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ヘッドの変更 10.1.1~10.2.4、10.5.1~10.5.4

お片付けモード
 お片付けモードに入りかけている。とりあえず、小さなテーブルをセットした。手袋も探し出してきた。
2.1.1「問いを発する」
 数学編の最初がこのヘッドです。ゼロから作る数学は非対称でないといけない。この世界も数億分の一の非対称から生まれた見たいです。まずは、問いを考えることから。
ヘッダーは一冊の本
 320冊の本が書けますか? そのつもりになってきた。ヘッダーが本の見出しとして魅力的にしていく。
10.1.1~10.2.4、10.5.1~10.5.4
 10.1.1 他者がいる
  多くの人がいる
  他者との関係
  観ている
  関わる理由
 10.1.2 共有を進める
  情報共有係数
  情報を伝える
  知恵をカタチに
  個人の分化
 10.1.3 意思から存在の力
  依存してきた
  意思の力の支配
  個として自立
  個がつながる
 10.1.4 個にヘッドを設定
  個は分化する
  個を活かす
  個の状況把握
  個をまとめる
 10.2.1 哲学者
  ソクラテス
  ヘーゲル
  ハイデガー
  3つのなぞ
 10.2.2 歴史哲学
  今までの流れ
  啓示を得る
  歴史哲学の次
  平等な社会
 10.2.3 社会における存在
  社会の閉塞感
  個と全体の関係
  思考停止から脱却
  新しいつながり
 10.2.4 哲学の適用
  根本から考える
  家族から個人
  生き残りの教育
  仕事に意味
 10.5.1 覚醒するには
  トラウマを追う
  本質を探す
  好き嫌いを認める
  皆の幸せを求める
 10.5.2 未唯空間まとめ
  手当り次第
  思いを聞く
  軽くまとめる
  組織を客観視
 10.5.3 未唯空間から拡張
  循環で見る
  個の影響力
  コミュニティ発想
  数学で見る
 10.5.4 個に全体を含む
  コンパクト性
  自立の条件
  行政を使う
  企業を使う
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10.1.1~10.2.4、10.5.1~10.5.4

10.1.1 他者がいる
 多くの人がいる
  ①環境が問題になる
  ②人が減れば解決する
  ③画一を押しつけ
  ④多様性に対応する
 他者との関係
  ①家族で行動している
  ②私の関係ない世界
  ③お互い様の世界
  ④マスで対応する
 観ている
  ①主体的な存在
  ②未唯空間に集約
  ③私を取り囲む世界
  ④それらの外の世界
 関わる理由
  ①皆の思いを知る
  ②自分の思いにする
  ③思いをカタチにする
  ④用意された世界
10.1.2 共有を進める
 情報共有係数
  ①共有係数が増す
  ②知識と意識を使う
  ③ユニット活動
  ④新しいカタチ
 情報を伝える
  ①集めて伝播する
  ②多方面に展開
  ③メッセージ形式
  ④情報のナレッジ化
 知恵をカタチに
  ①アゴラでコラボ
  ②集合知から集合和
  ③個人が分化する
  ④地域活性化
 個人の分化
  ①個人が基本単位
  ②中間の場を設定
  ③存在を考える
  ④分化に向かう
10.1.3 意思から存在の力
 依存してきた
  ①消費者資本主義
  ②自工程完結
  ③ルサンチマン
  ④組織の論理
 意思の力の支配
  ①リーダーの存在
  ②家族での共依存
  ③全体主義に陥る
  ④組織内の秩序重視
 個として自立
  ①配置の場の目標
  ②近傍に働きかけ
  ③つじつま合わせ
  ④柔軟な社会構造
 個がつながる
  ①全体を考える
  ②先を見る
  ③個の活動が中心
  ④境界がなくなる
10.1.4 個にヘッドを設定
 個は分化する
  ①循環の意識
  ②役割を認識
  ③好き嫌いで分化
  ④組織に提案
 個を活かす
  ①組織から支援
  ②個の分化の場
  ③コラボで核作り
  ④つながりを確認
 個の状況把握
  ①要望を明確化
  ②意思の伝達
  ③役割の配置
  ④ユニット活動
 個をまとめる
  ①市民の意思
  ②勇気づける
  ③行政は支援
  ④国とつながる
10.2.1 哲学者
 ソクラテス
  ①哲学は救い
  ②ソクラテス
  ③デカルト
  ④ルソー
 ヘーゲル
  ①観念論
  ②カント
  ③ヘーゲル
  ④ニーチェ
 ハイデガー
  ①現象学
  ②フッサール
  ③ウィトゲンシュタイン
  ④ハイデガー
 3つのなぞ
  ①存在のなぞ
  ②認識のなぞ
  ③言語のなぞ
  ④存在の無
10.2.2 歴史哲学
 今までの流れ
  ①歴史を哲学で思考
  ②意思の力の世界
  ③自由のプロセス
  ④国民国家への道
 啓示を得る
  ①赤ピラミッド
  ②社会が変わる!
