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本棚システムを拡充

大いなる意思への報告をしないと

 次を急がないといけない。ということで、8時から駅前スタバへ。しっかり見て、報告しないといけない。もしかすると、報告を受けるのは、私かもしれない。

本棚システムを拡充

 One of themの本をどう見ていくのか。本棚システムを拡充しよう。キンドルオアシスが今月入手できれば、先を急げたけど。

 本にはあまりにも、余分な者が多すぎる。面積を多く、取り過ぎている。だから、DNAを抽出する。そのDNAは、当たり前だけど、読む人によって異なる。

 次のキンドルはページ括りをオートマチックにしていく。行間も自動調整する。そして、DNAを自動抽出する。

 本を点として、本棚システムを近傍とすることで、文章を作り上げる。その技術があれば、本を細かく読む必要はなくなる。

 まず、文章のロジックを目に見える形にして、そこでポイントアウトする。そのために目次を新しく切り替える。

 参考文献ですぐに提供できない者は挙げない。自分の保身のためではなく、あくまでも読む人のために、それを理解して行動する人のために。

日本帝国と砂糖

 台湾を手に入れたことで、砂糖が市民に分け与えられて、食生活が変わった。お菓子は画期的になってきた。箱入りキャラメルで携行しながら、食べる。兵士も内地の人間にキャラメルを求めた。

 消費は戦争のためではなく、人生の新しい目的として求める社会を作り出した。

 新しい朝食も、準備に二時間かかる和食から、食パンに砂糖をまぶす方にシフトしていった。

 今、エンゲル係数が上がっている理由は外食化と言うよりも、半調理品の活用、時間の短縮化によって起こっている。栄養をとるためのものではない。消費の為と言うよりも生活のため

熊本の西さん

 熊本の西さんはどうしているかな? 熊本のために張り切っていると思います。現役の時に、札幌、青森、茨城、富山、徳島、熊本に意見が聞けることができた。皆、地域に根を張ると同時に将来を見ていた。

今、起こっていることのアナロジー

 ネアンデルタール人は大きな動物が居なくなったときに絶滅した。小動物相手の原人類は氷河期を乗り越えた。メーカーに起こっていることの図式です。
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OCR化した15冊

『行政法読本』

 行政活動の主体と組織

 行政活動の主体

  行政体の種別

  行政体の特徴

 行政組織の構成

  行政組織

  国と地方公共団体の行政組織

  行政機関

  行政機関の種別

  合議制行政機関

  行政機関相互の関係

  行政機関としての省庁

 行政上の事務処理の方式一民間委託など

  別の組織の創設

  外部の人・団体の行政組織への取込み

  事務の委託

  協力

『リーガル・リサーチ』

 リーガル・リサーチの基礎知識

  リーガル・リサーチとは

  リーガル・リサーチの第一歩

  適切なリサーチのために

 リサーチの対象となる資料

  内容別にみた資料

  形態別にみた資料

  印刷体資料

  デジタル資料

 図書を探す

  図書を探す前に

  出版社・書店で図書を探す

  図書館を利用する

  法律関係の文献目録・データベースで図書を探す

『帝国自滅』

 帝国の衰退

 出口なき経済悪化

  原油安と制裁が長期停滞に拍車

  石油国家ロシア

  深刻な天然資源依存

  メドページェフ大統領の国家近代化

  プーチン氏の返り咲き

  財政基金枯渇の危機

 元凶は「国家資本主義」

  資金の源と流れは政権支配

  国営石油会社のTNK-BP買収

  プーチン大統領の「副官」

  プーチン氏との二人三脚

  プーチン政権の経済支配

  新興財閥からプーチン氏の旧友へ

  長期低迷のトンネルに

『1年で聖書を読破する。』

 マタイの福音書(マタイによる福音書)

 マタイの福音書(マタイによる福音書)

