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アメリカが原爆を落とさなかったら

未唯へ。ニュースで「原爆投下はしょうがない」という発言が話題になっていますね。あなた達はニュースにはまるで関心がないですよね。

そのニュースの中で、原爆投下で「日本人を100万人を救った」というようなアメリカの認識が披露されていた。丁度、『アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」』372.53ワタを読んでいました。その中に以下のような記述があります。

「原爆開発プロジェクトは、延ベ一三万人を動員し、当時の金で約二〇億ドルの資金を費やした。現在の貨幣価値に直すと二兆五〇〇〇億円以上になる。そのような巨額の税金を使用した費用対効果を国民に見せる必要があった。それに加えて、対独戦の勝利で台頭してきたソ連に対する原爆の威力誇示という面もあった。米軍兵士の犠牲者数を減らすことが目的だった」というのは、後から付けた理由と考えた方が自然に思える。」

「だが、なぜ日本なのか。なぜ威嚇だけで済まさなかったのか。その答はやはり同種の民族でない日本人に対してだからこそ。そして広島・長崎に原爆を使った結果、効果の余りの凄まじさに驚いたに違いない。」

もし、アメリカが日本で使わなかったとした、どこで使うかをシミュレーションしました。

当時の情勢としては、日本が抜けた後の中国では共産勢力が中国奥地から攻め上がる。ソ連は中・東ヨーロッパを席捲した時点で、中国を狙いはじめる。まずは、社会インフラがしっかりしてして、資源豊かな満州方面から攻め上がる。それらに対抗する中国軍は軍事的にも、政治的にも対抗できないので、台湾方面に撤退を始める。その時点ではソ連軍は朝鮮半島を狙い始める。

それに対してアメリカは、共産勢力への恐怖感が国内世論を持ち上げ、中国への軍事介入を始める。その際は中国共産軍を中心に攻めて行く。その時点でソ連のヨーロッパシフトが始り、投下の妥当性が減少する。。ソ連への牽制と人民軍の波状攻撃に対抗して、原爆の使用を決断する。

しかし、これは終戦の決め手にはなりえない。上海での共産党弾圧から長征などでしぶとく残って、怨念を原動力に中国共産党は原爆で1千万人ぐらいが犠牲になろうとも、アメリカ軍に襲い掛かって、追い落とすことになる。

そんなことを考えると、原爆は『使う』ということは武器になるが、『原爆を使う』ことは武器にならない。
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