  ③思考せよ!
  ④ゆっくりした変革
 歴史哲学の次
  ①社会格差が拡大
  ②ムスリムのウンマ
  ③平等への道
  ④企業の役割が変わる
 平等な社会
  ①アラブの春
  ②トポロジー思考
  ③分化と統合
  ④情報共有社会
10.2.3 社会における存在
 社会の閉塞感
  ①資本主義の定義
  ②所有が共有を阻害
  ③社会格差の拡大
  ④若者・女性の希望
 個と全体の関係
  ①産業ソフト化
  ②生活者が主流
  ③情報共有の徹底
  ④個-中間-全体
 思考停止から脱却
  ①思考する
  ②環境哲学を適用
  ③監視と自由
  ④環境問題の解決
 新しいつながり
  ①国は必要なのか
  ②多様なつながり
  ③共同体社会
  ④新しい民主主義
10.2.4 哲学の適用
 根本から考える
  ①組織が支配
  ②国民国家の限界
  ③自由の破壊
  ④再配置する
 家族から個人
  ①個人を活かす
  ②地域インフラ
  ③消費からシェア
  ④新しい家族制度
 生き残りの教育
  ①存在の力を活かす
  ②新しい教育制度
  ③情報技術の進化
  ④市民の武装化
 仕事に意味
  ①まち・ひと・しごと
  ②コンパクトシティ
  ③モノつくりの限界
  ④サービス立国
10.5.1 覚醒するには
 トラウマを追う
  ①14歳のトラウマ
  ②死の恐怖から存在
  ③同じ思いの人を追求
  ④居ないことに意味
 本質を探す
  ①本をバラバラにする
  ②ジコチューの世界
  ③本質はあるのか
  ④私に用意されたもの
 好き嫌いを認める
  ①自分自身で価値判断
  ②さまざまなつながり
  ③持続可能性につなぐ
  ④バーチャル接続
 皆の幸せを求める
  ①抽象的な幸せの定義
  ②仕事での満足度
  ③皆の幸せが私の幸せ
  ④大きな循環を感じる
10.5.2 未唯空間まとめ
 手当り次第
  ①自分を生かすため
  ②目に付くものに意味
  ③その周辺を探る
  ④サファイア均衡
 思いを聞く
  ①殆ど考えていない
  ②アジテーション
  ③思いをまとめる
  ④地域はない現実
 軽くまとめる
  ①地域要望で行動
  ②権限移譲はされない
  ③クラウドは展開中
  ④税と社会保障
 組織を客観視
  ①シェアは企画のみ
  ②考えていない連中
  ③企業拠点の活用
  ④組織の覚醒は最後
10.5.3 未唯空間から拡張
 循環で見る
  ①サファイア循環
  ②地域インフラ
  ③市民主体で接続
  ④周辺領域に拡大
 個の影響力
  ①共感でつなぐ
  ②自己開示で組合せ
  ③テーマでユニット
  ④ライブラリ共有
 コミュニティ発想
  ①NPOの市民系
  ②医療の業種系
  ③販売店の企業系
  ④緩やかに結合
 数学で見る
  ①内からの連続性
  ②共同体意識で接続
  ③近傍系と認識
  ④標準形に倣う
10.5.4 個に全体を含む
 コンパクト性