 ヨハネの黙示録

 ヨハネの黙示録

『星の名前のはじまり』

 アラブ世界に伝承されたギリシア天文学

 ヘレニズム時代から古代ローマヘ

 古代ギリシア科学の終焉

 イスラームの誕生とアラビア科学

 スーフィーの「星座の書」

 イスラームの天文学の発展

 アッバース朝の衰退とモンゴルの勃興

 イスラーム科学の変遷

『仕事の人類学』

 仕事への人類学的アプローチ

 仕事と仕事でないもの

 活動の多義性、連続性

 広義の労働、狭義の労働

 仕事と労働

 人類学というアプローチ

 ジェンダー視点の重要性

 性別分業の変化から見えてくるもの

 仕事・労働概念の問い直し

 戦後日本社会の仕事・労働の相対化

『吉野家で経済入門』

 「鰻重三枚盛」を出した理由

 常に先行者利益を追求する

『少子化は止められるか?』

 子育てと仕事の非両立が少子化を進めたのか?

  少子化の原因は何か?

  少子化・非婚化と女性の労働力化

  両立可能性の推移

  非婚化の原因と両立可能性

  重要なのは結婚・出産と就業の両立支援

 何が問題で何か必要か? 少子化対策に望まれること

  わが国の持続可能性はあるか?

  結婚や子育ての費用が高いことが問題

  少子化対策の絶対量が足りないことが問題

  少子化対策のコーディネーションに問題

  少子化を食い止めるために

『ナパーム空爆史』

 われわれは容赦なく戦う

『アフリカの老人』

 〈老いの力〉の未来を左右する少子高齢化

 良き人生の祝福

 二一世紀アフリカの人口予測

 先進国の先行事例はアフリカの参考となるのか

 医療・社会保障・ケア--高齢化社会のドグマを超えて--

 「高齢者問題」をローカルな文脈から語り直す

『14歳からの宇宙論』

 宇宙は「無」から生まれた!? 量子重力理論が語る宇宙の始まり

 私たちの宇宙は「母宇宙」から生まれた子どもだった?

 「無から宇宙を創る」というアイデア

 宇宙の始まりの鍵をにぎる「量子重力理論」

 無から生まれてトンネルを抜けて現れた宇宙

 宇宙は「果てのない場所」で生まれた?

 人間が解き明かした宇宙の歴史

『歴史を哲学する』

 第3日出来事としての歴史/記述としての歴史

『アリス博士の人体メディカルツアー』

 生殖器の位置

 生殖器の働き

 感染症

 生理痛

 勃起不全

 婦人科がん

 前立腺がんと精巣がん

『法学入門』

 「法学部」をめぐる環境の変化

 日本における「法学部」の位置づけ

 日本における「法学部」の誕生

  法学部の必要性とその役割

  「法学士」のステータス

 戦後夭衆社会と「法学部」の拡大

  大学の大衆化と法学部の増加

  ビジネス社会を支える人的資源

 「法学部」の人気低下の要因

  法科大学院の不人気

  法科大学院と法学部、実は別物なのに……

  「就職するなら法学部」だったのに……

  新しい人気学部

 グローバリゼーションの影響

  グローバル化

  少子高齢化

  マーケットの縮小

  急拡大する新興国マーケット

  グローバリゼーションの影響

  グローバル化の中での法学部

 「社会人基礎力」の養成

  「社会人基礎力」とは?

  OJTでは間に合わない?

  採用方法も変わる?

  大学への[社会人基礎力]養成の要求

 現代において望まれる法学部での教育

  大学の大衆化と法学部生の変化

  情報量の急激な増大

  そして法学部生の行動パターンは……

  外国語習得はお手のもの?

