goo

NPOと企業の協働

『テキストブックNPO』より

かつて、企業とNPOは互いにあまり関係なく活動していた。いや、むしろ対立していたといったほうがよい。企業が市民団体に寄付をすることはあっても、それが企業の本来的な活動の一環として位置づけられていたわけではなかった。

しかし1990年代になると、会社としての社会貢献活動を推進するためにNPOと連携・協働する企業が出現するようになった。経団連などで地域やNPOとの関係づくりの研究も始まった。1995年の阪神・淡路大震災に際して、NPOと産業界の協力がスムーズに協力できたのは、数年にわたるNPOと企業セクターとの関係づくりが行われていたからである。経団連の調査では、すでに6~7割の企業がNPOを社会貢献活動推進の有力なパートナーと捉えており、「協働で取り組む事業がある」という企業も3割を超えているという(日本経団連社会貢献推進委員会編著、2008)。

具体的には、どのような連携や協力が行われているのだろうか。

トヨタ自動車は、「環境」「交通安全」「人材育成」「社会・文化/ボランティア」を主要分野に掲げて社会貢献活動を行っているが、「環境」分野では愛知県の渥美半島でNPO法人「表浜ネットワーク」および「あかばね塾」と協働してアカウミガメの産卵地保全活動を行っている。活動には地域の自社工場の従業員とその家族も参加している。社会・文化の分野では、1996年からアートマネジメントの人材育成と基盤整備に取り組んでおり、公益社団法人「企業メセナ協議会」と連携して、ネットTAMというアートマネジメントに関する総合情報サイトを運営している。

パナソニックは「環境」と「次世代育成支援」を重点分野とした企業市民活動を行っており、その観点からのNPOの育成支援を「市民社会創造ファンド」と「パブリックリソースセンター」という2つのNPO法人との協働で実施している。

従来、企業とNPOの協働とはいっても、どちらかというと企業によるNPO支援が多かった。社員によるNPOへの寄付に会社が上乗せをする「マッチングギフト」などがそうであり、富士ゼロックス、キユーピー、ソニーなどで取り組まれてきた。現在では寄付や助成に加えてマネジメントの支援も行うようになっている。先の例でのパナソニックやマイクロソフトなどがそれに当たる。会社や社員の技術・ノウハウを生かした地雷廃絶運動への協力、障害者芸術運動の支援など、取組みは多様化し、深まっている。

企業がそのように努力してNPOとの協働を行うことにより、企業にもさまざまなメリットがあると考えられている。社会貢献部門の経験の長い担当者は、NPOの専門的な知見、異質の雰囲気、独自の消費者層の視点といった点を挙げる。NPOのそうした特質は、たとえば地域で介護を必要とする高齢者の潜在的なニーズを発掘するときに役に立っかもしれない。

財団法人「共用品推進機構」は、企業に対して高齢者が楽に使える携帯電話などの商品開発の提案を行ってきた。しかし、ニーズ発掘だけにとどまらず、社員がNPOの持つ異質な価値観、市民の感覚に触れることにより、会社に新風が吹き込まれることも期待される。「会社人間」として生きてきた男性社員に、定年後も生きがいを持って打ち込めるものを早めに見つけてもらうという観点から、ボランティア団体との連携が図られることもある。そのためにボランティア休暇制度、ボランティア活動資金支援制度などを整備して、スタッフがNPOなどの活動に参加しやすいようにしている例も少なくない。

NPOにとっての協働のメリットは、企業の持つ資金、技術、人材を活用することによって事業の発展が期待できることである。団体の社会的認知やスタッフの意識向上などの効果が期待されたりすることもある。

企業と市民活動団体の協働は豊かな可能性を秘めているが、もともとの考え方や組織の「文化」が異なるため、互いの違い、相手に求めるものなどをよく見極め、共通の目的に向かって進む努力をしないと、同床異夢に終わる危険性もある。また、規模や財力の面での違いが非常に大きいので、企業としては、NPOを真のパートナーとして尊重する姿勢を持つように心がけなくてはならないだろう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ギリシャ・コンプレックス

『なぜ、フランスは一目置かれるのか』より

欧州連合(EU)のうち17カ国が参加するユーロ圏首脳会議はこのほど、財政危機のギリシャに対する総額1600億ユーロ(約18兆円)の第2次支援策、というより救援策を決めたが、これでギリシャ危機が解決するとは誰も思っていないはずだ。