  ①町のあり方
  ②外部化費用
  ③自律分散
  ④町での完結性
 自立の条件
  ①ユニット単位で行動
  ②存在の力を発揮
  ③皆を勇気づける
  ④世界に影響を与える
 行政を使う
  ①市民の状況把握
  ②個別課題に対応
  ③市民にアピール
  ④全体課題は協働
 企業を使う
  ①使う為につながる
  ②メディア変革
  ③企業を包含した循環
  ④新しいロジック
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OCR化した12冊

『宇宙の「果て」に何があるのか』
 宇宙の将来、宇宙論の将来
  宇宙は将来どうなるのか
  暗黒エネルギーによる宇宙膨張の加速
  加速膨張を始めた宇宙の運命
  銀河の運命
  君は生きのびることができるか
  暗黒物質研究の展望
  暗黒エネルギーという巨大な謎
  暗黒エネルギーの解明に挑む
『イスラエルがすごい!』
 恩讐を超えて--関係を深めるドイツ
  二国間関係を最悪の水準から改善
  ドイツの関心は貿易ではなく技術
  デジタル化時代の新ビジネスモデルを探すドイツ
  曲がり角に立つドイツの中小企業
  独企業がイスラエルに次々に研究拠点
  ドイツ自動車業界とモビリティーサービス
  変化するモビリティ意識に危機感
  中小企業もイスラエルに強い関心
  ドイツとイスラエル・関係修復の長い道
  歴史的なルクセンブルク合意
  65年間に10兆円近い補償金を支払ったドイツ
  メルケルの謝罪
  過去との対決はドイツの国是
  ナチスの犯罪を心に刻む国
  犠牲者数に関する議論よりも宥和を優先した
  首都の真ん中にホロコーストヘの警鐘を設置
  「ドイツの謝罪は本物だ」
  国際社会で孤立するイスラエル
  1945年までの体験がイスラエルを軍事大国にした
  イスラエルの政策を批判するドイツ
  米国に代わりドイツが仲介役を
  ドイツの両面外交の成果
『眠れぬ夜のために』
 死への意識
『操られる民主主義』
 独占される世界
  ハイテク巨大企業が世界をわがものとする
  デジタル・テクノロジーが「独占」を生む
  アマゾンの優位は品揃えではなく「プラットフォーム」の支配
  そこにグーグルしかなければグーグルが有利だ
  「無料」の戦略をなぜ独占企業が採用するのか
  疑うことを知らない、幼児化した消費者市民
  力を失っていくジャーナリズム
  人びとを魅了する「カリフォルニアン・イデオロギー」
『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』
 「世界」と「国家」、そして「個人」のこれから
  プラトンの過激な国家論
  グローバリゼーションの行きつく果て
  マルクスの盲点
  リベラリズムVS.リバタリアニズム
  税金とは政府による収奪?
  彼の考えたこのユートピアは実現可能だと思いますか?
  世界は存在しないのか?