  法学部の復権に向けて

『東松島市図書館 3.11からの復興』

 立ち上がる

 支援図書の受入調整(5月下旬まで)

 支援物資の受入能力の限界

 宮城県図書館の市町村支援活動

 日本図書館協会や他団体から人的支援等を受ける

 雇用を生み出す

 支援の情報提供と要請

 自衛隊と図書館(支援の支援)

 「子どもの広場」、「来館型無償配本」(読書推進活動本格再開)
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東松島市図書館 自衛隊と図書館(支援の支援)

『東松島市図書館 3.11からの復興』より 立ち上がる

自衛隊と図書館(支援の支援)

 4月中旬になると、各避難所で陸上自衛隊による炊き出しや沫浴などの支援が行われるようになりました。担当していた避難所のコミュニティセンターも同様でした。しかし、テントを張るには杭を打つ必要があり、設置場所はコンクリート以外であることを希望されました。あいにく、コンクリートでない場所は図書館裏の一部砂利の駐車場に限られていたことから、隊員の宿泊テントや炊き出しはその場所で行うことになりました。

 私たちのために被災地活動を連日展開している隊員。労をねぎらう言葉を伝えると、「任務です」と一つもこぼさず、連日、寒さや気温の変化が激しいテント生活をされていました。

 「支援の支援」として何かできないか。隊長に隊員の気分転換のためと図書館利用を提案してみました。はじめは、衛生面からトイレを使わせてほしいとの申し出だけでした。そして、トイレを使わせてもらうからには、トイレ清掃をさせてほしいとまで希望されました。しかし、被災地復旧を加速させるためにも、隊員の精神衛生面を安定させて、今後の被災地活動を頑張っていただくためにも、ぜひどうぞ、と何度か提案してみたところ、少しずつ書架にも足を運ばれるようになりました。

 そして、この機会に図書館の魅力を隊員に知ってほしい旨を、私たちもさりげなくアピールしました。やがて、探している本の場所を聞かれるようになり、気軽に世間話をするまでになりました。時には、館内で見かける迷彩服は、目立って迷彩になっていないと互いに笑うシーンも。こうして隊員との距離が縮まり、微笑ましい一幕もありました。

 参考までに書きますと、貸出は図書館の敷地内のみです。図書館員も作業をしているので、カウンターは無人になることから、ノートをI冊用意し、自衛官の利用者には簡単に書名だけ書いてもらい、返したらそのままカウンターに置いてもらう方法としました。このように、徐々に図書館のよさを知ってもらい、テントで読書するために貸出し、館内を時には昇進試験勉強の場として利用してもらいました。

 なお、注意事項として、地震により天井が落ちるなど改修が完了していないので、一部利用制限があること、衛生面で少しでも泥の侵入を防ぐために土足禁止であることを知らせ、余震に備えて必要に応じてヘルメット着用で利用してもらいました。

「子どもの広場」、「来館型無償配本」(読書推進活動本格再開)

 (1)「子どもの広場」実施へ

  4月もあと2週間を切る頃。

  物資担当課でもあった市民協働推進課長から、「震災から1か月。お腹(食料)はある程度満たされてきたので、心を満たしてあげたい。ちょうど5月5日は子どもの日。図書館色を出して、何かできないか」と話を持ちかけられました。

  実施まで短期間で、苦しいのは目に見えています。やるべきか、こんな大変なときに不謹慎ではないかと自問自答、課題ばかりが浮かびました。しかし、震災後の辛い気持ちから少しでも逃避したい自分がいて、夢や希望や楽しい想いを届けたい気持ちもある、結果として今やるイベントは打ち上げ花火的になるかもしれないが、その後の余韻も必要と考えました。まず、館内での検討・調整をし、その後、教育委員会に話を出すと意外にも快諾されて、案ずるより産むが易しでした。「子どもの広場」ということで、市役所内からも協力を得て行うこととなりました。

  まず、子どもたちが電気・電池を必要とするテレビゲームなどがなくても過ごせるように、寝る前の1冊、児童書の「青空リサイクル」だけは外せないと思い、仙台市の「絵本と木のおもちや横田や」の横田重俊氏に相談、一つ返事で快諾いただきました。全国の団体や個人から寄贈され、これまで整理してきた3万冊以上の本が整えられました。また、炊き出しと沫浴支援をしていただいていた陸上自衛隊、地元の航空自衛隊からも協力をいただけることになりました。

  イペントの実施が市役所のホームページにアップされると、ありかたいことに イペント参加支援の申し出の電話がコールセンター状態で多く届きました。遠くは関西からも含め、全国のNPO等の団体や多数のボランティアから申し出がありました。内容も、炊き出しやミニゲームなど、多岐にわたりました。ありかたい一方、調整しきれずに途中からは「自己完結」を条件とし、臨機応変に、怪我だけはしないよう、安全第一をご理解いただき、空いているスベースに入り込んでもらうことにしました。それと同時に図書館色を出すため、読み聞かせ会を高梨富佐氏に協力をもらい、人形劇を横田氏に実施していただきました。

  当初、広報不足や天気が心配されましたが、当日は晴天、不安を一気になくすがごとく出足も順調でした。児童書の「青空リサイクル」では500人以上が行列し、そして、思い思いの本を選び、待ちきれず、親子でベンチやその場に座り本を開くなど盛況でした。協力団体のすべての催し物も、時間の経過とともに人でにぎわうようになり、まるで震災前の忘れ物を取り戻しているかのような光景でした。

 (2)陸上自衛隊員とのふれあいと感謝

  何よりこのとき印象的だったことは、陸上自衛隊員の人気ぶりでした。彼らの主な出し物は流しそうめんで、隊員たちは少しでもみんなに喜んでもらおうと、業務の合い間を見ては、前日まで準備するほどの念の入れようでした。

  竹の調達調整担当は私となり、たまたま知り合いの地元議員に事情を相談すると、「好きなだけ、切り出して」と快諾をもらい切り出しました。そして竹の工作に追われ、事前に水やそうめんの流れ具合を確認、隊員の笑い声が聞こえることもあり準備万端です。

  そして当日。流しそうめん、腕相撲、着ぐるみ、隊員との撮影など、どれもこれも、大人から子どもまで大盛況。市民は本当に思うままに懇親を深め、距離を縮めていました。これは、震災以降の献身的な救援活動、行方不明者の捜索、瓦傑撤去など、連日、陰日向となり支援してくれていた隊員への感謝と、近づきたい思いの結果なのだと思いました。

  同様に こんな微笑ましい出来事がありました。避難所支援活動部隊の隊員が交代するとき、任務完了とばかりに、静かにサンタクロースのように去ろうとする隊員たち。それに対して、人々は誰から言われるでもなく聞きつけて、自分たちができること、今できる精一杯の感謝の表現をしていました。避難者全員が一列に並び、思い思いに手を振り、「ありがとう」の言葉を述べていました。こうして、自衛隊員は見送られ、時に涙も見えました。車が見えなくなっても、たたずむ避難者を見た瞬間、何か自分の中で胸が満たされ、目があっくなりました。

  震災ですべてを失っている人たち。一方、これまで支えてくれた隊員に対し、何もできない、何もあげられない。けれども人として何とか感謝をしたい。支えてくれた人へ素直に気持ちを伝えたい。今、目一杯できることをしたい。そんな思いを見た瞬間、なくしていた、忘れていた、人として大切なことを学んだ瞬間でもあり、何かの形で残したいと思いました。
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「法学部」の人気低下 グローバリゼーションの影響

『法学入門』より 「法学部」をめぐる環境の変化 「法学部」の人気低下の要因

グローバル化

 現在、あちらこちらで、世界中で「グローバル化」が進んでいると説かれています。実際、私達の身の回りの品々を見ても、純粋に「made in Japan」のものを探す方が難しくなっているかもしれません。それだけ、わが国は「グローバリゼーション」の真っただ中に置かれてしまっているのです。

 もっとも、こうした風潮に反対する意見も多く聞かれます。「反グローバリズム」などと呼ばれる運動ですが、しかし、私達をとりまく環境は、この流れに反対の意見を表明したからといって、すぐにその流れを止めることができるような単純な状況にはもはやないように思われます。

少子高齢化

 その一つの理由は、日本社会における人口減、および、少子高齢化という現象にあります。 2010年代半ばの現在、日本の人口は1億2700万人ほどですが、この数は次第に減少すると考えられています。国立社会保障・人口問題研究所の将来予測によれば、2030年には1億1000万人台になり、2050年には1億人を切ると予想されています。

 しかし、これ以上に深刻なのは、全人口に占める若年者層の割合がどんどん低下し、高齢者層の割合がどんどん増加しているという問題です。現在、15歳未満の子供の割合は13%ほどですが、65歳以上の割合は26%を超えています(総務省発表)。そして、ある将来予測によれば、2035年には三分の一を超え、2060年には40%にまで達すると考えられています。

マーケットの縮小

 このような少子高齢化の急速な進展は、若年者層の社会保障費負担を増加させるという点で、現在、問題視されています。

 しかし他方で、わが国の経済を支える日本企業の業績という点においても、これは深刻な問題なのです。ある地域における人口減は、その地域において売買される商品の数や提供されるサービスの数の減少を意味します。すなわち、マーケットの縮小です。加えて、相対的に高齢者はあまり購買活動を積極的にしない傾向がある、逆にいえば、商品やサービスの購買者の中心は比較的若い人々であるため、少子高齢化はマーケットのますますの縮小を意味するわけです。

 とすると、日本企業は、日本のマーケットだけをターゲットにビジネスを行っている限り、将来の売上は当然に減少していくしかなく、現在の会社の規模や従業員数を維持していくことすら難しくなるということになります。

急拡大する新興国マーケット

 ところが、日本の周辺のいわゆる「新興国」と呼ばれている国々においては、まったく状況が異なっています。特に アジアの諸国においては、ただでさえ人口が多い国がたくさんある上に(13億6900万人の中国、12億9500万人のインド、2億5400万人のインドネシア、1億8500万人のパキスタン、1億5900万人のバングラデシュ)、人口そのものがさらに拡大している国がほとんどです(国連統計)。加えて、人口に占める若年者層の割合が高く、しかも、そうした人々の生活水準がどんどん上がっているのです。すなわち、新しいマーケットが、まさにわが国の隣で急拡大しているのです。

 とすると、わが国の企業がこれから生き残っていくために何をしなければならないのかは、明白であるということになります。すなわち、アジアを中心に急拡大している新興のマーケットに対して自社の商品やサービスを売り込んでいけるか否かが、今後の事業継続・拡大の鍵になっているわけです。そしてこのことは、一昔前の現象、すなわち、労働賃金や土地などのインフラの価格の安さに着目して、工場などの生産拠点だけをそうした新興国に移すという形でのグローバル化とは、また一つ次元を異にする新しい現象であるといえましょう。

グローバリゼーションの影響

 実際、こうした新しい現象、すなわち、一段レペルが進んでしまったグローバリゼーションの影響は、私達の生活のそこかしこに現れています。特に、学生のみなさんにとっては、就職活動における求人動向の変化が、一番の影響といえましょう。

 現在、一番先に日本企業から内定が出るのは、日本で勉強している外国からの留学生達です。日本語が話せることで日本企業の従業員達との意思疎通に問題がない上に、日本企業が進出したい現地の言語が話せ、現地の事情に精通しているわけですから、上述の事情に鑑みれば、彼らへの需要が拡大するのは当然の帰結といえるでしょう。

 また、海外に長期間滞在した経験がある帰国子女の需要についても、同様の傾向があります。さらに、日本で生まれた日本人であったとしても、豊富な留学経験がある学生は、やはり就職戦線で非常に有利な立場にいるようです。そして、先はどの日本企業をとりまく環境の変化を念頭に置くと、こうした変化は一時的な「はやりすたり」ではないのです。

グローバル化の中での法学部

 とすると、「法学部」の人気低下の要因も、ここに見出すことができるのではないでしょうか。すなわち、現在、社会で求められているのは、海外で戦える「グローバル人材」の養成であり、これをカリキュラム上実現できている学部・大学は、社会におけるニーズが高くなり、他方で、できていない学部・大学は、社会におけるニーズが低くなってしまうということになります。

 その結果、前述のように外国人に対しても臆することなく議論やプレゼンテーションができる能力や、どの国の人も理解できるようなレポートを的確にまとめることができるような能力などにつき、学生に修得させることを目的の一つとする社会科学系の他の学部が、現在、人気を集め始めているのです。その一方で、古色蒼然としたカリキュラム内容しか有しない「法学部」の人気は下がり始めています。そしてそれは、決して一過性の現象ではないのです。

 それでは、「法学部」はこれからどうあるべきなのでしょうか? 本書を通じて一貫して述べてきたように、「法学」の世界には、論理的に議論やプレゼンテーションをする能力や論理的な文章でレポートをまとめるという能力を鍛錬するのに最も適切な素材がたくさん存在しています。つまり、現代のニーズに沿った形で「法学教育」あるいは「法学」そのものを再構築することができれば、上記の新しい学部・大学以上に、「法学部」が現代的要請に応え、かつ、人気の復権を図ることができるのではないでしょうか。
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人体メディカルツアー 生殖器

『アリス博士の人体メディカルツアー』より

生殖器の位置

 男性器と女性器(医学の専門家はgenitalia[生殖器]と呼びますが、これはgenital paraphernalia[生殖に関する道具類]を知縮したもののように思われます)は、互いに大きく異なり、位置もまたかけ離れています。男性器はほぼ全体が体外にぶら下がっています(精子は低温を好むので、精巣は陰嚢に人れられて体外に出ている)が、女性器は大部分が骨盤腔内にしまい込まれています(卵子は体温の温かさが最も快適らしい)。

 男性の生殖管は、初めの部分はとてもシンプルです。骨盤腔内の膀胱のすぐ下で、精巣からペニスの付け根まで精子を運ぶ単純な管にすぎません。しかしその先にあるペニスは、精子を女性の体内に注入できるように複雑な構造となっています。女性の生殖管は卵管またはフアロピウス管と呼ばれ、卵巣から卵子を取り出して子宮(胎児の育つ場所)まで運びます。子宮からは別の管(膣)が伸び、子宮を外界とつないでいます。膣は精子の入り口であるとともに、赤ちゃんの出口にもなります。

 形態も位置も異なるこれらの器官が胚の段階で同じパーツから発生したというのは驚くべきことのように感じられますが、もとをたどれば本当に同じものなのです。受精から7週後の胚には、拍動する心臓、腕、脚、脳、脊髄ができていますが、生殖器(ソーセージやの長い生殖腺と数本の竹が腹腔後壁にあるだけ)はまだまったくどっちつかずで、どちらの性にもなることができます。第7週を過ぎると、性発達を制御する遺伝子が働き始めます。男性の胎児では、生殖腺は精巣となり、腹腔を出て拡大中の陰嚢に人り、それぞれの管は精管となります。女性の胎児では、生殖腺は卵巣となり、少しだけ移動して骨盤腔内に入り、管は一部が融合して膣、子宮、卵管となります。

生殖器の働き

 人間の生殖器は、男性の体から精子を運び込むことによって、女性の体内で卵子が受精できる構造となっています。さらに女性の生殖器には、発生し成長していく受精卵を助けたり、受精から9ヵ月ほど経って赤ちゃんが誕生するときに体外への通路を準備したりといった仕事もあります。

 精子を女性の生殖管に入り込ませるのは容易ではありません。第一に、言うまでもありませんが、男性は女性に自分の精子を受け取ってもらえるように説得する必要があります。ふつう、男性が単刀直入にそれを口にすることはありません。男女のペアが複雑な求愛の儀式を行ないますが、それについては社会人類学者の報告に任せたほうがよいでしょう。ともあれ、その種の事柄については誰でも想像できるはずです。