2010年5月に3年間で計300億ユーロの財政緊縮策と引き換えに総額1100億ユーロの支援が実施されたが、ギリシャでは緊縮策をめぐるデモが間断なく行われている。

今回は、「タブー」とされる民間金融機関によるギリシャ国債の借り換えなど民間負担約500億ユーロが含まれている。民間負担が「タブー」なのは民間が損失を被れば、その連鎖反応で金融システムの大混乱が予測されるからだ。ギリシャヘの資金供給で中心的役割を演じる欧州中央銀行(ECB)のトリシエ総裁も民間負担には反対の立場だった。

案の上、米格付け会社ムーディーズーインペスターズーサービスは7月25日にギリシャ国債の長期信用格付けを「Caal」から3段階引き下げて「Ca」にした。「デフォルト(債務不履行)に陥っているか、それに近い状態」だ。

一方、ドイツはさらなる国税の負担などを嫌って民間負担を強く主張。フランスは、ギリシャ支援が遅れた場合、スペインやイタリアまで財政危機が広がるとの危機感からサルコジ仏大統領が調整を目指してユーロ圏首脳会議前日に仏独首脳会談を要請。会談途中でトリシエ氏を呼び出して説得し、「一時的デフォルトは想定済み」(会議筋)で民間負担を決めた。

フランスはこれにより、ユーロ圏諸国への資金支援を目的にした、欧州金融安定基金(EFSF)への負担額を150億ユーロ増額した。すでにEFSFを通してギリシャ支援に200億ユーロを支出しているのでギリシャヘの支援総額は350億ユーロだ。サルコジ大統領は首脳会議終了後の会見で「ユーロこそが欧州」とのフランスの基本的認識を踏まえて、「ユーロはEU最大の政治的偉業」と指摘。「われわれは仲間を見捨てることはできない」と述べてギリシャヘの連帯を強調した。

フランスの財政赤字は10年に国内総生産(GDP)の7.1%。今年中に6%、13年にはユーロ参加国に課されているGDP比3%に引き下げなければならない。景気回復が遅れる中で、12年春の大統領選では誰が当選しても緊縮財政を余儀なくされる情勢だ。

ただ、仏最大野党の社会党はミッテラン元大統領が「フランスはわが祖国、欧州はわが未来」と述べたように確固たる欧州主義者だ。「危機の先送り」などの支援方法への批判はあるが、救済そのものには反対していない。ミッテラン氏の特別顧問だったアタリ氏も、「救済なしだったらユーロは高騰し、ドイツは輸出困難となり、欧州全体も損失を受ける」と指摘している。

首脳会議では第2次支援に抵抗した国もあり、フィンランドは、「ギリシャの歴史的遺産を担保にすべきだ」と主張したとか(仏紙ルモンド)。ギリシャ支援にはユーロで結ばれた一蓮托生という現実的絆のほかに、いみじくもフィンランドが指摘したように多数の世界遺産を所有するギリシャに対し、欧州人は一種のコンプレックスを抱いているのかもしれない。

仏哲学者のジャンフランソワ・マティ氏は解決策に懐疑的でも多大の犠牲を払って巨額のギリシャ支援を実施する欧州人の心境をこう述べている。「われわれは全てを古代ギリシャに負ってきた。文学、詩、演劇、哲学、数学、解剖学、学校、民主主義。ギリシャ救済は当然だ」
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

前立腺の検査

未唯へ

 販売店でのエクセルの使いにくさを聞いている。そんな夢を見ていた。

 第8章で本格的に考えましょう。

旅行計画

 旅行計画は2・2・3にしましょう。2は3人で車でベルギー周辺。2はドイツのゲッティンゲンとフライブルグへ。奥さんは車で別行動。3は二人で電車でベネルックス・フランスへ行く。

 最後の3の行き先を決めましょう。そこまでのルートです。最新の列車時刻表との比較。

ヘーゲルの精神現象学

 ヘーゲルの精神現象学はどことなく、数学の解析概論みたいです。高木貞二さんの講義を聞いている感じです。これは翻訳がいいですね。安定しています。今日、持って行く本はこれにしましょう。

 精神現象論は各項目の頭の部分で内容が分かります。話し好きのおじさんへの対応法です。

 一つ一つのことを根源的に考えましょう。それと同時に、それの完結性にこだわります。その項目について、すべての軸について述べているかどうか。

前立腺の検査

 今日は前立腺のPSAの値の確認です。12月1日に半年後の計測を確認することを決めました。

 6ヶ月以上前に、10時40分の診察の予約をしたのに、12時前になっても、未だに診察は始まっていない。15番は診察室前に待機するように、掲示されたのは1時間前です。診察が終わると、私を無視して、どこかの誰かをナースが呼びに行っています。