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ヤングアダルトの本 「ユダヤ人迫害とは何だったのか」抜きだし

『ヤングアダルトの本 社会を読み解く4000冊』より 戦争と平和
『私はガス室の「特殊任務」をしていた-知られざるアウシュヴィッツの悪夢』
『アンネ・フランク』
『素描・杉原千畝』
『ユダヤ人虐殺の森-リトアニアの少女マーシャの証言』
『アウシュヴィッツの手紙』
『ホロコーストと外交官-ユダヤ人を救った命のパスポート』
『アメリカに渡った「ホロコースト」-ワシントンDCのホロコースト博物館から考える』
『ヒトラーはなぜユダヤ人を憎悪したか-『わが闘争』と『アンネの日記』』
『日本に来たユダヤ難民-ヒトラーの魔手を逃れて約束の地への長い旅』
『七番目の百万人-イスラエル人とホロコースト』
『青木進々アウシュヴィッツを伝える一篇の詩』
『命のビザを繋いだ男-小辻節三とユダヤ難民』
『反ユダヤ主義とは何か-偏見と差別のしぶとさについて』
『アウシュヴィッツ博物館案内』
『アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。-クラスメートたちがたどるアンネ・フランクの思い出』
『命のビザ、遥かなる旅路一杉原千畝を陰で支えた日本人たち』
『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅 下巻』
『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅 上巻』
『「アンネ・フランク」を超えて-かくまわれたユダヤの子供達の証言』
『ユダヤ人を救え!-デンマークからスウェーデンヘ』
『パリのモスク-ユダヤ人を助けたイスラム教徒』
『日本占領下の〈上海ユダヤ人ゲットー〉-「避難」と「監視」の狭間で』
『ヒトラーの第三帝国から約束の地ヘ-ユダヤ人の子どもたちの劇的な旅』
『ホロコースト〈以後〉を生きる-宗教間対話と政治的紛争のはざまで』
『アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義-ポーランドにおける虐殺事件を糾明する』
『ホロコースト-ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』
『異教徒から異人種ヘ-ヨーロッパにとっての中東とユダヤ人』
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グローバル化を加速させた光海底ケーブル

『通信の世紀』より
一九七〇年代、国際通信量の急増に対応するためには、従来の同軸ケーブルの増設では限界があることが明らかになってきた。回線容量を増やすためにはケーブルを五センチ程度の大口径にする必要があり、ケーブル敷設船への積み込みが困難となることなどが要因であった。そんな中、より大容量を可能とする技術として、一九七〇年に米国のコーニング社が開発した光ファイバーに期待が集まった。光ファイバーは、直径一ミリ以下の細い石英ガラスでできている。光ファイバー通信は、このファイバーの中にレーザー光を通すことによって通信を行う方法である。大容量の通信が可能なうえ、信号の減衰も少なく、材料も安いことで注目された。しかし光海底ケーブルの実用化には、中継器に使われる半導体レーザーの開発や、もろいガラス製のファイバーを圧力のかかる海底で長期間使えるようにする必要があり、数多くの問題を解決する必要があった。
日本における光ファイバーの研究は、一九七五年、電電公社、KDD、NEC、富士通、日本大洋海底電線(現OCC)、古河電気工業、住友電気工業、藤倉電線、安立電気(現アンリツ)などが協力する形で開始された。関係者たちが「日本連合」と呼ぶ協力関係である。米国のベル研究所、英国のSTC、フランスのサブマルコムなど、日米英仏の四カ国の企業が開発を競い合った。一九六四年開通のTPC-1の敷設の時は米国の技術に頼るほかなかったが、光ケーブル開発では、日本の技術は世界のトップクラスの水準に達していたのである。
太平洋域初の光ケーブル
 第六章でみたように国際間の通信量が急増していたため、TPC-1やTPC-2などのケーブルは満杯の状況となっていた。そのために一九七八年一〇月の時点で各国通信事業者は同軸ケーブルによる第三太平洋横断ケーブル(TPC13一回線容量一六〇〇または一八四〇)や第四ハワイケーブル(HAW-4一回線容量四〇〇〇)敷設計画に合意した。しかし、米国連邦通信委員会(FCC)が衛星通信との兼ね合いもあり、ケーブル敷設に慎重な姿勢を見せたため、計画は一時棚上げの形となってしまった。KDDはこの問、需要増加に対応するため、衛星回線の増設などの検討を重ねていた。一九八二年に至り、ようやくFCC(米連邦通信委員会)からの認可が得られる目途がついたことから、AT&TとKDDは、一九八八年末の開通を目途に光ケーブル方式によるTPC-3、HAW-4の計画を推進することで合意した。FCCの政策によりケーブル敷設計画が遅れたことにより、TPC13は、同軸ケーブル方式ではなく、光ケーブル方式により敷設されることになったのである。
 一九八三年四月、各国から二七通信事業体が参加し、データ収集会合が開催された。AT&Tは二一、KDDは九のルート案を提出したが、大きく分類すると次の三案である。①日本とハワイを直接結ぶルート、②ハワイ-グアム-日本と、グアム経由で結ぶルート、③海中分岐により日本、グアム、ハワイをそれぞれ結ぶルート、である。一本のケーブルルートは他のケーブル計画にも影響を与える。またルートが長くなるとそれだけ建設費が高くなり、出資者の負担が増えることもあり、各通信事業体の思惑が交錯する。
 フィリピンと台湾がグアム経由を希望したのに対し、KDD、香港(C&W)、シンガポールは、ハワイから直接日本に陸揚げするルートを希望した。C&Wは、KDDとの間で日本-香港間の光ケーブル敷設に合意していた。各国はルートによっては参加の取りやめや取得回線数を減らすなどの様々なオプションをちらつかせていた。
 ハワイ-日本が直通で結ばれ、将来、別のケーブルで日本から香港、台湾、フィリピンが結ばれれば、日本は西太平洋域の通信の(ブとなることができた。日本-グアム-ハワイであれば、引き続きグアムが重要なハブであり続ける。一方、米国の国防総省とNTIA(電気通信情報庁)は、グアムが極東戦略上の要であることから、ハワイ-グアム間をいかなる国からも妨げられることのないように直接結ぶことを求めた。
 また、海底ケーブル設備の調達の問題も存在した。KDDにとっては一番通信量が多い、日本とハワイを直接結ぶルートが経費の面でも望ましかったが、この場合、全区間米国のシステムで敷設される可能性があった。一番望ましいのは、日本-ハワイを直通とし、KDDが開発したシステムが採用され、日本のメーカーがケーブル、中継器を受注することであったが、その可能性は低かった。これに対し、グアム経由の場合は、ハワイ-グアム間を米国、グアム-日本間を日本が受注するという棲み分けが可能であった。
 最終的にグアム経由に決定し、日本-グアム間は日本の技術が採用された。しかし、C&Wは、グアム経由に難色を示し、TPC-3建設参加を見送った。第六章でみたようにC&Wは香港-日本-米国を直接結ぶケーブル計画を秘かに検討していたのである。
 このように海底ケーブルの敷設には、各国の様々な利害がからまってくる。軍事的な要素はそのひとつである。一九八四年一二月一九日の衆議院逓信委員会で日本共産党の佐藤祐弘委員は、米国国防総省の意向を取り入れて、ハワイからグアムと日本を結ぶルートで妥結したのは、アメリカの国益が日本の国益を押しつぶしたということではないかと追及した。郵政省の説明員は、「各通信事業体が通信需要を勘案して検討するものであり、日本の通信主権が侵されたということはない」と回答した。この時の佐藤委員の主な目的は、電電公社の民営化反対にあったので、それ以上の追及はなかった。佐藤委員の意見に一理あることはみたとおりであるが、国内通信事業者であった電電公社民営化反対のロジックとして持ち出したのは、少し無理があった。
太平洋ケーブル敷設競争
 TPC-3の建設保守協定は一九八六年一月、KDD、AT&Tなど二二事業者により締結された。千葉県千倉町からグアムを経由し、ハワイに陸揚げされる光ケーブルは、二八○メガビット毎秒(bps)×二、電話回線換算七五六〇(三七八〇×二)回線の容量を誇っていた。
 TPC-3敷設には、KDD丸とAT&Tのロングラインズ号があたり、一九八九年四月一八日に開通した。同時に建設保守協定が締結された第ニグアム-フィリピンケーブルは、グアムから海中分岐により台湾にも陸揚げするグアム-フィリピン-台湾(G-P-T)ケーブルに変更され、一九八九年一二月に開通した。このケーブルの開通により、グアム経由で日本とフィリピン、台湾が光ファイバーで結ばれたのである。次に結ばれたのは、日本と香港、韓国であった。香港―千葉県千倉町-韓国を結ぶH-J-Kケーブルが敷設され、一九九〇年五月に開通した。
 一方、C&Wは、前述のように自らの手で太平洋ケーブル、大西洋ケーブルを敷設し、香港-日本-米国-英国を結ぶ計画を進めていた。C&Wが出資しているIDCは、日本と米国本土、アラスカを結ぶ回線容量約一七〇一〇回線の北太平洋ケーブル(NPC)を敷設し、一九九一年に運用を開始した。C&Wの独自の動きに各国の通信事業者は危機感を抱いていた。
 そしてTPC-3がまだ計画段階であった一九八七年にKDDとAT&Tは、第四太平洋横断ケーブル(TPC-4)の検討に入っていた。TPC-4は、太平洋の北側を回り、海中分岐装置を介し、日本から米国本土、カナダを繋ぐ、全長九八五〇キロ、回線容量五六〇メガbpsx二、電話回線換算一万五一二○回線(七五六〇回線×二)のケーブルであり、一九九二年一一月に運用を開始した。このケーブルは建設時期、ルートともC&Wのグローバル≒デジタル・ハイウェイを意識したものとなっている。敷設には、新造の敷設船KDDオーシャンリンクが使用された。
 初期の光海底ケーブルは、減衰した光信号を中継器で一旦電気に変換して増幅させていたが、KDDとAT&Tは、光信号を電気に変換することなく増幅する、光直接増幅装置方式を共同で開発した。この方式により中継器の構造が簡単になり、五ギガbps(六万回線)の容量が可能となった。最初にこの光中継器が用いられたのは日本1米国本土-ハワイ-グアムをループ状に結ぶ第五太平洋横断ケーブルネットワーク(TPC-5CN)であった。総延長は二万五〇〇〇キロ、回線容量は五ギガbpsx二(回線容量約一二万回線)である。TPC-5CNは、光直接増幅装置に加え、障害が発生しても瞬時にバックアップできるセルフヒーリング機能を有していた。回線が切断したとしてもループ構造のため逆回りで通信できる仕組みである。一九九五年七月から一部区間が開通し、一二月から全区間運用開始となった。ループ構造での運用開始は、一九九六年一二月であった。
光ケーブルに敗れた衛星通信
 同軸ケーブルの時代には、衛星通信が経済性でケーブルを上回っていたが、光海底ケーブルの大容量化により、この状況は逆転した。一九九六年前後に海底ケーブルが衛星回線を上回ったのである。
 もちろん、インテルサット衛星の回線容量も大きく増加はしていた。一九七一年から利用されたインテルサットⅣ号衛星では、テレビ二チャンネル電話四〇〇〇回線、一九七五年から利用されたⅣ号A系では、テレビニチャンネルおよび電話六〇〇〇回線の容量を実現しており、この時期の衛星の回線容量は海底同軸ケーブルの容量を上回っていた。特に国際間のテレビ伝送は、衛星中継が独占していた。一昔前までテレビ中継中に、衛星放送というテロップが入っていたことが思い出されるように、一九九二年の時点でインテルサット衛星を介して世界一五〇〇の地球局との間をて一万電話回線が利用されていた。このような状況を変えたのが、一九九五年のTPC-5CNの竣工である。翌年開催されたアトランタオリンピックでは、この回線を用いて米国から日本にテレビ伝送が行われた。この時点で、衛星通信は経済的有利性を失ったのである。
 しかも、光海底ケーブルは、二度目の技術革新により、さらに大容量化した。一本の光ファイバーに波長の異なる多くの光信号を同時に乗せる光波長多重方式が実用化されたのである。この方式により一〇〇ギガbpsという大容量が可能となった。電話回線で一二○万回線、テレビ伝送で二〇〇〇回線に相当する。この技術はTPC-5CNにも一九九八年の時点で導入され、回線容量も二倍の約二四万回線となった。以後、光海底ケーブルの容量は飛躍的に増加し、今や国際間の通信の九九%がケーブル経由となっている。この二度にわたる光ケーブルの技術革新が、グローバル化を大きく進めることになったのである。
 また一九九〇年代には、商用インターネットの開始やウィンドウズ95の発売など、情報通信に関連するサービス、技術も次々登場した。こうした技術革新と先進諸国による通信政策の自由化の流れが、それまでの安定した国際通信秩序を大きく揺さぶることになるのである。
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