 解剖学・生理学的な方向に話を進めれば、ペニスは股問にぶら下がる軟らかな肉の塊から硬く勃起した状態になることによって、精子を注人する「挿入器」として機能します。この変化はどのようにして起きるのでしょうか。リンパ液をペニスに送り込む動物もいますが、人間の場合は血液の圧を利用します。ペニスにつながる動脈に自律神経からメッセージが送られると、動脈壁の筋肉が弛緩して、ペニスの大部分を占める海綿状組織の内部に流れ込む血液が増えます。こうして圧が上がると、ペニスから出ていく静脈が圧迫されるので、出ていく血液よりも入ってくる血液のほうが多くなってペニスを膨張させ、頼りなく軟らかい物体だったペニスは勃起して、精子を注入する態勢が整います。

 精子には長い道のりが待っています。時期を見計らって、ほかの自律神経がメッセージを送り始め、精巣の内部や周囲の平滑筋を収縮させて、左右の精巣の後ろに長く伸びた精巣上体内の貯蔵場所から精子を押し出し、精竹(英語のvas deferensは「運び去る管」を意味するラテン語に由来)に送り込みます。粘管は波打つように収縮して精子を運び、膀胱のすぐ下で前立腺に囲まれた尿道の上部に届けます。精子が通過していくときには、さまざまな腺から液体が分泌されます。

 この液体には、精子のための栄養分と腔の酸性環境に立ち向かうための重炭酸塩が合まれています。精嚢(膀胱の後ろにある)、前立腺、そして豆粒大の尿道球腺にう呼ばれるのは、前立腺と会陰膜のすぐ下の尿道に分泌物を放出し、ここでは尿道がペニスの発端、すなわち「球状」の膨大部の中にあるため)から精子に液体が加えられます。尿道でさらに波動状の筋収縮が起き、会陰筋の規則的な収縮にも助けられて、精子は旅路の末にペニスの先端にたどり着き、いよいよ体外に出ます。

 女性の側も、決して受け身ではありません。反射性の筋肉活動がしだいに激しくなり、やがて膣、骨盤底、会陰筋が波打つように収縮を繰り返します。男女ともに、複雑な反射の連続の行き着く頂点にはニオルガスム」という強烈な快感が伴います。

勃起不全

 勃起不全と心臓病、高血圧、糖尿病との関係を示すエビデンスが続々と蓄積されています。これらのどの病気も、根底には血管内壁のトラブルが存在します。血管の状態に異常がある場合、勃起不全が最初の徴候となることがあります。つまり心臓病の前触れです。運動、減量、禁煙など、心臓病リスクを下げる生活習慣の改善は、理屈から考えて、勃起不全の発症リスクも下げるはずです。しかし、このことを裏づける確かなエビデンスは得られているのでしょうか。勃起不全がすでに起きていても、生活習慣の改善によって克服できるのでしょうか。

 喫煙は勃起不全になるリスクを2倍に高めるらしく、中年になってから禁煙しても、残念ながらこのリスクは解消できないようです(つまり、禁煙は早ければ早いほどよいのです。脅しではなく本当に)。過度の飲酒と勃起不全を関連づけた研究もありますが、長期的にはその関連は成り立ちません。現時点で、勃起機能に対するお酒の影響はまだ不明です。

 肥満、高脂肪の食事、座りがちな生活は、勃起不全の発症リスク因子です。体をよく動かす男性ほど、勃起不全の発症リスクが低くなっています。研究によれば、このリスクを下げるため、または勃起不全による影響を軽減するために生活習慣を改善した男性は、心血管系の健康状態、気分、生活の質全般に改善が見られますふつうは精神との絡みで引き合いに出される格言をもじって言えば(男性たちが性器で物事を考えているといって批判する意図は毛頭ありません)、penis sana in corpore sano、つまり「健全なるベニスは健全なる身体に宿る」のです。
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