 その人の診察が終わると、また、別の人を呼びにいきます。私には何の説明なしです。予約は全然意味を持ちません。システムは意味を持たない。

 12時40分です。来てから2時間経ちました。結果を聞かずに帰ることにしました。その旨をナースに言いました。「値が大きかったら、どうするのですか」「困るのはあなたですよ」

 それに対して、「高々、死ぬだけでしょう」「存在がなくなるだけです」そんな先のことよりも今です。

 この記念病院の医者はいんちきです。前立腺精密検査で、2度続けて陰性ならば、前立腺がんの可能性はないと言っていたのに、PSAの値が増えただけで、明確でなくなった。

 今後、待合室で座って待つことは止めます。スタンバイです。たって待つことにします。待合室に居ても、無視されるだけです。説明がないことはマーケティングでのお客様でこのようなことをしたら、完全にクレームです。

 病院だから、許されるはずはない。命を握っているから、優位性があると思っている。

切れる名鉄バスの運転手

 客から「早く行け」と言われて、バスを置き去りにしたことがニュースになっていた。似たことを感じました。

 入線するときに、クラクションを鳴らされたので,鳴らし返した。バスの後についていったら、停留所でバスが止まった。バスが入れば、追い越すことができるエリアがあるのに、中途半端な止まり方をしていた。

 しょうがないので、バスが発車するまで、待っていた。次の停留所で追い返しました。名鉄バスの職員は切れるから。

豊田市図書館の26冊

 2時半に豊田市図書館の5階で新刊書待ちです。どうにか、26冊を借りることができました。

 141.5『ザ・マインドマップ[ビジネス編]』仕事のスキルと成果が上がる実践的活用法

 289.1『坂本龍馬からの手紙』全書簡現代語訳

 159.4『できる人の「朝90分」』図解でわかる! 夜型からの転換術・早朝起業・ない内能力開発法・タイムマネジメント・新聞活用術・3回転学習・脳活性化朝食メニュー・体活性化ストレッチ… 朝時間で人生が変わる!

 493.46『大腸がん』名医が語る最新・最良の治療 あなたに合ったベストな治療法が必ず見つかる!!

 501.6『スマートコミュニティの本』トコトンやさしい スマートコミュニティは、情報通信技術を活かして、再生可能エネルギーの導入を促し、社会全体を環境にやさしい体系に変革します。そこには新たなビジネスチャンスが潜んでいます。

 335.89『テキストブックNPO』非営利組織の制度・活動・マネジメント

 141.5『悩まない!技術』人生を変えるリフレーミング思考

 010.21『もっと楽しむ図書館マスターガイド』

 369.16『修復的アプローチとソーシャルワーク』調和的な関係構築への手がかり

 159『情報以前の知的作法 踊らされるな、自ら踊れ』

 159.4『非エリートの思考法』二流が一流を超える仕事術

 538.9『宇宙へ「出張」してきます』古川聡のISS勤務167日

 159.4『「気がきく人」のスマート仕事術』ちょっとした気配りで、〝期待以上〟の仕事をしよう!

 673.3『営業マンは手帳より100円ノートを持ちなさい!』

 133.4『自由論』ミル 個人の自由への干渉はどこまでゆるされるのか。反対意見はなぜ尊重されなけらばならないのか。なぜ「変わった人間」になるのが望ましいのか。市民社会における個人の自由について根源的に考察し、その重要さを説いたイギリス経験論の白眉。現代人必読の今もっともラディカルな書である。

 233『イギリスの不思議と謎』

 104『世の中の見方が変わる哲学』ニュースの本質を〝哲学〟で探る世界初の試み!

 159『続・悩む力』

 302.21『オーディション社会 韓国』

 021.2『著作権の電子化、流通のネットワーク化とコンテンツ・ビジネスの対応』

 304『ふしぎな社会 おかしな行政』

 141.6『「ひとりではいられない」症候群』愛と孤独と依存症をめぐるエッセイ

 302.21『さらば愛しのピョンヤン』北朝鮮エリート亡命者の回想

 493.76『うつ病になっても会社は辞めるな』

 493.76『「新型うつ病」のデタラメ』

 619.8『お茶のある暮らし』
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )