントはどこにもなかった。
「――行こうか」
僕は君の手を引いて歩き出した。
この瞬間も、おじいさんは望まぬシャッターを押しているのかもしれない……